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認知症で老人ホームに入居した際の注意点!老人ホームや介護施設のことを知っておこう
認知症の方を介護しているご家族には、精神的、肉体的、そして金銭的な負担がかかってきます。本人とご家族が共倒れないために、老人ホームや介護施設への入居を検討される方も少なくありません。しかし、施設探しの前に認知症について理解し、そもそも認知症がある方も入居できるのかを知ることが先決です。ここでは、認知症の方が老人ホームや介護施設へ入居する際の注意点を解説します。
認知症の方の老人ホームや介護施設への入居は可能?
認知症がある場合は、一般的な老人ホームに入居できないのではないかと心配される方も少なくありません。しかし、近年では認知症の方向けの施設や、受け入れ体制が整っている施設が増えているのです。ここでは、認知症でも入居可能な施設を3つご紹介します。
■特別養護老人ホーム
「特養」とも呼ばれる施設で、原則、要介護3以上、あるいは「要件」を満たす要介護1、2の方を対象としています。この要件に、認知症が含まれているのです。認知症で日常生活に支障をきたしている方や、寝たきりの方などが入居できます。ただし、終身利用ができる上に費用が比較的安いため入所希望者が多く、入所までに長い時間がかかる傾向です。
■グループホーム
認知症対応型生活介護施設であり、対象は要支援2または要介護1以上の、認知症の診断がある方です。5~9人で共同生活を送り、認知症ケアの専門員が常駐してサポートしています。
ただし、看護師の常駐は義務付けられていないため、医療ケアが必要になった時は退去しなければならない場合もあります。
■介護付き有料老人ホーム
有料老人ホームには、介護付きと住宅型の2種類があります。このうち、介護付きの方が職員体制が手厚く、介護スタッフの他に看護師や、施設によっては機能訓練を行えるリハビリスタッフが常駐している場合もあります。基本的な対象者は要支援1、2または要介護1~5ですが、自立の方から入れる施設もあります。ただし、認知症の場合は、集団生活に支障が無いことも要件に含まれます。
認知症による被害妄想とはどんな症状なのか
認知症の症状が進行すると様々な症状が現れます。被害妄想も症状の一つですが、被害妄想が見られると介護者や周囲の人々とトラブルになることがあります。ここでは認知症の被害妄想について解説します。
■被害妄想とは
認知症の周辺症状の一つで、実際には何の被害を与えられていなくても被害を受けたと思い込むことを指します。例えば、自分で財布をどこかに置き忘れたのに「お金を盗まれた」と言ったり、他人が話している様子を見て「悪口を言われている」と言ったりするなどです。
被害妄想は、大きく3種に分けられます。
・物盗られ妄想
・暴力や暴言を直接受ける被害妄想
・対人関係の妄想(見捨てられ妄想、嫉妬妄想、迫害妄想、幻覚、等)
■被害妄想の原因
認知症の種類によっても異なりますが、被害妄想の多くは認知力の低下による不安感や孤独感、感情の爆発などが原因と考えられています。被害妄想によって周囲の人や身近なご家族が悪者にされてしまうこともありますが、あくまでご本人の認知症による症状が原因であり、決して悪意のあるものではないということを理解する必要があります。
老人ホームや介護施設で起こっている徘徊や被害妄想の事例
認知症のある方でよくある症状としては、徘徊と被害妄想があります。老人ホームや介護施設では、どのような事例があるのかを見てみましょう。
■徘徊
認知症の症状のひとつでもあり、家の中や外を歩き回る行動を指します。例えば、以下の事例が見られます。
・トイレの場所や探し物をして、家の中を歩き回る
・自分の家だという認識が出来ず「帰る」といって何度も外に出ようとする
・目的を持って出かけても、自分がどこを歩いているか分からなくなり、目的も忘れてしまう
多くの場合、「見当識障害」で周囲の状況や人、日時、場所等を認知する機能が低下したことが原因と考えられます。ほんの数メートルの距離でも目的地がわからなくなってしまうため、外出時に徘徊症状が出ると、大きな事故や事件に巻き込まれる危険性が高まるのです。
■被害妄想
被害妄想では、以下のような事例が見られます。
・家族が本人に代わって金銭管理を行うと「自分の財布が無い」「誰かが盗った」と家族などへ詰め寄る
・家族同士が本人を刺激しないよう小声で会話すると「悪口を言っていた」「のけものにした」などと激高する
・すでに食事をしたことを忘れて「食事をもらえない」「家族に虐待されている」などと訴える
老人ホームや介護施設等では入居者が共同で生活しているため、他の入居者や施設の職員の言動がきっかけでこのような被害妄想を持つ方も少なくありません。
今回のまとめ
ご家族による認知症の介護は、本人と家族にとって大きな負担になり得ます。近年では、認知症でも入居できる施設が増えているので、共倒れないためにも老人ホームや介護施設への入居も検討してみてください。ただし、徘徊や被害妄想が見られる場合は、トラブルのリスクが高まりかねません。認知症向けの介護施設を選ぶ際には、症状の進行度合いや心身の状態、ご家族の状況などについて、ケアマネジャーなどとよく相談することをおすすめします。
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