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2023/03/09
コラム

老人ホームの食事面でのヒヤリハットが起こる原因と未然に防ぐ方法

老人ホームの食事面でのヒヤリハットが起こる原因と未然に防ぐ方法

老人ホームをはじめとする介護施設に入居する高齢者の日常生活では、大きな事故に直結するヒヤリハットが起こりがちです。入居者の安全を確保するためにはこのヒヤリハットを未然に防ぐ必要があり、そのためにはどのような場面でヒヤリハットが起こりやすくなるのかを把握しておかなければなりません。
ここでは、特に食事に関するヒヤリハットとその対策をご紹介します。

よくある原因が利用者の嚥下能力の低下を把握できていないこと

老人ホームにおける食事面でのヒヤリハットとして特に多いものの1つが、食べものをのどに詰まらせてしまうというものです。老人ホームの入居者のなかには食べものを飲み込むための「嚥下能力」が低下している方も少なくないため、一般的にはのどに詰まらせてしまう危険性の低い食べものでも上手く飲み込めないことがあります。

このようなヒヤリハットが起きてしまう原因としては、利用者の嚥下能力の低下職員が把握していないことです。また、本人に機能低下の自覚がないことも、トラブルの原因となります。老人ホームの入居者のなかには嚥下能力をはじめとする日常生活で欠かせない基礎的な能力が短期間で低下してしまう方も少なくないため、職員には個々の利用者の能力の変化を小まめに確認し、それぞれにあった食事の形状や食べ方を本人や家族とも共有することが求められます。

水分を飲ませる際の姿勢が良くない

食事に関連するヒヤリハットとしては水分の誤飲も挙げられます。このケースでは飲み込んだ水分が気管や肺に入ることで窒息のリスクや、口の中の菌が入り込むことで誤嚥性肺炎のリスクも高くなってしまうため、高齢の入居者が多い老人ホームや介護施設では特に注意が必要です。

誤飲のヒヤリハットの原因としては上述した嚥下能力の低下だけでなく、水分を飲む際の姿勢が良くないことも挙げられます。ベッドに横になった状態で水を飲もうとすると誤飲に繋がりやすいため、就寝前の服薬や水分補給を安全に行う際は正しい姿勢で行えるよう職員が付き添うのが効果的です。
また、誤飲のヒヤリハットを未然に防ぐためには飲みものにとろみ剤を入れるなど、嚥下能力の低下した高齢者でも飲み込みやすい状態にしてから提供する場合もあります。

老人ホームや介護施設で食事面のヒヤリハットを予防するために大切なこと

老人ホームや介護施設では食事面で生じやすいヒヤリハットを職員が把握しておくことが何よりも大切です。具体的には上述した嚥下能力の低下に起因するヒヤリハットだけでなく、認知症の方が食べ物以外を口に含んでしまう異食にも注意しなければなりません。このヒヤリハットを予防するためには、食事をするためのスペースやテーブルの上に食べられないものを極力置かないことが大切です。

また、食事と関連して生じやすいヒヤリハットとしては薬の誤飲も挙げられます。老人ホームや介護施設の入居者の多くは食後に服用する薬を常用しており、食事の後に服薬のための時間が設けられているケースも少なくありません。この際に服用する薬の種類や個数を間違えてしまうヒヤリハットは特に発生しやすく、その予防のためには個々の入居者が服用する薬を職員がその都度配布して、正しく服薬できているかをチェックするなどの対策が不可欠です。

今回のまとめ

食事は老人ホームや介護施設においても毎日行われる活動の1つであることから、そこで発生しやすくなるヒヤリハットについてはしっかりと予防策を講じておく必要があります。そのためには、施設の職員が生じやすいヒヤリハットを把握することだけでなく、その原因についても理解しておくことが大切です。それと同時に食事面でのヒヤリハットは個々の入居者の能力の違いによっても生じる可能性が変化するため、嚥下能力などが低下している入居者に対しては特に注意しなければなりません。