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2023/12/17
コラム

フレイルとは?フレイル予防や改善のため老人ホームに求められること

フレイルとは?フレイル予防や改善のため老人ホームに求められること

高齢者が健康に暮らし続けていくために必要とされるアセスメントの視点として、「フレイル予防」が挙げられます。元気で暮らしていくために予防しなければならないフレイルとは、どのような状態を指すのでしょうか。ここでは、フレイルの概要老人ホーム・介護施設に求められる対策について解説します。

フレイルとは健常から要介護へ移行する中間の段階で筋肉量・骨量が減少

フレイル」は、高齢期において元気な状態から介護が必要な状態に移行する中間の段階を指す語です。「虚弱」や「老衰」という意味の「Frailty(フレイルティ)」が語源で、日本語では「老年症候群」とも呼ばれます。フレイルの判断基準は次の5つです。いずれも老化による筋肉量や骨量の低下が原因で見られます。

・体重減少
・疲れやすさ
・歩行速度の低下
・握力の低下
・活動量の低下

フレイルになると、体を動かすことが億劫になってしまうため、筋肉量がさらに低下して転倒骨折などの悪循環に陥ります。免疫機能や自律神経のバランスも崩れるため持病や感染症が悪化しやすくなり、ストレス耐性の低下や閉じこもりなどから認知症やうつ病になってしまう場合も少なくありません。ただし、フレイルの段階で適切な支援を受ければ、回復が可能です。

バランスの良い食事など老人ホームや介護施設でのフレイル予防は必須

フレイルの予防としては、十分な栄養、ウォーキングやストレッチなどの身体活動人との交流などが挙げられます。中でも、食事はフレイル予防において非常に重要です。筋肉量や骨量、体重を増加させたくても、低栄養の状態ではこれらを増やしにくいからです。また、高齢になるほど一度に食べられる量が減ってしまうため、低栄養に陥りやすくなるのです。

フレイルの予防を見据えた食事では、筋肉を作り、骨を強くする栄養素であるタンパク質カルシウムビタミンDを十分に摂取することが重要です。タンパク質は鳥の胸肉、大豆、牛乳など、カルシウムは乳製品や葉菜など、ビタミンDは魚介類、卵、きのこなどから摂れます。

日中活動人との交流は、入居者の気力や意欲だけでなく、食欲にも影響します。フレイル予防は、日々の生活の充実にもつながります。バランスの良い食事で十分な栄養を取り、無理のない範囲で体を動かすこと、そしてスタッフや他入居者との交流の場面を設けることで、老人ホームや介護施設の入居者のフレイル予防や重症化予防を促進できるでしょう。

筋肉量・骨量の改善や健康寿命への配慮も老人ホームや介護施設の仕事

老人ホームや介護施設には、日常生活に必要な支援や介助を提供するだけでなく、筋肉量や骨量の改善など、健康寿命の延伸を図る役割もあります。そのため、施設では日課の中に散歩や体操、レクリエーションなどで軽い運動を取り入れ、筋肉量や骨量の改善を目指しているわけです。

また、十分な栄養を摂取するためには、食事の内容だけでなく「食べる機能の維持」も欠かせません。そこで施設では各利用者の歯の状態や噛む力、飲み込む力を確認し、食品の大きさや柔らかさを調整して入居者の状況にあった状態で提供しています。飲み込む力が衰えてきている入居者にとっては、食後の口腔ケアだけでなく、食前の口腔ケア口の体操をするのも効果的です。

今回のまとめ

フレイルは加齢と共に体の機能が衰えていく中で、適切な支援を受ければ回復可能な状態を指します。筋肉量や骨量の低下などは、体重減少や疲れやすさ、歩行速度の低下、握力の低下、活動量の低下の原因になりかねません。老人ホームや介護施設でも、十分な栄養摂取と身体活動、人との交流などを取り入れるフレイル予防は重要です。