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前頭側頭型認知症とは?特徴とケアのポイントをわかりやすく解説
認知症と聞くと「物忘れ」が主な症状というイメージを持つ方が多いかもしれません。しかし、前頭側頭型認知症は記憶障害よりも、人格や行動の変化が目立つことが特徴です。本人に病識が乏しい場合も多く、家族や周囲が戸惑うケースも少なくありません。この記事では、前頭側頭型認知症の特徴や症状、介護で意識したいケアのポイントについて解説します。
前頭側頭型認知症とは
前頭側頭型認知症(Frontotemporal Dementia=FTD)は、脳の前頭葉や側頭葉の神経細胞が変性し、萎縮することで発症する認知症です。前頭葉は感情や人格、判断力、社会性などを司り、側頭葉は言語や意味理解、記憶と感情に関わっています。そのため、これらの部位が障害されることで、性格や行動、言葉の使い方に変化が現れます。
記憶障害から始まるアルツハイマー型認知症とは異なり、初期段階では記憶力が比較的保たれていることも多く、認知症と気付かれにくい傾向があります。また、40〜60歳代で発症することもあり、若年性認知症の原因の一つとして知られています。
前頭側頭型認知症の特徴
前頭側頭型認知症は、アルツハイマー型認知症のような物忘れよりも、人格や行動、言葉の変化が目立つことが特徴です。症状の現れ方には個人差がありますが、以下のような特徴がみられます。
1.人格や行動の変化
前頭葉の機能低下により、これまでの性格とは異なる言動が現れることがあります。
例えば、礼儀正しかった人が失礼な発言をするようになったり、自分本位な行動が増えたりすることがあります。
また、社会的なルールを守れなくなり、配慮に欠けた行動や軽犯罪を犯すこともあります。
「脱抑制」と呼ばれる症状によって、思ったことをそのまま口にしたり、衝動的な行動を取ったりすることがありますが、本人には悪気がなく、病気による症状であることが特徴です。
さらに、周囲への関心が薄れたり共感する力が低下したりすることで、人間関係に変化が生じることもあります。家族から見ると「人が変わってしまった」と感じるケースもあります。
2.同じ行動を繰り返す
前頭側頭型認知症では、「常同行動」と呼ばれる症状がよくみられます。
毎日同じ時間に同じ場所へ出かける、同じ順番で行動する、同じ言葉を繰り返すなど、特定の行動や習慣へのこだわりが強くなります。
また、予定変更を受け入れにくくなることもあり、いつもと違う状況に強い不安や混乱を示すことがあります。
3.食行動の変化
食事に関する変化も特徴的な症状の一つです。
特に甘いものや濃い味付けを好むようになったり、毎日同じメニューばかり食べたがったりする傾向がみられます。また、満腹感を感じにくくなり、食べ過ぎてしまうケースもあります。
こうした変化は本人の好みの問題ではなく、脳機能の変化によって起こる症状と考えられています。
4.意欲の低下と無気力・無関心
以前は趣味や家事を積極的に行っていた人でも、次第に何事にも興味を示さなくなることがあります。
周囲との交流を避けたり、一日中ぼんやり過ごしたりすることもあり、「怠けている」「やる気がない」と誤解される場合があります。しかし、これも病気による症状の一つです。
また、自身の身だしなみも気にしなくなったり、家族や友人のことも気にかけなくなることがあります。
5.言葉の理解や会話への影響
側頭葉の障害が進行すると、言葉の理解や表現が難しくなることがあります。
物の名前が出てこなくなったり、言葉の意味を理解しにくくなったりするほか、会話の内容が単調になることもあります。一方で、初期には記憶力が比較的保たれていることも多く、「認知症らしくない認知症」といわれることがあります。
6.注意力や段取り力の低下(遂行機能障害)
集中力が続かなくなり、一つのことを最後までやり遂げることが難しくなります。
会話の途中で急に別の話題に移ったり、話を聞いている最中に違うことを始めたり、本を読んでいても途中で飽きてしまう、テレビを見ていても興味が続かず頻繁にチャンネルを変えてしまうというようなこともあります。
ケアのポイント
前頭側頭型認知症のケアでは、症状を理解し、本人の行動を頭ごなしに否定しないことが大切です。
まず、常同行動や生活習慣へのこだわりについては、安全に配慮しながら可能な範囲で尊重しましょう。決まったスケジュールを維持することで、不安や混乱を軽減できる場合があります。
また、衝動的な行動や社会的に不適切な行動がみられる場合には、周囲の理解を得て環境を整えることも重要です。
よく利用する店舗や近隣住民に病気について説明しておくことで、トラブルの予防につながることがあります。
さらに、家族だけで抱え込まず、認知症に対応したデイサービスやグループホーム、地域包括支援センターなどの専門機関を活用することも大切です。介護負担を軽減しながら、本人らしい生活を支える環境づくりを心掛けましょう。
まとめ
前頭側頭型認知症は、物忘れよりも人格変化や行動異常、言語障害が目立つ認知症です。症状を本人の性格や意志の問題と捉えるのではなく、病気による変化として理解することが重要です。本人のこだわりを尊重しながら環境を整え、必要に応じて介護サービスや専門機関を活用することで、本人と家族の双方が安心して生活しやすくなります。
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