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2026/05/30
コラム

老人ホーム入居で介護保険証はどうなる?転居時の手続きを解説

老人ホーム入居で介護保険証はどうなる?転居時の手続きを解説

老人ホームへ入居する際、「介護保険証はそのまま使える?」、「住民票は移すべき?」と悩む方は少なくありません。施設入居では、通常の引っ越しとは異なり、介護保険住所地特例制度など特有の手続きが関係する場合があります。本記事では、老人ホーム入居時の介護保険証や住所変更についてわかりやすく解説します。

老人ホーム入居時に必要な転居手続き

老人ホームへの入居が決まると、荷物の準備はもちろんのこと、役所での転居手続きも必要になることがあります。

特にポイントとなるのが「住民票を移すかどうか」です。

実際に生活する場所へ住民票を移すケースが一般的すが、施設の種類によっては住所を移せなかったり、本人や家族の状況によって対応が異なる場合もあります。

住民票を移す場合は、

  • 転出届
  • 転入届
  • マイナンバーカードの住所変更
  • 健康保険証の変更

などの手続きが必要になります。

更に、介護保険サービスを利用している方は、ケアマネジャーや施設側とも事前に相談しておくことが大切です。自治体によって必要書類や流れが異なる場合があるため、早めに確認しておくと安心です。

特に入院後そのまま施設へ入居するケースでは、手続きが慌ただしくなることも多く、家族が代理で対応する場面も少なくありません。

介護保険証はどうなる?住所変更と住所地特例

① 介護保険証は基本的に住所変更が必要

介護保険証は、市区町村ごとに発行されています。そのため、住民票を移した場合は、原則として新しい住所地の自治体で介護保険証が再発行されます。

老人ホーム入居後で住民票が移る場合、介護保険証証に関係して以下の書類も変更対象になる場合があります。

  • 負担割合証
  • 負担限度額認定証

ケアマネジャーや入居先施設がサポートしてくれるケースもありますが、家族が役所で手続きを行うことが多いため、事前確認が重要です。

② 「住所地特例制度」とは?

老人ホーム入居時に注意が必要となるのが、施設所在地の市町村に介護保険の財政負担が偏るのを防ぐ目的の「住所地特例制度」についてです。

介護施設が多い市町村には、他の地域から高齢者がたくさん入居することがあります。もし住民票を移した先の自治体がすべて介護費用を負担すると、「施設が多い地域だけ負担が大きくなる」という問題が起きてしまいます。そのため、「もともと住んでいた自治体が介護保険を引き続き担当する」という仕組みが作られています。

これは、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、介護付き有料老人ホームなど、住所地特例の対象施設へ入居した場合に適用されます。

一方で、グループホームなどの地域密着型サービスは対象外となります。また、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅についても、「特定施設入居者生活介護」の指定受けていない施設は対象外となります。

なお、住所地特例が適用されるかどうかは、入居者本人や施設側が個別に判断・決定するものではありません。入居に伴い住民票の異動手続きを行うことで、元々住んでいた自治体と、施設所在地の自治体との間で、介護保険法などのルールに基づいて自動的に判定・適用されます。

そのため、本人や家族が「住所地特例にしたい」「しない」を自由に選べる制度ではない点にも注意が必要です。

③ 保険料や負担割合が変わることも

介護保険料は市区町村ごとに金額が異なるため、施設入居に伴って住所が変わることで介護保険料が変わる可能性があります。

例えば、住所地特例の対象施設へ入居した場合は、住民票を施設所在地へ移しても、介護保険の保険者は元の自治体のままとなるため、介護保険料も元の自治体基準が継続されるケースが一般的です。

一方で、住所地特例の対象外施設へ入居した場合は、住民票を移した先の自治体へ保険者が変更となるため、新しい自治体の介護保険料が適用されます。そのため、転居前後で介護保険料が変わる可能性があります。

なお、介護サービス利用時の自己負担割合(1~3割)や、食費・居住費の軽減制度(負担限度額認定)の判定基準については、全国共通の制度に基づいているため、住所変更によって基準自体が変わることはなく、これらは本人の所得や預貯金状況などによって判定されます。

制度は複雑な部分も多いため、施設入居前に自治体や施設へ確認しておくと安心です。

家族が知っておきたい注意点

老人ホーム入居時は、短期間で多くの手続きが必要になることがあります。

そのため、家族としては、

  • 住民票を移すか
  • 入居者が住所地特例の対象となるか
  • 介護保険証はどうなるか

を早めに整理しておくことが大切です。

また、役所の手続きだけでなく、

  • 年金
  • 医療保険
  • 銀行
  • 郵便物

などの住所変更も必要になる場合があります。

さらに、持病や身体状態によっては本人だけで手続きが難しい場合もあります。家族が代理で対応する場合、自治体によっては委任状が必要になることもあるため、必要な書類や証書類についても事前に確認しておくとスムーズです。

施設側も手続きに慣れている場合が多いため、不安があれば早めに相談しておきましょう。

また、介護保険証負担割合証などは、通常「住民票上の住所」へ送付されます。しかし、高齢者本人が郵便物を管理することが難しい場合などは、自治体へ「送付先変更届」を提出することで、家族の住所やケアマネジャー事業所などへ送付先を変更できる場合があります。

特に、

  • 一人暮らし
  • 認知症がある
  • 老人ホーム入居中
  • 家族が金銭管理や書類管理を行っている

といったケースでは利用されることも多い制度です。ただし、対応方法や必要書類は自治体によって異なるため、事前に市区町村へ確認しておくと安心です。

まとめ

老人ホーム入居時には、住民票や介護保険証、それに付随する書類など、住所変更によって「変わるもの」と「変わらないもの」を事前に確認し、施設や自治体へ相談しながら準備を進めることで、安心して入居しやすくなります。