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「リハビリ専門職」理学療法士と作業療法士の違い
怪我や病気、あるいは老化によって身体機能が低下し、日常生活に様々な困難を抱える方がいます。
そうした方々が機能の維持や回復のために行われるのが一般的に「リハビリ」と呼ばれる、「リハビリテーション」です。
このリハビリの専門職として従事している人を「療法士」と呼びます。
実は、この療法士にはいくつかの種類があることをご存じでしょうか?
愛知県名古屋市内で介護施設や老人ホームをお探しの方は、ぜひ療法士について、その種類・役回りの違い等について知っておいてください。
▼【Youtube】動画解説はこちら↓↓
1.「理学療法士」と「作業療法士」の定義
病院や介護施設、老人ホームなどでリハビリテーションに携わる医療従事者を「リハビリテーション職」と言い、4つの種があります。
● 理学療法士(PT)
● 作業療法士(OT)
● 言語聴覚士(ST)
● 視能訓練士(CO)
中でも「理学療法士」と「作業療法士」には、病院や介護施設などで高齢者が触れる機会が多い療法士です。
理学療法士
英語で「physical therapist」と言い、その略称である「PT」と呼ばれることも多いです。
【理学療法士になるには】
理学療法士は「理学療法士および作業療法士法」に基づいて規定されている国家資格であり、その資格を取得するには4年制大学や3年制短期大学、3年制以上の専門学校、また視覚障害者の場合は特別支援学校といった養
成校で3年以上学び、必要な知識と技術を得る必要があります。
教育課程を修了することで理学療法士国家試験の受験資格を獲得し、試験に合格することではじめて「理学療法士」として働くことができます。
【理学療法士の役割】
理学療法士は、病気・ケガを始め加齢や障害が原因で身体機能が低下している人に対し、その身体機能の回復を図り、医師の指示のもとに、日常生活動作の維持、そして機能の改善を行うためのリハビリテーションを行います。
ちなみに、ここで言う「日常生活動作」とは、立つ・座る・歩くの他、起き上がる、寝返りを打つなど、日常生活に必須となる基本的な動作のことです。
理学療法士が行うリハビリテーションには、筋肉・関節を動かして行う「運動療法」の他、電気刺激・マッサージなどを用いて行う「物理療法」があります。
リハビリを繰り返して行うことで、患者が自立的な日常生活が送れるようになるようサポートを行います。
作業療法士
英語で「occupational therapist」と表記し、略称の「OT」で呼ばれることもあります。
【作業療法士になるには】
理学療法士と同じく「理学療法士および作業療法士法」に基づいて規定されている国家資格で、その資格を取得には作業療法士専門学校か3年制の短期大学もしくは4年制大学の作業療法士養成学校の教育課程を修了し、作業療法士の資格試験に合格する必要があります。
【作業療法士の役割】
作業療法士が行うリハビリテーションは、日常生活をスムーズに送るための「応用動作」に関するものです。
ここで言う「応用動作」とは、食事をする・顔を洗う・字を書く・入浴する等、自立した生活を送る上で必要となる応用的な動作を指しています。
理学療法士の行うリハビリテーションが主に身体を動かす基本である「大きな動作」に関するものであるのに対して、作業療法士が扱うリハビリテーションは手(指)の細かい動作など、生活上必要になる「細かな動作」を対象としています。
また、精神障害を持つ患者に対し、作業活動を通じて、その社会適応能力や精神的ケアを行うこともあります。
2.PTとOTの「違い」それぞれの役割・考え方・活躍の場
理学療法士と作業療法士は、ともに患者の自立した生活のための動作改善を行うという目的を持ちますが、それぞれ担当する職分や仕事内容は異なります。
【対象とする分野】
〇 理学療法士:治療の対象とするのは病気やケガ等の原因で身体に障害が生じた患者
〇 作業療法士:身体に障害が生じた患者、精神に障害を持つ患者
【リハビリの内容】
〇 理学療法士:主に身体の基本動作(日常生活動作)の回復・改善
⇒「身体を動かす」ことに関わる機能であり、特に「移動」に必要な歩行訓練や筋力トレーニングなどを行う。
〇 作業療法士:日常生活上の作業(応用動作)の回復・改善
⇒生活上の幅広い作業活動をリハビリの対象としており、「からだ」と「こころ」の回復・改善行う。
【共通の活躍の場】
●医療施設
●介護施設
●小児施設
●訪問リハビリテーション事業所
●一般企業
特に介護施設や老人ホームをお探しの方は、それらの施設で接する機会が多いことと思います。
訪問リハビリテーションでは、自宅生活はできているけど外出が困難な人などを対象に、その自宅に赴いてリハビリを行います。
自宅訪問でリハビリを行うことから、各々の本来の生活環境で適切なリハビリを組み立てることが可能です。
また、なかには直接リハビリテーションに携わるのではなく、福祉用具などの製造販売している一般企業に就職し、福祉用具の開発を通して、間接的に障害を抱える人のリハビリテーションに携わる人もいます。
【異なる活躍の場】
〇 理学療法士
理学療法士ならではの活躍する場としてよく知られているのが、スポーツ関連の現場です。
アスリートやプロ選手のトレーナーとして活動することも多く、それぞれの選手のコンディション作りやトレーニングのメニューの発案、あるいは競技で発生し得る障害予防といった仕事で活躍できます。
プロ競技に限らず、高校・大学の部活から実業団、パラスポーツに至るまで、幅広く活躍できます。
〇 作業療法士
作業療法士ならではの活躍する場としては、精神科病院と職業センターを挙げることができます。
身体だけでなく、精神疾患もリハビリテーションの対象とするという、理学療法士と異なる面があります。
精神病院では、患者の手作業や全身作業といった身体的なリハビリテーション以外にも、他者とのコミュニケーションを通じて、精神状態の安定や社会への適応能力の回復・改善を図るためのリハビリテーションを行います。
また、ハローワーク等の職業センターで、職業相談や就職に必要な技能のチェック、訓練などを行い、就職による社会復帰を進めるという大切な業務もあります。
3.需要が高まる「言語聴覚士」
現在4種あるリハビリテーション職の中でも、特に需要が高まっているのが「言語聴覚士」です。
言語聴覚士とは、話すこと・聞くことの他、食べること・飲み込むことに関するリハビリを行う療法士です。
1997年に国家資格となった新しい制度で、理学療法士や作業療法士と比較して、全国的に不足傾向にあります。
いわゆる「2025年問題」で超超高齢化社会を迎えようとしている昨今、地域包括ケアの一端を担う療法士として注目を集めています。
地域包括ケアを推進するため、地域での環境整備が急がれており、言語聴覚士を必要とする病院や施設の拡充が見込まれています。
言語聴覚士の求人数も増加が見込まれており、将来性が高いリハビリテーション職であると言えるでしょう。
おわりに…
理学療法士と作業療法士は同じ「療法士」ではありますが、 それぞれリハビリテーションを担当する動作には違いがあることが お分かりいただけたと思います。介護施設や老人ホーム等で療法士に相談をしたい という場合は、それぞれの職分の応じて相談対象を見極めると、 より円滑に進むでしょう |
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