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2026/09/11
コラム

共用品(アクセシブルデザイン)とは?ユニバーサルデザインの違いは?

共用品(アクセシブルデザイン)とは?ユニバーサルデザインの違いは?

私たちの身の回りには、年齢や障害の有無などにかかわらず、より多くの人が使いやすいよう工夫された製品やサービスがあります。こうしたものを「共用品(アクセシブルデザイン)」と呼びます。今回は、共用品の意味や身近な例、ユニバーサルデザインとの違いをご紹介します。

共用品(アクセシブルデザイン)とは?

共用品とは、身体的な特性や障害の有無にかかわらず、より多くの人が共に利用しやすいよう配慮された製品や施設、サービスのことです。

私たちが日常生活で使うものには、一般的な製品やサービスのほか、特定の人が使いやすいよう配慮された福祉用具・サービスがあります。そして、一般的な製品やサービスに配慮を加え、高齢者や障害のある方などにも使いやすくしたものが「共用品(アクセシブルデザイン)」です。

たとえば、視覚に障害がある方にとっては、同じような形の容器を見た目だけで区別することが難しい場合があります。また、年齢を重ねて握る力が弱くなると、製品の操作や容器の開封などが負担になることもあります。

アクセシブルデザインは、こうした何らかの機能に制限がある人が感じる「不便さ」に目を向け、そのニーズを取り入れることで、より多くの人が製品や施設、サービスを利用できるようにする考え方です。

高齢になると、視力や聴力、手指の力などが変化し、これまで問題なく使えていたものに不便を感じることがあります。こうした不便を減らし、高齢者や障害のある方を含め、さまざまな人が共に使いやすい環境をつくることが大切です。

私たちの身近にある共用品の例

共用品(アクセシブルデザイン)は、特別な場所だけにあるものではありません。私たちが普段何気なく使っている製品にも、さまざまな工夫が取り入れられています。

代表的な例が、シャンプー容器の側面などについている「ギザギザ」です。同じような形や大きさのシャンプーとリンスは、視覚に障害がある方にとって区別することが難しい場合があります。

そこで、シャンプーの容器に触って分かる目印をつけることで、リンスなどと識別しやすくする工夫が生まれました。視覚に障害がある方だけでなく、髪を洗うために目を閉じているときなどにも区別しやすい工夫です。

また、公衆電話や携帯電話、リモコンなどの数字キーでは、「5」のボタンに小さな凸がついているものがあります。この凸を基準にすることで、視覚に障害がある方などが、ほかの数字の位置を触って把握しやすくなります。

牛乳パックの上部に凹みをつけてあるのは、他の飲み物と識別しやすくしてあるのもそのひとつです。気づいていないところにアクセシブルデザインが隠れているのがわかります。

そのほかにも、高齢者や障害のある方への配慮については、見やすい文字の大きさや色の組み合わせ、操作ボタンの凸表示、聞き取りやすい報知音、開けやすい包装・容器など、さまざまな分野で規格が設けられています

こうした工夫は、特定の人だけに役立つとは限りません。高齢者や障害のある方が感じる不便さを解消するための工夫が、結果としてより多くの人の使いやすさにつながることもあります。

アクセシブルデザインとユニバーサルデザインの違いは?

アクセシブルデザインと似た言葉に「ユニバーサルデザイン」があります。どちらも多くの人が利用しやすい製品や環境を目指す考え方ですが、その考え方には違いがあります。

アクセシブルデザインは、何らかの特定の機能に制限がある人に焦点を合わせ、その人たちのニーズに合わせて従来の設計を広げることで、より多くの人が利用できるようにする考え方です。

一方、ユニバーサルデザインは、特別な改良や特殊な設計をしなくても、すべての人が可能な限り利用できるように配慮して、製品や環境を設計する考え方です。

ISO/IECガイド71では、ユニバーサルデザインはアクセシブルデザインを包含する概念とされています。

たとえば、「シャンプーとリンスを区別しにくい」という不便さに着目し、触って分かる目印をつけることは、アクセシブルデザインの考え方を理解しやすい身近な例です。

また、アクセシブルデザインの対象は製品だけではありません。建物やサービスなどにも考え方が取り入れられており、高齢者や障害のある方が感じる不便さを把握し、その声を製品やサービスなどに反映することが、より多くの人が暮らしやすい環境づくりにつながります。

まとめ

共用品(アクセシブルデザイン)は、高齢者や障害のある方などが感じる不便さに配慮し、より多くの人が利用しやすくした製品やサービスなどです。シャンプー容器のギザギザや数字キーの凸など、身近なところにも取り入れられています。普段使っているものに、どんな工夫があるのか探してみてはいかがでしょうか。