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2026/11/04
コラム

高齢者の「残薬」はなぜ増える?薬が余ったときはどうする?

高齢者の「残薬」はなぜ増える?薬が余ったときはどうする?

処方された薬が飲みきれず、いつの間にか自宅にたまっていることはありませんか。このような薬は「残薬」と呼ばれます。特に高齢者では、服薬管理が難しくなり、薬が余ってしまうこともあります。今回は、残薬が生じる理由や、薬が余ったときの対応についてご紹介します。

「残薬」とは?なぜ薬が余る?

残薬とは、医療機関から処方されたものの、飲み忘れなどによって手元に残っている薬のことです。

薬が余ってしまう理由は人によって異なります。「つい飲み忘れてしまった」「食事をしなかったため食後の薬も飲まなかった」「薬を飲む時間や回数を間違えていた」など、さまざまな理由が考えられます。

高齢になると、毎日の薬を自分だけで管理することが難しくなる場合もあります。厚生労働省の「高齢者の医薬品適正使用の指針」では、残薬が多い場合、単に処方する日数を調整するだけでなく、なぜ残薬が発生しているのかを確認することが必要としています。

例えば、朝・昼・夕など薬を飲む回数が多く、飲み忘れているのであれば、本人の生活に合わせて服用回数を調整できるか医師や薬剤師に相談する方法があります。

また、認知機能の低下などによって服用状況の管理が難しくなっている場合には、家族など服薬をサポートする人を決めたり、服薬カレンダーを活用したりすることも方法の一つです。

残薬が増えてきたときは、単に「飲み忘れが多いから」と考えるのではなく、薬をきちんと飲めない理由がないかを確認することがポイントです。

余った薬は後から飲んでもいい?自己判断での服用は避けよう

「もったいないから取っておこう」「また同じ症状が出たら飲もう」と、余った薬を保管している人もいるかもしれません。

しかし、以前処方された薬を自己判断で使用することは避けましょう。

医療用医薬品は、医師が診察した時点での病状などに応じて処方されています。同じような症状が出たとしても、同じ病気とは限りません。そのためPMDA(医薬品医療機器総合機構)では、以前使用して残った薬を自己判断で使用しないよう注意を呼びかけています。

また、余った薬を家族や知人に譲ることもしてはいけません。人によって体の状態や服用している薬、アレルギーなどが異なるため、自分に処方された薬を他の人が使用するのは危険です。

反対に、「薬が余ってきたから」と自己判断で薬を減らしたり、服用を中止したりすることも避けましょう。薬のなかには、症状が改善していても継続して使用する必要があるものや、中止する際に徐々に量を減らす必要があるものもあります。

薬が余っていることに気づいたら、そのまま自己判断せず、次回の受診や薬局を利用する際に医師や薬剤師へ伝えるようにしましょう。

残薬が増えたらどうする?薬剤師に相談してみよう

残薬がある場合は、薬局の薬剤師に相談することができます。

「どの薬が、どのくらい残っているのか」「なぜ余ったのか」などを薬剤師に伝えることで、残薬や服用状況を確認してもらえます。必要に応じて薬剤師から処方医へ情報提供が行われ、残っている薬の数などを踏まえて処方日数が調整される場合もあります。厚生労働省の調査でも、薬剤師による残薬への対応として、処方医への情報提供や残数・日数の調整、服薬カレンダーなどによる支援が行われています。

また、薬が余らないようにするためには、本人が続けやすい管理方法を考えることもポイントです。

例えば、服薬カレンダーなどを利用すると、「今日の薬を飲んだかどうか」を確認しやすくなります。自分で管理することが難しくなってきた場合は、家族などに薬の残りや服用状況を一緒に確認してもらう方法もあります。厚生労働省も、高齢者の服薬管理では家族などの協力を早めに取り入れ、習慣化することを示しています。

残薬は、単に「余った薬をどう処分するか」という問題だけではありません。薬が余っていることをきっかけに、現在の飲み方が本人の生活に合っているかを確認することも重要です。

「薬がたくさん残っている」「何の薬か分からない」「うまく管理できなくなってきた」という場合には、そのままにせず、医師や薬剤師へ相談してみましょう。

まとめ

高齢者の残薬には、飲み忘れや服薬管理の難しさなど、さまざまな理由が考えられます。余った薬を自己判断で使用したり、服用を中止したりせず、まずは医師や薬剤師へ相談しましょう。残薬が増えた理由を確認することは、無理なく薬を続ける方法を考えるきっかけにもなります。