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2023/01/23
コラム

老人ホームや介護施設の入居者の入浴拒否の理由とその対処法について

老人ホームや介護施設の入居者の入浴拒否の理由とその対処法について

老人ホームや介護施設の入浴を入居者が拒否してしまうということがありますが、これには様々な理由があると考えられています。なぜ入居者が入浴を拒否してしまうのか、入居者の訴えを尊重して入浴を行わない場合に起こりうる事態についてぜひ知っておいてください。入居者が入浴を拒否する理由とその対策についてご紹介します。

老人ホームや介護施設の入居者が入浴拒否をする理由

老人ホームや介護施設の入居者が入浴拒否をする理由は主に2つに大別されます。

1つは病気によるものです。認知症など認知機能の低下によって入浴の必要性を感じない入浴をするべきという意識がないことが入浴を拒否する原因になりえます。中には、認知機能の低下によって体調が悪くても自分の体調がうまく伝えられないという方もいるでしょう。この場合は、認知機能が低下しているため清潔を保つことの必要性や、お風呂に入らないことでどんなリスクがあるのかが分からない場合が多く、なかなか入浴をする気になりません。

もう1つは、心理的な理由です。入浴が面倒に感じる、人の前で裸になりたくないといった理由や、もともと入浴の回数が少なかったから入らないという自分の生活背景などが入浴拒否に影響していることもあります。この場合は、気分や入浴介助をする介護者によって入浴する気になってくれることもあるのです。

入浴拒否は体臭や皮膚疾患の原因になりやすい

入浴を拒否されるから、その通りに入浴を見合わせようと思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、入浴を長期間しないことによって起こる2つのリスクがあります。

1つは、体臭です。体臭がすることによって、ご自身も周りも不快な思いをすることになります。特に、老人ホームや介護施設は他の入居者もいるため、体臭がして不衛生であることは、ほかの入居者とのトラブルの原因にもなりかねません。

もう1つは皮膚疾患の原因になりかねないという点です。入浴をしないことで肌のかゆみに繋がり、掻き壊して皮膚炎になるリスクがありますし、おむつをしている方や失禁を繰り返す方は陰部の清潔が保たれないことで尿路感染などのリスクもあります。必ずしも毎日入る必要はもちろんありませんが、少なくとも週に2回は入浴をすることが推奨されています。

老人ホームや介護施設の入居者に気持ち良く入浴してもらうためには?

老人ホームや介護施設の入居者を入浴に誘って入浴拒否をされても、そのまま拒否を鵜呑みにするのではなく、対策をしてもう一度入浴に誘ってみることをおすすめします。

入浴を拒否された後の対策として、入浴の環境を整えてみてください。浴室や脱衣室は寒くないか、滑り止めマットなど高齢者が不安に感じるものを排除できているかチェックしましょう。また、介護者を同性にするなどの配慮もしておくと、裸を見られることが嫌という入居者の心理的な負担を解消できる可能性があります。

それでも入浴をしたくないということであれば、入浴を無理強いする必要はありません。例えば昼間は入浴したくないけれど夜なら入浴しても良いという方もいらっしゃいます。利用者のこれまでの生活背景を知り、それに合わせて声をかけると、すんなりと入ってくれることもあるのです。

入浴の必要性を懇々と説明しても認知機能の低下によって伝わらないこともあるため、まずは環境を整えて入りたいと思えるようにしていくことが賢明です。

今回のまとめ

介護施設や老人ホームの入居者が入浴拒否をする理由は認知機能の低下などの病的な理由から入浴に対する思いなど様々なものがあります。入浴をしないことによって病気などのリスクもあるため介護者としては入浴をしてほしいところですが、介護者の気持ちばかりを押し付けるべきではありません。
入居者の気持ちを尊重し、入居者が入浴したいと思える環境を準備して、アプローチしてみてください。