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2022/12/13
コラム

老人ホームや介護施設での入浴は?老人ホームで部分浴がもたらすメリット

老人ホームや介護施設での入浴は?老人ホームで部分浴がもたらすメリット

入浴』は身体を清潔にする他にさまざまな効果があります。老人ホームや介護施設に入居していると、毎日入浴するのは難しくなりますが、そんな時には部分浴がおすすめです。部分浴は全身入浴とは違い身体への負担が少ないうえ、衣服を脱がずにできるため、気軽に取り入れやすいケアと言えるでしょう。ここでは、老人ホームで部分浴が入居者にもたらすメリットをご紹介します。

老人ホームや介護施設での部分浴は血行促進効果があり転倒などが減らせる

高齢になると、運動不足や新陳代謝が悪くなることで血行不良になり、手足が冷たくなりがちです。
特に冬場は手足が冷たくなり、足の感覚がなくなる方もいらっしゃいます。足の感覚がなくなると、立ち上がる時に力が入らず、転倒して怪我をする危険性があります。そこで、おすすめなのが血行が良くなり、足の感覚も戻る「部分浴」です。
他にも、部分浴をすることで、全身の血行が良くなり、気分を落ち着かせる「副交感神経」が優位になるといったリラックス効果も期待できます。さらに、寝る前に行うことで、安眠効果も得られるでしょう。
また、全身入浴は心臓へ負担がかかり体力を消耗しますが、部分浴であれば、手足を温めるだけなので心臓にあまり負担がかからないのも安心です。部分浴は体力がない方や血圧の高い方でも手軽にできる入浴法だと言えるのです。

血行促進と乾燥防止で皮膚状態が改善される

部分浴のもうひとつの効果は、皮膚を清潔にして乾燥を防ぐことができる点です。特に足は、普段は靴下を履いているため、頻繁に洗うことができません。しかし、足が汚れたままでいると細菌が発生することがあり、感染を防ぐ意味でも部分浴は効果的です。
他にも、皮膚の乾燥防止にも、部分浴は効果が期待できます。皮膚が乾燥すると痒みが出て、掻いているうちに皮膚が割れてしまいます。皮膚の状態を改善するには、ぬるめのお湯に長い時間浸かり、部分浴が終わった後はクリーム等を塗ってしっかりと保湿することが重要です。
また、足は「第2の心臓」と言われており、むくみ等の足の状態を見て、健康状態を把握することもできます。足は普段じっくり見ることが難しい部位ですが、部分浴をすることで健康状態を観察できるのもメリットです。

血行促進や乾燥予防以外にも信頼関係の構築といったメリットがある

部分浴のメリットは血行促進や乾燥予防だけではありません。部分浴をしている時に、他の人と触れ合いながらコミュニケーションを取ることで、そこから信頼関係を築くことができます。
これは看護用語で「タッチング」と呼ばれ、高齢者の方の不安や痛みを軽減する効果が期待できます。これにより、身体が思うように動かなくなったことで閉ざされがちな心を解きほぐしていくのです。
身体に触れる行為は、皮膚を通じて大脳に届き、幸せホルモンと呼ばれる「オキシトシン」が分泌されます。入居者は住み慣れた自宅から老人ホームへ移り、ご家族と離れて暮らすことで不安を感じているため、触れ合うことで、少しでも不安を取り除くことが重要です。
こうして直接触れ合いながら気持ちを共有することで信頼関係を築いていくと、入居者も安心して老人ホームや介護施設での生活が送れるようになるでしょう。

今回のまとめ

高齢になると入浴は身体に負担になるため、毎日行う必要はありません。しかし、『部分浴』で部分的に身体を温めることで血行促進や乾燥予防ができ、触れ合うことを通してコミュニケーションが取れる等、さまざまな効果が期待できます。部分浴は衣服を着たまま行えるため、手軽にできて時間もそれほどかかりません。ぜひこの機会に部分浴を取り入れてみてはいかがでしょうか。