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2023/10/28
コラム

老人ホーム入居後の「介護保険サービス」提供の仕組みの違い。

老人ホーム入居後の「介護保険サービス」提供の仕組みの違い。

老人ホームや介護施設に入居する際に、希望する施設で介護保険を利用した介護サービスを受けられるか否かを気にしている方もいるのではないでしょうか。ここでは、介護保険で受けられる老人ホームや介護施設の種類や、受けられる介護サービスについて解説します。

居宅サービスや施設サービスも介護保険で受けられる

介護保険制度の介護サービスには、自宅で受けられる家事援助や身体介護の居宅サービスと、施設に通ったり宿泊したりできる施設サービスがあります。なお、老人ホームや介護施設に入居している方は、居宅サービスと施設サービスのどちらも利用する可能性があります。

例えば、介護サービスを提供している老人ホームには「宅型有料老人ホーム」と、介護保険上の特定施設と位置付けられている「介護付き有料老人ホーム」が挙げられます。また、高齢者向けのバリアフリー賃貸住宅である「サービス付き高齢者向け住宅」でも実施されているところがあります。いずれも介護保険制度を利用できますが、サービスの提供体が異なる点に注意が必要です。

●介護付き有料老人ホーム
要介護度の高い方の受け入れやお看取りも可能な施設で、施設専属の介護士が常駐施設サービスとして介護保険サービスを提供します。

●住宅型有料老人ホーム
介護保険サービスを利用するには、施設との契約とは別に介護保険サービスの利用契約が必要です。施設内に訪問介護事業所を併設している場合と、施設の外から介護士が訪問してくる場合があります。

●サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
サ高住は高齢者向けのバリアフリー賃貸住宅です。介護サービスを受けることが可能なサ高住には、住宅型有料老人ホームと同じ仕組みで利用する場合と、特定施設の認可を受けていて、サ高住でありながら介護付き有料老人ホームであり、施設が自ら介護保険サービスを提供する場合があります。

自分にあった介護サービスや施設サービスがある老人ホーム・介護施設を選ぼう

老人ホームや介護施設に入居していても、介護保険が適用される介護サービスを受けることは可能です。ただし、施設内で介護サービスを提供していない場合、入居者は自分で介護保険サービスを提供する事業所を探して契約を結ばなければなりません。多くの施設では、施設自らが介護保険サービスを提供しない場合、訪問介護事業所を併設しているか、提携している介護事業所があることが多いですが、入居する老人ホームや介護施設を検討している段階で、介護サービス提供の有無、提供している場合はサービスの内容などを確認することが重要です。

老人ホームの中でも、介護保険制度を確実に利用できるのは「介護付き有料老人ホーム」です。介護付き有料老人ホームは、都道府県が定めた運営と人員配置設備の基準を満たし、介護保険制度上の「特定施設入居者介護」と認められています。提供される介護保険サービスの自己負担額も定められているため、限度額を超えた介護サービス費用は生じないという安心感があります。介護付き有料老人ホームには施設内にスタッフや設備が整っているため、外部の居宅サービス事業所を探す手間を省けます。

老人ホームや介護施設を選ぶ際の注意事項

将来のために老人ホームや介護施設を探す際には、まだ自分で動ける場合が多いですので、老人ホームの立地や設備、施設の利用料などに目が向きがちです。しかし、入居後に介護が必要になった際に、どのような仕組みでサービスが提供されるかによって、入居者や家族の負担を大きく左右します。

老人ホームを選ぶ際には、どんな施設サービスを利用したいか、どの施設なら希望するサービスを受けられるか、入居後に外部の居宅サービスも組み合わせるべきかなどを考えておきましょう。
また、元気なうちは介護費用がかからなくても、介護が必要になってから費用がかさんでしまうこともあります。入居する老人ホームや介護施設で、介護度が重くなったらどの程度の費用が必要になるかも必ず確認しておくべきです。外部の居宅サービス利用を検討している場合は、サービス利用料や食費などの実費も確認しておくことをおすすめします。

今回のまとめ

老人ホームや介護施設では、介護保険を利用して要介護度に応じた介護サービスを受けられます。しかし、住宅型有料老人ホームなど一部の施設では、施設で介護サービスを提供していないことも少なくありません。老人ホームや介護施設への入居を検討する際には、希望する施設サービスや外部居宅サービスの利用と費用のシミュレーションを行っておきましょう。