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2026/11/07
コラム

高齢者の肺炎球菌ワクチンが変わった?2026年度からの「PCV20」を解説

高齢者の肺炎球菌ワクチンが変わった?2026年度からの「PCV20」を解説

高齢者を対象とした肺炎球菌ワクチンの定期接種が、2026年4月から変更されたことをご存じでしょうか。これまで使用されていた「PPSV23」に代わり、新たに「PCV20」が使用されています。今回は、何が変わったのか、対象となる人や過去に肺炎球菌ワクチンを接種した人の扱いについてご紹介します。

2026年4月から肺炎球菌ワクチンが「PCV20」に変更

肺炎球菌は、肺炎をはじめ、菌血症や髄膜炎などを引き起こすことがある細菌です。厚生労働省によると、成人の市中肺炎の約2~3割は肺炎球菌性肺炎とされており、高齢者では肺炎球菌による侵襲性感染症の疾病負荷が高いことが知られています。

日本では2014年10月から、高齢者の肺炎球菌感染症の定期接種に「PPSV23(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」が使用されてきました。製品名では「ニューモバックスNP」と呼ばれるワクチンです。

この定期接種で使用するワクチンが、2026年4月1日から「PCV20(沈降20価肺炎球菌結合型ワクチン)」へ変更されました。製品名は「プレベナー20」です。これに伴い、PPSV23は高齢者の定期接種に使用するワクチンから外れています。

「23価から20価になったなら、予防できる範囲が狭くなったの?」と感じるかもしれませんが、単純に数字だけで比較することはできません。

厚生労働省によると、PPSV23とPCV20では免疫を得る仕組みが異なります。2024年時点では、成人の侵襲性肺炎球菌感染症の原因となる血清型をカバーする割合はPPSV23が56%、PCV20が55%と同程度で、PCV20は対象となる血清型に対してPPSV23より高い有効性が期待できることなどから変更されました。

定期接種の対象となるのは誰?

ワクチンの種類は変わりましたが、定期接種の対象者に変更はありません。

対象となるのは原則として65歳の方です。また、60~64歳で、心臓・腎臓・呼吸器の機能に一定の障害がある方や、HIVによって免疫機能に一定の障害がある方も対象となります。

PCV20を1回、筋肉内に接種します。

ここで注意したいのが、「65歳以上ならいつでも定期接種を受けられる」という制度ではないことです。

以前は、65歳を超える一定年齢の方にも接種機会を設ける経過措置がありましたが、現在は終了しています。2026年度も新たな経過措置は設けられていません。

また、インフルエンザや新型コロナワクチンのように「毎年接種する」という仕組みでもありません。厚生労働省が示している高齢者のPCV20の定期接種スケジュールは1回接種です。

対象となる方は、自治体からの案内などを確認し、分からないことがあればお住まいの市区町村や医療機関に確認しましょう。

以前「PPSV23(ニューモバックスNP)」を接種した人は5年後どうなる?

これまで肺炎球菌ワクチンを接種したことがある方の中には、「ニューモバックスは5年ごとに接種するもの」と認識している方もいるかもしれません。

ここは少し注意が必要です。PPSV23(ニューモバックスNP)は、「すべての高齢者が5年ごとに必ず接種する」という定期接種制度ではありません。

PPSV23では再接種が行われることがありますが、「5年」というのは、すべての人が5年経過したら必ず追加接種するという意味ではありません。そのため、例えば65歳でニューモバックスを接種したからといって、70歳になった時点で自動的にもう一度ニューモバックスを接種するということではありません。

さらに、2026年4月から高齢者の定期接種で使用するワクチンはPCV20に変更されており、PPSV23は定期接種には使用されなくなりました。

では、「以前PPSV23を接種した人は、5年後にPCV20を定期接種として受けられるの?」というと、現時点ではそのような仕組みにもなっていません。

現在の定期接種は、原則として65歳の方にPCV20を1回接種する仕組みです。

そのため、以前ニューモバックスを接種している方は、「5年たったから次のワクチンを受ける」と自己判断するのではなく、接種したワクチンの種類や時期を確認し、今後の接種について医師に相談するのがよいでしょう。

特に「いつ接種したか分からない」「ニューモバックスだったか分からない」という場合には、接種記録などを確認してから相談するとスムーズです。

まとめ

2026年4月から、高齢者の肺炎球菌ワクチンの定期接種は「PPSV23」から「PCV20」へ変更されました。対象は原則65歳で、PCV20を1回接種します。以前ニューモバックスを接種した方も、5年後に自動的にPCV20の定期接種を受ける仕組みではありません。。過去の接種歴を確認し、今後の接種については医師に相談しましょう。