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2026/10/10
コラム

介護保険の住宅改修費はリセットされる?再び利用できる条件を解説

介護保険の住宅改修費はリセットされる?再び利用できる条件を解説

介護保険を利用した住宅改修には、原則20万円の支給限度基準額があります。一度利用すると「もう住宅改修には介護保険を使えない」と思うかもしれませんが、一定の条件を満たすと、再び20万円まで利用できる場合があります。今回は、住宅改修費がリセットされる条件についてご紹介します。

介護保険の住宅改修とは?20万円までが対象

介護保険では、要支援・要介護認定を受けた人が自宅で安全に生活できるよう、一定の住宅改修に対して費用の一部が支給されます。

対象となるのは、手すりの取り付けや段差の解消、滑りにくい床材への変更、引き戸などへの扉の取り替え、洋式便器などへの便器の取り替えなどです。

支給限度基準額は、原則として一人につき上限20万円です。20万円の工事費がすべて支給されるわけではなく、所得に応じて費用の7~9割が介護保険から支給されます。そのため、1割負担の人であれば最大18万円が支給されることになります。

また、20万円を一度に使い切る必要はありません。例えば、最初に8万円分の手すりを取り付けた場合、残りの12万円分を後から別の住宅改修に利用することも可能です。限度額の範囲内であれば、複数回に分けて申請できます。

ただし、原則として一度利用した分が時間の経過によって元に戻ることはありません。

例外として、一定の条件を満たすと、再び20万円まで住宅改修費の対象となる場合があります。一般に「リセット」と呼ばれている仕組みです。

要介護状態が「3段階以上」上がるとリセットされる?

一つ目の条件が、最初に介護保険を利用して住宅改修を行ったときよりも、介護の必要性が大きく高くなった場合です。

一般に「3段階リセット」と呼ばれますが、ここで注意したいのが、要支援・要介護の区分をそのまま一つずつ数えるわけではないことです。

住宅改修では、次の6段階で考えます。

段階 要介護状態区分
第1段階 要支援1
第2段階 要支援2・要介護1
第3段階 要介護2
第4段階 要介護3
第5段階 要介護4
第6段階 要介護5

つまり、要支援2と要介護1は同じ段階として扱われます。

例えば、要支援1で初めて住宅改修を行った場合は、要介護3以上になると3段階以上上がったことになり、再び20万円まで住宅改修費の対象となります。

同じように、要支援2または要介護1からなら要介護4以上、要介護2からなら要介護5が対象です。

判定の基準になるのは、初めて要介護認定を受けたときではなく、介護保険を利用して最初に住宅改修を行ったときの状態です。また、この3段階以上の上昇による取り扱いを利用できるのは、一人につき1回限りです。

転居した場合もリセットされる?利用するときの注意点

もう一つ、再び20万円まで利用できる場合が「転居」です。

住宅改修費は、現在住んでいる住宅ごとに支給限度額が管理されています。そのため、介護保険の住宅改修費を利用した後に別の住宅へ転居した場合は、以前の住宅での利用状況にかかわらず、転居先の住宅について改めて20万円まで利用できます。

ただし、転居前の住宅に戻った場合は、新たに20万円が設定されるわけではありません。以前その住宅で利用していた支給状況が復活します。例えば、転居前の住宅で15万円分を利用していた場合、戻った時点では原則として残り5万円分となります。

また、3段階以上の上昇によって支給限度額が再設定される場合も、以前の残額が上乗せされるわけではありません。例えば、20万円のうち10万円を残していたとしても、「10万円+新たな20万円=30万円」にはならず、新しい支給限度基準額は20万円です。

住宅改修では、原則として工事を始める前に市区町村への申請が必要です。身体状況が変化して再び住宅改修が必要になった場合や転居した場合には、まずケアマネジャーや市区町村の介護保険窓口などに相談し、対象となるか確認しましょう。

まとめ

介護保険の住宅改修費は原則20万円が限度ですが、最初の住宅改修時から介護の必要性が3段階以上高くなった場合や、転居した場合には、再び20万円まで利用できることがあります。条件や手続きがあるため、工事を始める前に市区町村やケアマネジャーへ確認しましょう。