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ケアまどニュース
認知症の「診断方法」と「仕組み」を知ろう
ご家族が「認知症かもしれない」と感じた時、どこに相談すればよいかご存知ですか?
認知症の疑いがあると不安に感じるのは当然ですが、早い対応がとても大切です。
認知症も他の病気と同じく、早期発見で進行を遅らせることができます。
また、認知症かと思われた症状が別の病気に起因するものだったということもあり得ます。
いずれにせよ、専門家に正しく診断してもらうことが不可欠ですので、
ここでは認知症の相談窓口や認知症の診断についてお伝えします。
①最初の相談先はどこが良いのか
②かかりつけ医以外の相談先はあるのか
③検査をしてもらう前に準備すること
④検査ではどんなことをするのか
① 認知症の疑いがある時、最初にどこに相談する?
高齢者であれば、普段から診療してもらう「かかりつけ医」を持っている人が多いはずです。
そういった医療機関があれば、まずはかかりつけ医に相談しましょう。
これまでずっと診察をしていたかかりつけ医であれば、以前とは違う変化にも気付いてもらえるかもしれません。
認知症を専門とする医療機関のなかには、
物忘れ外来を設置する病院や医療と介護をつなげる認知症疾患医療センターなどがあります。
総合病院や大学病院には、老年内科や老年病内科などの高齢者専門の診療科を設置しているところも多いです。
もちろんこうした専門病院に直接相談してもよいのですが、
下記のような理由から、かえって本人や家族に余計な負担がかかってしまうこともあるのです。
大きな病院になるほど・・・
待ち時間が長い傾向がある。
自宅から距離が離れている場合には体力的に負担がかる。
認知症の専門機関にかかることに抵抗を感じる高齢者も少なくない。
どのかかりつけ医でも専門の医療機関を紹介してもらえますし、
本人をよく知るかかりつけ医からの紹介状がある方が、大きな病院に行ってもスムーズに進みます。
そのためにも、高齢になるとかかりつけ医を作っておくと安心です。
病気など滅多にしない健康な方でも、何かあった時のためにかかりつけ医を作っておきましょう。
② かかりつけ医がいない場合はどこに相談する?
かかりつけ医がない場合、または、本人が病院を受診することに積極的でない場合は、
認知症のある高齢者について相談できる病院以外の機関があります。
市区町村役場や保健所の窓口でも専門機関を紹介してもらえますが、おすすめは「地域包括支援センター」です。
地域包括支援センターは、管轄する地域の高齢者の暮らしを支えるために、高齢者の生活や介護について幅広く相談を受け付けています。
ご家族が認知症かもしれないと思った時や、ご家族が高齢になって生活に不安が出てきた時などには、これからすべきことの方向性を見つけるためにも、早めに相談をしましょう。
地域包括支援センターには、認知症に関して国の研修を受けた認知症地域支援推進員という専門職がいます。
医療機関の紹介のほか、認知症と診断された後の要介護認定やケアマネジャーの選任などでも相談に乗ってくれます。
③検査をしてもらう前に準備しておくことはあるのか?
認知症の専門機関では、まず認知症かどうかを判断するために検査を行います。
この検査で大切なのはご家族からの情報です。
いざお医者さんを目の前にするとうまく思い出せないこともあるので、受診する前には以下のような情報を整理しておきましょう
・認知症を疑うようになった時期
・具体的にどんな時に症状が疑われるか
・以前と変化があった本人の様子
・症状が気になるようになった前後の病気や事故、環境の変化などの有無、
ご家族が「認知症の検査に行こう」と言っても、当の本人は拒否することも十分に考えられます。
誰も自分が認知症だとは思いたくないですし、自覚がないならなおさらです。
そういう場合はご家族が執拗に説得してもうまくいかないことが多いので、
本人の信頼が厚い人やかかりつけ医に説明してもらう方がよいでしょう。
また、先に家族だけで地域包括支援センターに相談すると、対応の仕方などアドバイスがもらえるでしょう。
認知症と診断された時のことも考えておきましょう。
「認知症かもしれない…」と思いつつも、実際にそうと診断された時のショックは大きいです。
そのため、本人一人ではその後のお医者さんの説明が耳に入らないということも考えられます。
必ず誰かが付き添い、一人で結果を聞かないようにしましょう。
また、認知症の場合、その後の対応を早急に検討しなければなりません。
身近に詳しい人がいればその人に相談するのでもよいですが、心当たりがない場合は、
ここでもやはり地域包括支援センターを頼りましょう。
③認知症の検査ってどんなことをするの?
