高齢化社会の現代において、認知症と診断されている人は非常に多いです。とは言え、どの程度の症状で施設に入居すれば良いのか分からないという声も少なくありません。認知症の場合、どの時期に介護施設や老人ホームに入るのがベストなのでしょうか。具体的に入居を決めるタイミングや施設選びのポイントなどを紹介します。必ずしも自宅で家族が介護することが良い結果につながるとも限りません。入居に良い時期を知り、家族にとっても本人にとっても負担が少なくなるように考えていきましょう。

家族のサポートが厳しい場合や在宅での生活が難しい場合は入居の検討を

認知症になっても、身内で協力して何とか自宅で生活させてあげたいと家族は思うものです。それが家族の優しさだと考える人は多いです。また認知症の本人にとっても、そのほうが良いと初めはみんなが考えます。
しかしながら症状が進行してくると、徘徊をしたり、目を離せないことが増えてくるかもしれません。家の中でも台所など火を使う場所は注意が必要です。トイレの場所が分からず失禁をしてしまったり、服薬などの管理ができなくなったりと、日常生活が困難な状況も出てくるかもしれません。お仕事や子育てをされているご家族の場合、介護以外にもやるべきことが多く、24時間家でサポートするには、いろいろと家族は心身共に疲れていきます。プロの手を借りなければどうにもならないことが出てくるのです。
さらに本人も、自宅で転倒するようなこともあります。躓いて転倒したことがきっかけで寝たきりになったり、ますます認知症が悪化したりするケースも少なくありません。そうなると在宅で生活していることが必ずしも良いとは言えなくなってきます。
家族で面倒を見るのが難しくなったときや、本人が普通に暮らすのが困難になったときは、介護施設に入居することを考えるタイミングになってくるでしょう。

どんな施設なら入居が可能？入居できない条件がある場合も

老人ホームや施設はたくさんありますが、認知症の患者がどこでも入ることができるわけではありません。入所を考えたときには、認知症でも入居可能かどうかを確認する必要があります。
認知症の方のみを対象とした施設に、グループホームがあります。専門職員のサポートを受けながら住み慣れた地域で共同生活ができる地域密着型サービスです。少人数のユニットを構成して共同生活するため、家事分担などの役割を与えられたり、自立した生活を営むことで認知症の進行を遅らせることが期待されます。
次に特別養護老人ホームがあります。認知症の方以外でも、原則要介護度3以上の方を対象としています。費用は比較的安いですが、その分入居希望が多いため入居待ちが多い印象にあります。
そして有料老人ホームは、「介護付き」と「住宅型」に別れており、特に介護付有料老人ホームは、看護師やリハビリスタッフも在籍しているため、認知症以外の疾患をお持ちでも安心した生活を送ることができます。そのほかサービス付き高齢者向け住宅と言うバリアフリーの賃貸住宅も増えていますが、こちらは基本自立の方が多いため、認知症の症状によっては受け入れが難しい施設もあります。認知症状が重く、徘徊や暴言・暴力など、職員やほかの入居者に影響を与える行為がみられる場合には、入居を断られることもあるので注意が必要です。本人の症状の重度や予算などによって、最適な所を選ぶことが大切です。

認知症で入居を考える際に重視したいポイントは？

認知症の場合に、施設への入居を本人が嫌がるケースが非常に多いと言えます。家にいたい気持ちや、施設に対する不安も大きいのでしょう。
入居を考える際には、施設の下見をしっかり行うことがポイントです。スタッフの人柄や館内の雰囲気、レクリエーションやサークルなどもチェックしましょう。認知症が軽度であれば、レクリエーションが充実している所のほうが楽しい事も多く症状の進行を抑えることも期待できます。反対に症状が進行しているのであれば、医療的な部分も安心して任せられるホームを選ぶべきです。症状に合う場所を探すことは非常に重要です。
見学を十分にすることと、ケアマネージャーに相談することも失敗しないコツになってきます。
本人の希望もある程度聞くと共に、家族が納得できる場所を探す必要があります。できれば自宅の近くにすれば面会もしやすいでしょう。遠方では会いにくく、家族も本人も寂しくなってしまいます。認知症の進行を抑えるためには、家族との定期的な面会は必要になってくるでしょう。
予算もあることですし、早めに見学下調べをして慎重に決めたいものです。

今回のまとめ

認知症でもできる限り平穏に満足できる日々を送らせてあげたいというのが、家族の気持ちではないでしょうか。本人はいろいろなことが分からなくなってきますが、それでも美味しいものを食べて笑って気持ち良く過ごしたいものです。
そのためにもホームに入居するタイミングやどんな施設に入るかは非常に重要な問題と言えます。
今はインターネットでもたくさんの情報を入手できます。老人ホームや施設は増えているので、じっくりといろいろな観点から見極めて信頼できる場所を探しましょう。