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2023/10/06
コラム

老人ホームや介護施設で栄養状態を保つために必要な栄養管理の方法とは?

老人ホームや介護施設で栄養状態を保つために必要な栄養管理の方法とは?

老人ホームや介護施設の入居者の大きな楽しみは「食事」ですが、高齢になると食事の摂取量が減る食事の形状に工夫が必要になるなど、食事に関する配慮も必要になってきます。このように十分な栄養が摂取できているかをアセスメントし、配慮するのが栄養ケアマネジメントです。ここでは、栄養ケアマネジメントの必要性と、口から食べることができなくなった際に導入が検討される経管栄養の種類と方法について解説します。

老人ホームや介護施設での栄養管理や栄養ケアマネジメントは義務

介護予防や重症化予防のために、2021年の介護報酬改定では栄養マネジメントが基本サービスとなりました。そのため、介護保険を利用して入居する老人ホームや介護施設においては、入居者の栄養管理や栄養ケアマネジメントが必須となったのです。
施設に入居している間に、加齢や病気による心身の機能低下が生じてしまうことがあります。また、老人ホームへの入居という環境の変化も食欲や食事の摂取内容に影響を及ぼすことも少なくありません。何らかの理由で十分な栄養が摂取できないと、筋力の低下や意欲の減退などを引き起こしやすく、より多くの介護が必要になる状態になる恐れがあります。
そこで、提供する食事の栄養バランスの他に、口腔の状況嚥下機能体格など入居者の心身状態に合わせた栄養補給方法の選定なども含めて最適な栄養管理を行う栄養ケアマネジメントが必要となったのです。

食事が困難な高齢者には胃ろうなどの経管栄養を実施

嚥下機能が低下して誤嚥性肺炎を繰り返すようになった入居者や食事摂取が困難になった入居者には、経管栄養の実施も検討しなければなりません。
経管栄養の種類に、胃ろうの造設が挙げられます。これは胃に直接カテーテルを取り付けられるようにする処置で、気道と食道が交差している部位を経由させずに、直接胃に流動食を注入できるようになります。
医療機関から処方される半消化態栄養剤を使用しますので、施設の栄養マネジメントでは主に量の管理を行います。また、胃ろうの場合は、食事を終えたらカテーテルを外して、腹部の注入口にはふたをするなどのケアも必要です。なお、胃ろうを造設しても入浴やリハビリは可能であり、生活上の支障は少ない傾向にあります。また、胃ろうで食事を摂取している入居者でも、心身の状況の改善が見られれば、口から食事する嚥下訓練を行うことも可能です。

胃ろう以外にも経鼻経管栄養や腸ろうなどの栄養管理の方法がある

胃ろう以外にも、経鼻経管栄養腸ろうなどの胃や腸に直接栄養を流し込む経管栄養の方法があります。
経鼻経管栄養」は、胃に穴を開けず鼻から咽頭と食道を経由してカテーテルを入れて、流動食を胃に流し込む方法です。メリットは身体に傷をつけなくても良い点、デメリットは1~4週間ごとに医療機関でのカテーテル交換が必要な点や、自己抜去などのリスクがある点が挙げられます。
一方、「腸ろう」は、胃ろうと同様に腸へカテーテルをつなげて直接栄養を送り込む方法です。胃切除の手術をした入居者や、胃に栄養剤を注入しても嘔吐してしまう入居者などに適した方法ですが、胃ろうよりも取り扱いが難しく、注入に時間がかかるため、胃ろうや経鼻経管栄養よりも実施している人は少ない傾向です。
経管栄養が必要な場合は、このようなメリットとデメリットを踏まえた上で、入居者にとって最適な栄養管理方法を選択することが重要です。

今回のまとめ

老人ホームや介護施設では、入居者の健康や日常生活機能を維持するための栄養マネジメントが重要です。2021年からは介護保険制度を利用する施設では、栄養マネジメントが義務化され、食事のバランスや量の管理だけでなく、心身の状況に合った摂取方法を選択する必要があります。施設を選ぶ際は、どのような栄養マネジメントを行っているか確認しましょう。