ここからは、具体的な認知症の検査手順についてお伝えします。
1)現在の状況やこれまでの病歴などの聞き取り
いざとなるとうまく伝えられないこともあり得るので、事前に情報を整理して紙に書き出しておくとよいでしょう。
2)認知症検査
・神経心理学検査
神経心理学の検査は、簡単な質問に答えたり作業を行い、その結果を基準と照らして基準点以下の時に認知症の疑いがあると判定する検査です。検査には、記憶力や計算力をテストする「長谷川式簡易知能評価スケール」、言葉での質問や文字・図形を読んだり書いたりする「ミニメンタルステート検査(MMSE)」、示された時刻を正確に時計に描く「時計描画テスト」などがあります。
★神経心理学検査では、試されているように感じることで本人が検査に非協力的になることもあります。
非協力的ではなくても、不安や緊張からうまく回答できないこともあるでしょう。適切に診断するための必要な検査であり、また、基準点以下だからといって、即、認知症と診断されるわけではないことをよく説明し、本人の緊張を和らげて検査にのぞめるようにしておくことが大切です。
・脳画像検査
脳画像検査では、CT、MRI、SPECT(脳の血流量を画像化する検査)、VSRAD(MRI画像からアルツハイマー型認知症を診断する検査)などが行われます。おもに脳の画像から、脳血流の低下や脳の萎縮の状態を調べて認知症かどうかを診断するための検査です。
3)その他の身体検査(血液検査、X線撮影、心電図検査、感染症検査など)
「認知症ではなく実は別の病気の症状だった」ということもあり得るので、認知症検査だけではなく様々な検査で症状の似た病気が該当するかどうか絞り込んでいくのです。
★身体検査は長時間になる傾向があります。
本人が検査に積極的でない場合は特にそうですが、検査にある程度時間がかかることは本人に前もって説明しておきましょう。
※必要性を感じたらセカンドオピニオンを
軽度の認知症だと、脳画像検査ではわからないこともあります。
そのために早期発見の機会を逃したり、別の病気と誤って診断されたりといったことも起こり得ます。誤診に基づいて服薬治療が始まれば、薬の影響で本来の認知症の進行度合いがますますわからなくなってしまうこともあり得ます。
そんなことのないように、検査結果に疑問を感じた時は、セカンドオピニオンを利用しましょう。
今ではその旨を伝えれば、どの医療機関でも検査結果の情報を提供してくれるようになっています。遠慮は必要ないので、正確で納得できる診断のためにも必要があれば検討してみるとよいでしょう。
おわりに…
自分の家族が認知症かもしれないと感じても、なかなか他人には相談しにくいのではないでしょうか。
また、「家族の問題だから」と誰にも相談せずになんとかしようする人もいます。しかし、認知症は家族だけでなんとかできることではありません。
認知症は早期発見がとても大切です。早めに対応することで、進行を遅らせたり症状を和らげたりすることは可能ですので、ちょっとでも「認知症かな?」と思った時は早めに専門機関に相談してください。愛知県名古屋市にも相談窓口はたくさんあります。ケアマネージャーやすでに利用している介護サービスのスタッフに聞くことも有効ですので、とにかく知識のある人に早めに相談することを心がけておきましょう。
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