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高齢者の「離設」とは?介護現場で求められる予防対策を解説
介護施設では、高齢者が職員の目を離れたすきに施設外へ出てしまう「離設」が問題となることがあります。特に認知症のある高齢者では、目的なく歩き回るのではなく、“本人なりの理由”があるケースも少なくありません。今回は、離設が起こる背景や予防対策について解説します。
高齢者の「離設」とは
離設とは、介護施設や病院などで、高齢者が職員の気づかないうちに施設外へ出てしまうことを指します。特に認知症のある高齢者に多くみられ、事故や行方不明につながる可能性があるため、介護現場では重要な課題のひとつとされています。
離設は「徘徊」と混同されることがありますが、本人にとっては目的がある行動の場合もあります。たとえば、「家へ帰ろうとしている」「仕事へ行かなければと思っている」「家族を探している」など、過去の生活や記憶に基づいて行動しているケースも少なくありません。
また、環境の変化による不安やストレスがきっかけになることもあります。施設へ入所したばかりで落ち着かない場合や、周囲とのコミュニケーション不足、日中活動量の低下などが離設行動につながることもあるとされています。
離設によって転倒や交通事故、熱中症などの危険が生じることもあり、特に夜間や悪天候時には重大事故につながる可能性があります。そのため、「なぜ離設が起こるのか」を理解しながら対策を行うことが重要です。
離設が起こる原因とは?
離設にはさまざまな要因がありますが、代表的なのが認知症による見当識障害です。時間や場所、人の認識が難しくなることで、「今いる場所が自宅ではない」と感じ、不安から外へ出ようとすることがあります。
また、「帰宅願望」も離設につながりやすい要因です。認知症の高齢者では、昔の記憶が強く残っていることがあり、「家事をしなければ」「家族が待っている」などの思い込みから外へ向かうケースがあります。
そのほか、身体的不快感も原因となります。トイレへ行きたい、騒音が気になる、暑い・寒いなど、小さなストレスが積み重なることで落ち着かなくなる場合があります。特に高齢者は、自分の不快感をうまく言葉で伝えられないこともあるため、周囲が変化へ気づくことが大切です。
さらに、活動量不足や孤独感も離設行動に影響するといわれています。日中に刺激が少なく、居場所がないと感じることで、「どこかへ行こう」と外へ向かうケースもあります。
そのため、離設を単なる問題行動として捉えるのではなく、「本人が何を求めているのか」という視点で理解することが大切です。
介護現場で行われている予防対策
離設予防では、まず“安心できる環境づくり”が重要です。認知症の高齢者は、不安や混乱が強くなると離設行動につながりやすいため、職員がこまめに声をかけたり、日常的なコミュニケーションを増やしたりすることが大切です。
また、日中活動を充実させることも効果的とされています。レクリエーションや体操、散歩などを取り入れることで生活リズムが整い、不安軽減につながる場合があります。
環境面では、出入口の位置を分かりにくくしたり、センサーや見守りシステムを活用したりする施設もあります。最近では、GPS機能付き機器を導入し、万が一離設が起きた場合でも早期発見につなげる取り組みも進められています。
ただし、過度な行動制限は高齢者の尊厳や自由を損なう可能性もあります。そのため、単に「出られないようにする」のではなく、安全確保と本人らしい生活の両立が求められています。
家族との情報共有も大切です。過去の生活歴や好きだったこと、生活習慣などを把握することで、離設行動の背景理解につながる場合があります。介護現場では、本人理解を深めながら予防対策を行うことが重要視されています。
まとめ
高齢者の離設は、認知症や不安、環境変化などさまざまな要因によって起こります。事故防止のためには、センサーなどの設備対策だけでなく、本人の気持ちや背景を理解する視点も欠かせません。安心できる環境づくりや日々のコミュニケーションを通じて、安全と尊厳を両立した支援が求められています。
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