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2026/06/08
コラム

広がるオンライン診療。高齢者利用のメリットとデメリット

広がるオンライン診療。高齢者利用のメリットとデメリット

高齢化が進む中、通院が負担となる高齢者に注目されているのが「オンライン診療」です。自宅にいながら診察を受けられる便利な仕組みですが、一方で注意点もあります。今回は、高齢者におけるオンライン診療のメリットとデメリットについて解説します。

高齢者に広がるオンライン診療とは

オンライン診療とは、スマートフォンやパソコンなどを使い、自宅にいながら医師の診察を受けられる医療サービスです。診察後は処方箋が発行され、薬を配送してもらえるケースもあります。厚生労働省でも、適切なルールのもとで普及が進められています。

特に高齢者にとって、通院は大きな負担になることがあります。

  • 足腰の痛みで移動が大変
  • 家族の送迎が必要
  • 長時間の待ち時間がつらい
  • 感染症への不安がある

こうした背景から、オンライン診療への関心が高まっています。

また、地方やへき地では医療機関が少なく、定期受診そのものが難しい場合もあります。オンライン診療は、こうした地域格差を補う役割も期待されています。

一方で、オンライン診療は「対面診療の代わり」ではなく、「補完する医療」と位置付けられています。触診や検査ができないため、すべての病気に対応できるわけではありません。特に高齢者では複数の疾患を抱えていることも多く、症状によっては直接診察が必要になるケースもあります。

オンライン診療のメリット

高齢者にとって最大のメリットは、「通院負担の軽減」です。

自宅から診察を受けられるため、病院への移動時間や待ち時間を大きく減らすことができます。特に慢性疾患で定期的な受診が必要な人にとっては、身体的な負担が軽減されやすくなります。

また、感染症対策としても有効です。インフルエンザや新型コロナウイルスなど、人が多い病院内での感染リスクを抑えられる点は、高齢者にとって大きな安心材料になります。

さらに、家族や介護者の負担軽減にもつながります。

高齢者の通院では、家族の付き添いや送迎が必要になることも少なくありません。オンライン診療を活用することで、介護離職や時間的負担の軽減が期待できます。

加えて、医師が自宅環境を確認できることもメリットの一つです。オンライン上で生活空間を見ることで、転倒リスクや服薬状況など、普段の生活に近い情報を把握しやすくなるとされています。

最近では、訪問看護や介護サービスと連携しながらオンライン診療を行うケースも増えています。多職種連携が進むことで、高齢者の在宅生活を支える新しい医療体制として期待されています

高齢者が注意したいデメリット

便利なオンライン診療ですが、デメリットもあります。

最も大きいのは、「医師が得られる情報に限界がある」ことです。対面診療のように触診や聴診、詳しい検査ができないため、症状によっては正確な診断が難しい場合があります。

特に高齢者では、「なんとなく元気がない」「歩き方がおかしい」といった微妙な変化が重要になることがあります。しかし、画面越しでは細かな異変に気付きにくいケースもあります。

また、IT機器の操作が難しい点も課題です。

  • スマートフォン操作に慣れていない
  • 音声が聞き取りにくい
  • 通信トラブルが起こる
  • アプリ設定が難しい

こうした理由から、高齢者本人だけでは利用が難しい場合があります。そのため、家族や介護職、訪問看護師などのサポートが必要になるケースも少なくありません

さらに、緊急対応には向かないという特徴もあります。急な胸痛や意識障害など、緊急性が高い症状では速やかな対面診療や救急搬送が必要になります。

厚生労働省も、オンライン診療は「対面診療と適切に組み合わせて実施すること」が基本と示しています。

そのため、オンライン診療は万能ではなく、「向いている症状」と「向いていない症状」を理解したうえで活用することが重要です。

まとめ

オンライン診療は、高齢者の通院負担や感染リスクを軽減できる便利な医療サービスです。特に慢性疾患の定期受診や在宅医療との相性が良く、今後さらに活用が広がると考えられています。一方で、診察情報の限界やIT機器操作の難しさなどの課題もあります。対面診療とうまく組み合わせながら、自分に合った形で活用することが大切です。