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2026/08/01
コラム

自宅の住環境を整える住宅改修制度とは?種類と利用の流れ

自宅の住環境を整える住宅改修制度とは?種類と利用の流れ

介護保険制度の中には、「家の中の段差が気になる」「浴室で転びそうで心配」など、自宅での生活に不安を改修し、住み慣れたご自宅で、安心・安全に生活が続けられるように住環境を整えることを目的とした住宅改修制度があります。転倒予防や介護負担の軽減につながる工事について、費用の一部が支給されます。今回は、住宅改修の対象となる工事の種類や利用方法、申請時のポイントについてご紹介します。

住宅改修とは?介護保険で利用できる制度

介護保険の住宅改修とは、要支援・要介護認定を受けた方が、住み慣れた自宅で安全に生活を続けられるよう住宅を改修する費用の一部を介護保険で支給する制度です。目的は、転倒や事故を防ぐことだけでなく、日常生活を送りやすくし、ご本人の自立を支援するとともに、ご家族の介護負担を軽減することにもあります。

対象となるのは、原則として要支援1・2、または要介護1~5の認定を受け、自宅で生活している方です。施設入所中や長期入院中は基本的に対象外ですが、退院・退所後に自宅へ戻ることが決まっている場合は認められるケースもあります。

支給限度額は上限20万円で、自己負担割合に応じて費用の7~9割が支給されます。例えば工事費20万円で自己負担1割の場合、18万円が介護保険から支給され、自己負担は2万円です。なお、20万円を一度に使い切る必要はなく、残額があれば複数回に分けて利用できます。転居した場合や、要介護度が大きく上がった場合には、再度20万円まで利用できることがあります

介護保険で対象となる住宅改修の種類

住宅改修であればどのような工事でも介護保険の対象になるわけではありません。対象となる工事は、安全な生活に必要なものに限られています。

主な対象工事は次の6種類です。

① 手すりの取り付け

最も利用が多い住宅改修です。廊下や階段、玄関、トイレ、浴室などに手すりを設置することで、立ち座りや歩行が安定し、転倒予防につながります身体状況に応じて縦手すりや横手すりなどを選択します。

② 段差の解消

玄関の上がり框や室内の敷居、浴室の出入口などの段差をなくしたり、スロープを設置したりする工事です。つまずきを防ぎ、車いすや歩行器でも移動しやすくなります

③ 床材・通路面の変更

滑りやすい床を滑りにくい素材へ変更したり、歩行しやすい床材へ張り替えたりする工事です。浴室や玄関アプローチなど屋外部分も対象となる場合があります。

④ 扉の取り替え

開き戸を引き戸へ変更したり、ドアノブをレバー式へ変更したりする工事です。力が弱くなった方でも開閉しやすくなります

⑤ 便器の取り替え

和式便器を洋式便器へ変更する工事などが対象です。ただし、温水洗浄便座への交換など、介護目的ではない設備の追加は対象外となる場合があります

⑥ 付帯工事

上記の工事に伴い必要となる壁の補強や床の補修、給排水設備工事なども対象になることがあります。

住宅改修を利用する流れと注意点

住宅改修は、工事を始める前に申請することが重要です。工事後に申請しても、支給対象外になる可能性があるため注意が必要です。

一般的な流れは次のとおりです。

① ケアマネジャーへ相談する

まずは担当のケアマネジャーや地域包括支援センターへ相談し、現在の生活で困っていることや改修の必要性を確認します。身体状況に合わせた工事内容を一緒に検討します。

② 施工業者へ見積もりを依頼する

住宅改修に対応している業者へ相談し、見積書や工事内容を作成してもらいます。

③ 市区町村へ事前申請する

工事前に市区町村へ必要書類を提出します。申請内容が承認されてから工事を開始することが基本です。自治体によって必要書類や手続きが異なるため、事前に確認しましょう。

④ 工事を実施する

承認後に工事を行います。

⑤ 完了後に支給申請を行う

工事完了後領収書や完成後の写真などを提出し、住宅改修費が支給されます。支払い方法には、一度全額を支払って後から払い戻しを受ける「償還払い」と、自己負担分のみを支払う「受領委任払い」があります。ただし、受領委任払いに対応していない自治体もあるため、事前確認が必要です。

また、「将来のために」と予防的な工事を希望しても、介護上の必要性が認められなければ対象外となることがあります。住宅改修は現在の身体状況に応じた工事であることが重要です。

まとめ

介護保険の住宅改修は、自宅で安心して生活を続けるための大切な制度です。対象となる工事や利用方法を正しく理解し、工事前にケアマネジャーや市区町村へ相談することがスムーズな利用につながります。住まいを整えることは、ご本人だけでなく、ご家族の安心にもつながる大切な支援のひとつです。