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2022/12/28
コラム

気分障害とは?老人ホームや介護施設での過ごし方や接し方のポイント

気分障害とは?老人ホームや介護施設での過ごし方や接し方のポイント

厚生労働省の発表によると、『気分障害』の患者は年々増加傾向にあり、高齢者も例外ではありません。気分障害は再発しやすく、治療法を間違えると悪化してしまうため、周囲の人の理解や配慮が必要です。ここでは、気分障害の概要と主な症状、老人ホームや介護施設などの高齢者向け住まいの気分障害を持つ入居者への接し方についてご紹介します。

気分障害とは?主な症状とこころのケアが必要な理由

『気分障害』とは、感情や気分の変動により日常生活に支障をきたしている状態を指します。治療が可能ですが、重症化したり慢性化しやすい病気で、重症化すると生きる気力さえ失ってしまうこともあるため、気分障害は早期発見・早期治療が重要です。

気分障害には、「単極性障害」と「双極性障害」の2種類があります。それぞれの違いは次の通りです。

単極性障害

深い悲しみが続き、ふさぎ込んでしまう状態で、いわゆる「うつ状態」と言われるものです。気分の落ち込みの他に、不眠食欲不振慢性疲労などの症状が出ます。日常生活にも困難をもたらすようになると、うつ病と診断されます。

双極性障害

うつ状態とは異なり、「うつ状態」と「躁状態」を繰り返すという特徴があります。「躁状態」は高揚が持続する状態のことで、人によっては睡眠時間を削るほど活動的になったり、ギャンブルや買い物に依存したりすることがあります。

気分障害を抱える高齢者への効果的な接し方

老人ホームや介護施設などの高齢者向け住まいの入居者が、気分障害とみられる症状を発症した場合、どうしたら良いのでしょうか。ここでは、施設での対応と効果的な接し方をご紹介します。

施設での対応

家族との面談を行う

入居者抜きで家族との面談を行い、気分障害を引き起こしたと思われる原因を明確にします。

医療機関での受診を勧める

気分障害の症状と認知症の症状は似ているため、高齢者の場合、区別がつかないことがあります。気分障害の症状を発症したら、必要に応じて精神科や認知症の専門外来での受診を勧めましょう。

発症後の過ごし方と入居者への接し方

気分障害を発症したら、ストレスのない環境でリラックスした時間を過ごすことが大切です。また、気分障害を発症した入居者と接するときは、気持ちに寄り添えるように入居者の話を丁寧に聞き、居室には家族の写真や思い出の品を並べて安心できる環境にすると良いでしょう。

老人ホームや介護施設での「こころ」のケア

気分障害を発症した入居者の精神状態は不安定なため、ちょっとした態度や発言が症状を悪化させてしまうこともあります。入居者の心のケアに取り組む際、特に注意したいのが次の2点です。

励まさない

気分障害を発症する人は、とても生真面目で他人に迷惑をかけたくないと思っている人が多い傾向です。仲間同士では落ち込んでいる人を励ますことがよくありますが、気分障害の人に対して「がんばって」という言葉はかえってプレッシャーとなり逆効果になってしまうことがあります。

アドバイスをしない

気分障害を発症すると、同じようなことを何度も繰り返し話すという事もあります。同じような話を何度も聞いていると、こうしたほうが良いとアドバイスをしたくなります。しかし、気分障害の人は自分の気持ちを理解してほしいだけなのですから、入居者の気持ちが軽くなるように聞き役に徹するのがおすすめです。

今回のまとめ

深い悲しみが気分障害を引き起こすことも多いため、家族と離れて老人ホームや介護施設などの高齢者向け住まいで生活する高齢者は、気分障害を発症しやすいと言われています。最近は精神科の往診・訪問診療を行っている老人ホームや介護施設も少なくありません。施設を選ぶ際は、気分障害の入居者が受けられるサービスをしっかりと確認するようにしましょう。