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2026/08/13
コラム

高齢者に多いCOPDとは?特徴と合併症の危険

COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、主に長年の喫煙などが原因で肺の機能が低下し、息切れや咳、たんなどが続く病気です。高齢になるほど発症リスクが高まり、日常生活に大きな影響を与えることがあります。今回は、高齢者に多いCOPDの特徴や注意点、合併症の危険について解説します。

高齢者のCOPDとは?加齢とともに注意したい特徴

COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、気管支や肺に慢性的な炎症が起こり、空気の通り道が狭くなったり、肺胞が壊れたりすることで呼吸がしづらくなる病気です。かつては「肺気腫」や「慢性気管支炎」と呼ばれていた病気も含まれます

最大の原因は喫煙であり、長年の喫煙歴がある方ほど発症しやすいことが知られています。一方で、受動喫煙や大気汚染、粉じんなどの影響を受ける場合もあります

高齢者では、次のような特徴がみられます。

  • 階段や坂道で以前より息切れしやすくなる
  • 咳やたんが長期間続く
  • 疲れやすく、活動量が減る
  • 症状を「年齢のせい」と思い込み、受診が遅れやすい

COPDはゆっくり進行する病気であるため、本人も家族も変化に気付きにくいことがあります。「最近外出しなくなった」「歩く速度が遅くなった」といった日常生活の変化が、実はCOPDのサインである場合もあります。

また、症状が進行すると肺だけでなく全身にも影響が及び、筋力低下や栄養状態の悪化、骨粗しょう症などを伴うこともあります。そのため、高齢者では全身の健康状態を含めた総合的な管理が重要になります。

COPDは早期発見・継続治療が生活の質を左右する

COPDで一度壊れた肺の組織は元に戻りません。しかし、適切な治療によって病気の進行を遅らせ、生活の質(QOL)を維持することは十分可能です。

治療の基本となるのは禁煙です。現在も喫煙している場合は、禁煙によって呼吸機能の低下速度を抑える効果が期待できます。医療機関では禁煙治療を受けられる場合もあります。

そのほかにも、

  • 気管支を広げる吸入薬による治療
  • 呼吸リハビリテーション
  • 適度な運動
  • 栄養管理
  • ワクチン接種による感染症予防

などを組み合わせながら治療が行われます。

また、COPDでは「増悪(ぞうあく)」と呼ばれる急激な症状悪化が起こることがあります。風邪や肺炎などの感染症をきっかけに、息苦しさが急激に悪化し、入院が必要になるケースも少なくありません。普段より息切れが強い、たんの量や色が変わった、発熱があるなどの変化がみられた場合は、早めに医療機関へ相談することが大切です。

「年齢だから仕方ない」と思わず、早めに呼吸器内科などで相談することが、今後の生活を守ることにつながります。

COPDで注意したい合併症とは?

COPDは肺だけの病気ではなく、全身にさまざまな影響を及ぼすことが知られています。慢性的な炎症や低酸素状態、喫煙による影響などが重なることで、他の病気を合併しやすくなるため、COPDの治療では呼吸器症状だけでなく全身の健康状態をみながら管理することが重要です。

特に注意したい合併症として挙げられるのが、肺がんです。COPDの主な原因である喫煙は肺がんの大きな危険因子でもあり、COPDの方は肺がんを発症するリスクが高いことが知られています。そのため、定期的な画像検査などによる早期発見が大切です。

また、心不全や狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などの心血管疾患も合併しやすいとされています。慢性的な低酸素状態や全身の炎症が血管にも影響を及ぼすためで、息切れだけでなく胸の痛みやむくみなどの症状にも注意が必要です。

さらに、骨粗しょう症やサルコペニア(筋肉量・筋力の低下)、低栄養も高齢のCOPD患者で多くみられます。息苦しさから活動量が減ることで筋力が低下し、転倒や骨折のリスクが高まるほか、食欲低下によって体重が減少し、さらに体力が落ちる悪循環に陥ることもあります。

そのほか、糖尿病や抑うつ、睡眠時無呼吸症候群などがみられることもあり、複数の病気を抱えながら生活している高齢者も少なくありません。COPDの管理では「息切れだけを治療する」のではなく、定期的な健康診断や医療機関での継続的なフォローを受け、合併症の早期発見・早期治療につなげることが大切です。

まとめ

COPDは高齢者に多くみられる慢性の呼吸器疾患で、早期発見と継続的な治療が生活の質の維持につながります。本人だけでなく、ご家族が病気への理解を深め、日常生活や治療を支えることも重要です。息切れや咳が長く続く場合は、「年齢のせい」と決めつけず、早めに医療機関へ相談しましょう。