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2026/10/25
コラム

高齢者の睡眠時間はなぜ短くなる?加齢による睡眠の変化とは

高齢者の睡眠時間はなぜ短くなる?加齢による睡眠の変化とは

「若い頃より早く目が覚めるようになった」「夜中に何度も目が覚める」という高齢者は少なくありません。年齢を重ねると、睡眠時間や眠りの深さにも変化が現れます。今回は、高齢者の睡眠時間が短くなる理由や睡眠の特徴、よりよい睡眠をとるためのポイントをご紹介します。

高齢者はなぜ睡眠時間が短くなる?

年齢を重ねると、若い頃に比べて睡眠時間が短くなったり、眠りが浅くなったりする傾向があります。その理由のひとつが、加齢による睡眠の変化です。

私たちは眠っている間、「浅い眠り」と「深い眠り」を繰り返しています。しかし、高齢になるにつれて深い眠りが減少し、浅い眠りが増えていきます。そのため、ちょっとした物音や尿意などでも目を覚ましやすくなり、夜中に何度も起きる「中途覚醒」や、朝早く目覚めてそのまま眠れなくなる「早朝覚醒」がみられやすくなります。

また、睡眠と目覚めのリズムを調整する「体内時計」も加齢によって変化します。高齢者は体内時計が前倒しになりやすく、若い頃より早い時間に眠くなり、朝も早く目覚める傾向があります。

さらに、睡眠を促すホルモンである「メラトニン」の分泌量も加齢とともに減少します。こうした身体の変化が重なることで、高齢になると若い頃と同じように長時間ぐっすり眠ることが難しくなっていきます。

そのため、「昔は8時間眠れたのに、今は6時間しか眠れない」といった変化があっても、加齢に伴う自然な睡眠の変化である場合があります。

加齢以外にも?高齢者の睡眠を短くする原因

高齢者の睡眠時間が短くなる背景には、加齢による身体の変化だけでなく、生活習慣や身体の状態などが関係している場合もあります。

例えば、退職や体力の低下などによって外出する機会が減ると、日中の活動量も少なくなりがちです。身体を動かす時間が減ることで、夜になっても十分な眠気が生じにくくなり、寝付きが悪くなったり、睡眠時間が短くなったりすることがあります。

また、日中に長時間昼寝をしたり、「夜眠れなかったから」と早い時間から寝床に入ったりすると、夜に十分な眠気がたまらず、かえって眠りにくくなる場合があります。

高齢者に多い身体の不調も睡眠に影響します。関節などの痛みや皮膚のかゆみ、夜間の頻尿などがあると、眠っていても途中で目を覚ましやすくなります。また、病気や服用している薬の影響によって眠りが妨げられている場合もあります。

このほか、「眠れないと身体に悪いのではないか」「今日も眠れなかったらどうしよう」と睡眠について過度に心配することが、かえって寝付きを悪くすることもあります。

高齢者の睡眠時間が短くなる理由はひとつではありません。加齢による自然な変化だけでなく、生活リズムや身体の不調など、さまざまな要因が関係していることを知っておきましょう。

睡眠時間より「日中の状態」にも注目しよう

「毎日8時間は眠らなければならない」など、睡眠時間だけを気にしてしまう方もいるかもしれません。しかし、必要な睡眠時間には個人差があり、高齢になって若い頃より睡眠時間が短くなることは珍しいことではありません。

大切なのは、睡眠時間だけではなく、起きている時間をどのように過ごせているかにも目を向けることです。

朝起きたときにある程度すっきりしており、日中に強い眠気を感じることなく普段通り生活できているのであれば、若い頃より睡眠時間が短くなっていても、必要以上に心配する必要はないでしょう。

よりよい睡眠のためには、朝起きたら日光を浴びる、日中は適度に身体を動かす、食事や起床・就寝の時間をできるだけ規則正しくするなど、生活リズムを整えることが大切です。また、長時間の昼寝や、眠くないのに早い時間から寝床に入ることは、夜の睡眠を妨げる場合があります。

一方で、睡眠時間が短いことに加えて、「日中に強い眠気がある」「疲れがとれない」「眠れない状態が続いてつらい」など、日常生活に支障が出ている場合には注意が必要です。

不眠の背景に身体の病気や睡眠障害、服用している薬などが関係している可能性もあります。睡眠の問題が続いている場合には、「年齢のせいだから」と決めつけず、かかりつけ医などに相談しましょう。

まとめ

高齢になると、深い眠りが減ったり体内時計が変化したりすることで、若い頃より睡眠時間が短くなる傾向があります。大切なのは、時間だけでなく睡眠の質や日中の状態にも目を向けることです。強い眠気や不眠などで生活に支障がある場合は、医療機関への相談も検討しましょう。