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2026/08/04
コラム

高齢者にある精神疾患の種類とは?特徴や認知症との違いを解説

高齢者にある精神疾患の種類とは?特徴や認知症との違いを解説

高齢になると、身体だけでなく心の健康にも変化が現れやすくなります。気分の落ち込みや不眠、物忘れなどは「年齢のせい」と思われがちですが、精神疾患が背景にある場合も少なくありません。この記事では、高齢者にみられやすい精神疾患の種類や特徴、認知症との違いについて解説します。

高齢者に多い精神疾患の種類

精神疾患とは、心や脳の働きに変化が生じ、感情や思考、行動、日常生活に影響を及ぼす病気の総称です。高齢者では加齢による身体機能の低下や生活環境の変化、慢性的な病気、家族との死別や退職による喪失感など、さまざまな要因が重なって発症することがあります

特に高齢期にみられる代表的な精神疾患には、次のようなものがあります。

うつ病(老年期うつ病)

高齢者のうつ病は、若い世代とは少し異なる特徴があります。

「気分が落ち込む」といった典型的な症状よりも、

  • 身体がだるい
  • 食欲がない
  • よく眠れない
  • 頭痛や肩こりが続く
  • 「どこも悪くない」と言われても体調不良が続く

など、身体症状が前面に現れることが少なくありません

また、「自分は役に立たない」「家族に迷惑をかけている」と強く思い込み、意欲が低下して外出や趣味を避けるようになることもあります。

高齢者では身体疾患や認知症と症状が似ていることもあり、発見が遅れやすいため注意が必要です。

神経症性障害(不安障害・強迫性障害)

将来への不安や健康への心配が強くなり、不安障害を発症する方もいます。

  • 病気になることへの過度な心配
  • 外出できなくなるほどの不安
  • 動悸や息苦しさ
  • 落ち着かずそわそわする

などの症状がみられます。

また、「特定の考え」と「それを打ち消すための行動」がセットでおこる強迫性障害もあります。例えば、「鍵をかけわすれたかもしれない」という強迫観念にとらわれ、それが気になって何度も鍵をかけなおしたり、鍵がかかっているかドアの開け閉めを繰り返したりといった確認行動にでます。

高齢になると持病や生活環境の変化が増えるため、不安が強まりやすく、日常生活に支障をきたす場合は専門的な治療が必要です。

睡眠障害

高齢になると睡眠時間そのものは短くなりやすく、夜中に何度も目が覚めることも珍しくありません。

しかし、

  • 眠れない状態が続く
  • 日中も強い眠気がある
  • 睡眠不足で生活に支障が出る

場合は睡眠障害が疑われます。まずは睡眠環境を整えることが必要ですが、睡眠障害はうつ病や不安障害など他の精神疾患と関連していることも多く、原因に応じた治療が重要です。

幻覚・妄想

高齢者では、認知症だけでなく精神疾患によっても幻覚や妄想が現れることがあります。

例えば、

  • 「財布を盗まれた」
  • 「誰かに監視されている」
  • 実際にはいない人が見える

などの症状です。

原因はさまざまで、精神疾患のほか、認知症や薬の副作用、身体疾患などが関係している場合もあります。そのため、自己判断せず医療機関で原因を調べることが大切です。

認知症と精神疾患の違い

高齢者では「認知症」と「精神疾患」が混同されることがあります。

認知症は、脳の病気によって記憶力や判断力などの認知機能が低下し、日常生活に支障をきたす状態です。

一方、精神疾患は気分や感情、思考、行動に変化が生じる病気の総称であり、認知機能が必ずしも低下するわけではありません

ただし、実際には両者が重なることもあり、精神疾患かと思っていたら認知症だったということもありえます。

例えば、

  • 認知症にうつ病を合併する
  • 認知症に伴って幻覚や妄想が現れる
  • うつ病によって物忘れが目立つ(仮性認知症)

といったケースもあります。

本人や家族だけで判断することは難しいため、「以前と様子が違う」と感じたら、早めに医療機関へ相談することが大切です。

家族が気づきたいサイン

高齢者本人は、「年齢のせいだから」「迷惑をかけたくない」と症状を隠すことも少なくありません

家族は次のような変化が続いていないか確認しましょう。

  • 急に外出しなくなった
  • 表情が乏しくなった
  • 食事量が減った
  • 夜眠れず昼夜逆転している
  • 身だしなみに無関心になった
  • 「生きていても仕方がない」と話す
  • 強い不安や疑い深さが続く

こうした変化が数週間以上続く場合は、精神疾患が隠れている可能性があります

精神科だけでなく、かかりつけ医やもの忘れ外来、老年精神科などでも相談できます。高齢者では身体疾患との関連も多いため、総合的な診察を受けることが望ましいでしょう。

まとめ

高齢者の精神疾患には、うつ病、不安障害、睡眠障害、幻覚・妄想などさまざまな種類があります。認知症と症状が似ている場合もあり、本人や家族だけで判断することは容易ではありません。「年齢のせい」と決めつけず、早めに医療機関へ相談することが、適切な治療や生活の質の維持につながります。