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2026/08/10
コラム

医療保険制度改正法とは?2026年改正の概要と私たちの暮らしへの影響

医療保険制度改正法とは?2026年改正の概要と私たちの暮らしへの影響

2026年5月に「健康保険法等の一部を改正する法律(医療保険制度改正法)」が成立しました。少子高齢化に伴う医療費の増加を背景に、医療保険制度を将来にわたって維持するため、給付と負担の見直しが行われています。今回は、医療保険制度改正法の概要と、私たちの暮らしに関わる主な変更点を解説します。

医療保険制度改正法とは?改正された背景と目的

日本では少子高齢化が進み、高齢者人口の増加に伴って医療費も年々増加しています。一方で、現役世代は減少しており、保険料を支える人数が少なくなることで、医療保険制度の持続可能性が課題となっていました。

こうした状況を踏まえ、2026年に成立した医療保険制度改正法では「将来にわたって医療保険制度を維持すること」と「現役世代を中心とした保険料負担の上昇を抑えること」を目的として、給付と負担のバランスを見直しています。

改正は一度にすべて実施されるのではなく、2026年度から2027年度にかけて段階的に施行される予定です。

今回の改正では、高額療養費制度の見直しやOTC類似薬の保険給付の見直し、後期高齢者医療制度における所得判定の公平化、妊娠・出産への支援強化など、幅広い内容が盛り込まれています。

2026年改正で変わる主なポイント

高額療養費制度の見直し

高額療養費制度とは、1か月に支払う医療費が一定額を超えた場合に、自己負担額を軽減する制度です。

今回の改正では、制度を将来にわたり維持するため、所得や医療費の伸びを踏まえて月ごとの自己負担上限額が見直される一方、新たに「年間上限」が設けられます

これにより、年間を通じて高額な医療費が続いた場合でも、年間の自己負担額が一定額を超えた分については支払いが不要となる仕組みになります。長期間治療を続ける方への配慮が盛り込まれた改正といえます。

OTC類似薬の保険給付の見直し

湿布や一部のかぜ薬など、市販薬(OTC医薬品)でも代替できる医療用医薬品については、保険給付の対象を見直す方針が示されました。

背景には、「市販薬でも対応できるものまで保険で賄うことが適切か」という議論があります。保険制度を維持するため、医療保険を利用する範囲を整理し、公平性を高めることが目的です。

対象となる薬や具体的な運用については、今後段階的に実施される予定です。すべての医薬品が対象外になるわけではありません

後期高齢者医療制度の公平性向上

後期高齢者医療制度では、窓口負担割合や保険料は所得に応じて決まります

これまでは、上場株式の配当などの金融所得について、確定申告の方法によって所得の反映に差が生じるケースがありました

今回の改正では、このような不公平を解消するため、金融所得をより適切に反映する仕組みへ見直されます。これにより、同程度の所得であれば、より公平な負担となることが期待されています。

妊娠・出産に対する支援の強化

妊娠・出産にかかる費用の見える化と、妊婦検診や出産時の標準的な費用に自己負担がかからないようにするなど、経済的負担の軽減とともに、安心して出産できる環境を整える目的があります。

制度改正で私たちが知っておきたいこと

今回の改正は、保険料や医療費の負担を一律に増やすことだけを目的としたものではありません。

一方で、高額療養費制度には年間上限が新設されるなど、長期間治療を受ける人への配慮も盛り込まれています。また、妊娠・出産にかかる経済的負担を軽減するため、標準的な出産費用の自己負担軽減に向けた制度整備も進められます。

制度の内容は2027年4月から段階的に施行される予定のため、自分が利用している制度がいつから変更されるのかを確認することも大切です。

特に高齢者世帯や慢性疾患で継続的に通院している方、後期高齢者医療制度を利用している方は、自治体や加入している健康保険からのお知らせを確認しておくと安心でしょう。

まとめ

2026年に成立した医療保険制度改正法では、高額療養費制度の見直しやOTC類似薬の保険給付の見直し、後期高齢者医療制度の公平化などが盛り込まれました。医療保険制度を将来にわたって維持するための改正であり、施行時期や対象を確認しながら、制度変更を正しく理解しておくことが大切です。