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2025/08/25
コラム

認知症予防のラストチャンス、軽度認知障害(MCI)とは?

認知症予防のラストチャンス、軽度認知障害(MCI)とは?

「最近、物忘れが増えたかも?」そんな不安を感じたら、それは“軽度認知障害(MCI)”の兆しかもしれません。認知症の前段階とも言われるMCIを早期に発見し、予防に取り組むことで、健やかな暮らしを守ることができます。

▼MCI(軽度認知障害)について動画で見る

MCI(軽度認知障害)とは何か?

MCI(Mild Cognitive Impairment:軽度認知障害)とは、年齢相応を超える物忘れが見られるものの、日常生活には大きな支障がない状態を指します。つまり、「認知症」と診断される一歩手前の段階とされています。

たとえば、昨日の夕食を思い出せない、約束の日時を頻繁に間違える、というような記憶障害が代表的な症状です。ただし、MCIのすべてが認知症に進行するわけではなく、厚生労働省の報告ではMCIのうち年間約5〜15%が認知症に進行するとされる一方、約16〜41%は正常な認知機能に戻るとも言われています。

このため、MCIは「認知症予防のラストチャンス」とも呼ばれており、早期発見・早期対応が非常に重要です。

 

MCIを見逃さないポイント

MCIは症状が軽微なため、見逃されやすいのが現実です。特に以下のような兆候がある場合は注意が必要です。

  • 同じことを何度も確認するようになった
  • 慣れた道でも迷うことがある
  • 趣味や活動への関心が薄れてきた
  • 会話の中で言葉が出てこないことが増えた

本人が気づかず、家族や周囲が異変を感じるケースも少なくありません。そこで、家族や介護職、医療職がMCIの兆候に早く気づき、受診や検査を促すことが予防の第一歩となります。

自治体によっては「もの忘れ相談」や「認知症チェックリスト」を提供していることもあるため、地域資源の活用も重要です。

 

認知症の予防につながる生活習慣

MCIや認知症の進行を防ぐには、「生活習慣の見直し」がカギとなります。現在、有効とされる予防法は次の3つに集約されます。

  1. 運動習慣の確立
    有酸素運動や筋トレが脳の血流を促進し、海馬(記憶を司る部位)の萎縮を抑えることがわかっています。
  2. バランスの取れた食事
    野菜、魚、ナッツ、オリーブオイルを多く摂る「地中海式食事」は認知症リスク低減と関連する研究があります。
  3. 社会的交流と知的活動
    趣味、ボランティア、地域活動への参加、読書や計算など頭を使う活動が脳を活性化させます。孤立を防ぐことも重要です。

また、糖尿病や高血圧といった生活習慣病は認知症のリスク因子とされており、持病の管理もMCI予防には不可欠です。

まとめ

MCIは認知症の前段階でありながら、予防や改善が可能な貴重なタイミングです。小さな変化を見逃さず、生活習慣の改善や専門的な支援を受けることで、認知機能の維持を図ることができます。早期の気づきが未来の自分を守ります。