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2022/01/03
コラム

対新型コロナ補助金「かかり増し助成」とは

新型コロナウィルスの感染拡大により、医療施設はもちろんのこと、介護事業所においても感染対策として備品の購入や施設の整備など、スタッフの業務負担とあわせて、金銭的負担も大きくなっています。

そこで、”かかり増し経費“を補填する新たな補助金のスキームが決定し、厚生労働省が通知を出しました。

愛知県名古屋市内の介護施設や老人ホームの運営にも影響を与えることですので、確認をしておきましょう。

1.基本報酬の上乗せ特例の代替措置

基本報酬の上乗せ特例の代替措置

2021年(令和3年)度の介護報酬改定で、新型コロナ感染症対応のため、条件付き特例評価分として、改定率+0.7%のうち、基本報酬に0.1%上乗せする処置がとられていました。

そして、2021年10月以降においては、当初から「感染状況や地域ごとの介護の実態を踏まえて、必要に応じて柔軟な対応を行う」とされていました。

全国老施協から、10月以降も同様の措置を行うよう、政府に要望が出されたことも踏まえ、厚生労働省は9月28日に、医療と介護及び障害福祉分野での「感染防止対策の継続支援策」をとりまとめて、9末で終了する基本報酬の特例措置に相当する、かかり増し経費に対する補助金による支援継続を表明しました。

2.かかり増し経費の新たな補助金が開始

かかり増し経費の新たな補助金が開始

この支援継続の対象となるのは、地域医療介護総合確保基金の枠組みを利用することで、9月末までの基本報酬0.1%上乗せの特例対象となっていた、すべての介護施設や事業所です。

その補助金の金額は、平均的規模の介護施設で6万円を上限とされています。

 

なお、病院診療所などの、別個に補助金の設定がなされている医療施設で障害福祉サービスを行う場合は、医療施設に対して行われる補助金をもって、これに充てることになります。

かかり増し支援のための補助金の対象となる経費は、2021年10月1日から12月31日までに、感染防止対策のために必要となった費用となります。

補助金の申請手続きは可能な限り簡素な方式で行われる予定ですが、厚生労働省は介護サービスを提供している各事業所に対して、感染防止対策の継続に必要となった経費にかかわる領収書を保存しておくよう求めています。

3.事業所ごとの補てん上限額

事業所ごとの補てん上限額について

2021年11月10日に、厚生労働省は「かかり増し経費補助金」のサービス内容および事業所の規模別の補助金額上限を明らかにしました。

この枠組みでは、介護事業所を「通所系」「短期入所系」「訪問系」「多機能型」「入所施設・住居系」の5系統に種別し、それぞれ規模に合わせた補助金上限が決められています。

なお、この補助金の財源は、地域医療介護総合確保基金となります。

 「通所系」事業所 

通常規模:10,000円

大規模(Ⅰ):15,000円

大規模(Ⅱ):20,000円

 

 「短期入所系」事業所 

【短期入所生活介護】

上限10,000円

【短期入所療養介護】

定員20人以下:5,000円

定員21人以上:10,000円

 

 「訪問系」事業所 

【訪問介護】

訪問回数1200回以下:上限10,000円

訪問回数1201回~2000回:上限15,000円

訪問回数2001回以上:上限20,000円

【訪問入浴】

上限10,000円

【訪問看護】

上限10,000円

【訪問リハビリテーション】

上限5,000円

 

 「多機能型」 

【小規模多機能型居宅介護/看護小規模多機能型居宅介護】

上限10,000円

 

 「入居施設・住居系」 

【介護老人福祉施設/介護老人保健施設】

定員39人以下:30,000円

定員40人~49人:40,000円

定員50人~69人:50,000円

定員70人~89人:60,000円

定員90人以上:70,000円

 

【認知症対応型共同生活介護】

定員14人以下:10,000円

定員15人以上:15,000円

 

 

【特定施設入居者生活介護(介護付き有料老人ホーム/経費老人ホーム 等)】

定員19人以下:10,000円

定員20人~39人:20,000円

定員40人~59人:30,000円

定員60人~69人:40,000円

定員70人~89人:50,000円

定員90人~99人:60,000円

定員100人以上:70,000円

 

 かかり増し経費の「補助対象」 

他対象品目は、必要に応じてQ&Aで示すとされていますが、2021年10月1日から12月31日までに購入した下記のような備品が対象となります。

・衛生用品(マスク・手袋・消毒液など)
・パーテーション
・パルスオキシメーター

 かかり増し経費の「注意点」 

【支払回数】

補助金の上限金額は1か月単位ではなく、まとめて1回であることに注意してください。

【申請が必須】

2021年9月までの基本報酬の上乗せ方式と違い、10月以降は事業所の申請に基づく実費補助に切り替える形となりました。

10月1日以降のかかり増し経費に関しては申請をしないと補助金を受け取ることができない点に注意してください。

【購入物品の納品時期に注意】

この補助金は原則すべて精算交付となっているので、申請が行えるのはすべての事業に要した経費が確定してからとなります。

つまり、発注が12月31日以前であっても、申請時(2022年1月以降)に納品されていない場合は計上できないので注意してください。

【事業所の区分】

上限額は事業所が提供しているサービスの種別と入所定員の規模別に区分されていますが、この区分はいずれも申請時点での種別や定員が用いられることになります。

訪問介護の場合は10月の身体介護・生活支援・通院等の乗降介助の合計数によって判断されます。

また2021年9月末までの「基本報酬+0.1%」特例の対象に当てはまっていなかった「福祉用具貸与事業所」は、今回も補助金の対象外となります。

 

 かかり増し経費の「申請方法」 

【申請先】

申請は事業所単位で、都道府県に対して申請することになります。

【まとめて申請】

処理の負担軽減のため、同一法人であれば複数事業所をまとめて申請可能です。

電子申請を基本として、事業所に可能な限り負担がかからないよう、各都道府県で調整が行われています。

【申請期間】

申請回数をまとめて1回とするために、補助金の受付開始時期は10月1日から12月31日までの合計経費が確定している2022年(令和4年)1月から開始となり、申請期限は2022年1月31日となっています。

 

【領収書の取り扱い】

領収書等の証拠書類は、電子申請の場合、支出した費用の金額の入力を行うだけで完了するので、基本必要ありません

原則として、申請に必要物品購入の際のレシート添付は必要ありませんが、場合によっては申請内容の確認のために保管してあるレシートの提示が必要になることもあります。

【おわりに…】

基本報酬の上乗せ特例は、新型コロナウィルス感染症の感染拡大に伴う対策費用のかかり増しに対する補完として始まったものですから、今後の補助金のあり方については、これから先の国内の新型コロナウィルスの感染状況に依るでしょう。2022年1月1日以降の感染対策経費に関する補助については、その時の状況に応じて政府の判断が変わってきます。補助金に関する情報収集は怠らないよう、こまめにチェックした方がよいでしょう。