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2023/01/05
コラム

老人ホームでの介護食が必要な背景と症状に応じた食事形態とは

老人ホームでの介護食が必要な背景と症状に応じた食事形態とは

老人ホームや介護施設などの高齢者向け住まいに家族を入居させる方にとって、「どのような食事が提供されているか」は気になるところではないでしょうか。高齢者にとっても食事は健康の要であり、入居者に提供される介護食は進化しています。ここでは、入居者に提供される介護食の目的や種類、提供する際のポイントについて詳しく解説します。

老人ホームや介護施設の介護食は安全に美味しく栄養をとるためのもの

介護食とは、高齢者一人ひとりの健康状態や体力に合わせて食べやすく工夫された食事のことです。介護施設で介護食が必要な理由や導入された背景には、以下の点が挙げられます。

高齢者は栄養不足になりやすい

健康な高齢者でも、加齢と共に歯が抜けたり入れ歯になったりして、食べづらくなることは少なくありません。食事が困難になると自然と食べる量が減り、必要な栄養が摂れなくなってしまいます。

食事が事故や病気の原因になる

高齢になると、「食べる」「話す」「呼吸をする」「表情をつくる」などを行う口腔機能が衰えます。口腔機能の低下は食事にも影響を与え、食べ物や唾液が気管に入る「誤嚥」に繋がりかねません。誤嚥を起こすと呼吸困難になったり、食事と一緒に気管支に細菌が入り「誤嚥性肺炎」を引き起こしたりするため、大変危険です。

食事形態には高齢者の嚥下機能に合わせて、きざみ食・ミキサー食等がある

では、老人ホームや介護施設などの高齢者向け住まいが提供している介護食は、どのような種類があるのでしょうか。

きざみ食

高齢者が噛みやすいように、食材を細かくした食事です。食材を食べやすいサイズにしただけですから常食と同じ口当たり、舌触り、歯ごたえが楽しめます。

ソフト食(軟菜食)

ソフト食は、高齢者がより噛みやすいように食材を軟らかく調理した介護食。素材が軟らかいだけですから、見た目が常食と変わらず、食欲を維持しやすいのがメリットです。ソフト食の中には、食材をすりつぶして、とろみ剤などで成型するムース食もあります。

ゼリー食

常食やソフト食をさらに細かくしてペースト状にし、ゼラチンや寒天などを使って固め、喉滑りを良くしたゼリー状の食事です。

ミキサー食

常食に出汁やスープをプラスして、ミキサーやブレンダーを使って液状にした食事です。噛む必要はありませんが、むせやすく、見た目がやや良くないのが難点かもしれません。

老人ホームや介護施設では嚥下機能に合わせて、食事形態を少しずつ変える

介護食は、安全性を優先してただ軟らかい食事にすれば良いというものではありません。食事は必要な栄養素を摂り入れるだけでなく、咀嚼機能のトレーニングにもなります。高齢者が健康を維持するためには、咀嚼機能に合わせて硬さや大きさを調節することが重要です。
日本介護食品協議会では、高齢者の健康状態を4区分に分類しています。

・区分1:咀嚼し嚥下できるが、食材によっては噛みづらかったり飲み込みづらかったりする
・区分2:硬い食材や大きくカットされた食材をうまく噛めないことがあり、場合によっては飲み込めない。歯茎で硬めの豆腐がつぶせるレベル
・区分3:細かく刻む、または軟らかくした食事は食べられるが、飲み込むのに水やお茶が必要になる。舌を使って絹豆腐をつぶせるレベル
・区分4:固形の食材だけでなく、水やお茶を飲むのも難しい。

今回のまとめ

施設の食事が合わないと、食事の量が減って体力が落ちたり、事故の原因になったりするため、たかが食事と侮ることはできません。厚生労働省の2021年「人口動態調査」でも、「誤嚥性肺炎」は死亡原因の上位にランクインしています。食事は毎日のことですから、老人ホームや介護施設などの高齢者向け住まいを選ぶ際は、どのような介護食が提供されているか、十分に確認することが大切です。