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2022/05/30
コラム

介護施設への入居「きっかけ」や「決め手」は?

介護施設を検討する「きっかけ」や「タイミング」は人それぞれです。

今回は、なかでも比較的多くの人が検討することになった理由や決め手についてご紹介します。

老人ホームなどの介護施設を利用するのは、単に家族の負担を減らすということだけでなく、本人にとって快適な生活を維持するためにも必要なことです。

それだけに、本人や家族にとってベストなタイミングを見定められるように、様々な実例を知っておくことは大事です。

ポイント1:病気や怪我、入院により在宅生活が困難に

病気や怪我、入院により在宅生活が困難に

 理由①:身体機能の低下 

今まではある程度は自立した生活を送れていた人でも、身体機能の衰えによって徐々に在宅生活が大変になることがあります。

特に足腰の機能が落ちて、歩行やベッドからの立ち上がりが困難になると在宅生活の難度は一気に上がります。

また、定期的なリハビリが必要になってくると、自宅では思うように訓練ができないという事情も関係してきます。

 理由②:入院がきっかけに 

入院を機に在宅生活が難しくなるというケースも多く見られます。

病気や怪我によって入院が必要になると、その病気や怪我自体からの影響はもちろんのこと、ベッド上での生活が増え活動量が減ることになります。

また、人によっては誰かとコミュニケーションを取る機会が減ることもあるでしょう。

すると、筋力や体力が落ちるのはもちろんのこと、刺激が減ったことで脳の機能が衰えてしまうこともあります。

これにより、身体介助が必要になったり、認知症が発症・進行してしまうこともあるのです。

 

また、一般病院における治療が終わっても、退院後にリハビリが必要と判断されることがあります。

その場合は、介護老人保健施設(老健)に入所することが多いです。

老健は、介護施設でありながら、専門職による個別リハビリを受けられる施設のため、身体機能の回復に一定の効果を期待できます。

 

しかし、老健の入所期限は原則3ヶ月となっており、入所期間の更新には審査のようなものがあります。

また、継続利用できる場合でも。3ヶ月を超えるとリハビリの回数が減ることもあります。

もし老健入所中に心身の機能回復が十分になされていれば良いのですが、そうともならないこともあります。

この場合、自宅に戻っても適切なケアができない可能性もありますので、そのタイミングで老人ホームなどの介護施設に入るという決定をする人も多いのです。

 

このように、病気や怪我、入院といった事情があると、今まではそれほど大変ではなかったのに、急に調子が悪くなることもあります。

そして、こうした問題は急に起こることも珍しくないのです。

そのため、今は問題なく在宅介護ができているとしても、急に事情が変化する可能性についても考えておくべきです。

特に長期入院をした場合、在宅生活に戻るのが難しいケースは多いです。

あらかじめ入院が長くなりそうだと分かっているのであれば、その後のケアについて早めに選択肢を挙げておく方が良いでしょう。

ポイント2:介護度が上がったり、認知症が進行した

介護度が上がったり、認知症が進行した

 介助量の増加 

要介護が上がるということは、それだけ介護をする人の負担が増えることを意味します。

身体機能の低下が目立ってきて、今まで以上に介護を行う時間が増えることになります。

また介助の方法や内容が難しくなることもあります。

 

場合によっては、体を起こすなどの体力を使う作業が増えて、ご家族の疲労度が一気に上がることも十分考えられます。

そうなると、最初のうちは何とかやっていけるものの、長く続けるのはかなり厳しい状況となります。

ご家族の精神的な疲労や、仕事を辞めざるを得なくなると生活を満足に続けていくことすら大変です。

 「認知症」の発症  

身体的な機能低下と共に、認知症の進行多くの人が介護施設の利用を検討するタイミングとなります。

これは愛知県名古屋市でも実際に多く見られる点です。

夜間対応や、外出中に本人が迷子になってしまうなど、目が離せない状態になると家族だけでの対応が難しくなります。

また、場合によっては身体的な介助に伴う疲労よりも、認知症患者さんのケアの方が精神的な負担や睡眠不足に伴う疲れなども大きくなることもあります。

 

もちろん、認知症といっても人それぞれ状況は違います。

時に、高齢者特有の感情の不安定さちょっとした物忘れなど、加齢によるものと思い込んで認知症に気付かないことがあります。

そのうち、急に夜間徘徊をしたり大きな騒動を引き起こしたりと、ご家族に精神的なショックを与えるようなトラブルが生じて初めて気付くといったケースも見られます。

認知症はできるだけ早い段階で発見し、適切なケアをすることで進行を遅らせることもできますので、兆候に気付いたら医療機関への受診と共に、適切なケアを与えてくれる介護サービスの利用も考えるようにしましょう。

 認知症と物忘れ「見分ける方法」 

認知症を見極めるポイントとしては、単なる物忘れとの相違点に注目することです。

たとえば、昨晩何を食べたのかメニューの内容を覚えていないというだけであれば、物忘れだと考えることができます。

しかし、夕食を食べたこと自体を忘れてしまい、また何か食べ始めるといった症状が出ている場合は認知症が疑われるできます。

さらに、急激な感情の変化も認知症の症状の一つで、急に理由もないのに泣いたり怒ったりする場合には注意が必要です。

ただし、こうした症状は老人性のうつ病の可能性もあるので、まずは医療機関に相談するのが大切です。

こうした状況を見ると、ご家族としても精神的にきつくなりますし、実際に対処するのが難しくなりますのでプロの手を借りるべきタイミングだと考えた方が良いでしょう。

ポイント3:家族などが介護できなくなった

家族などが介護できなくなった

 家族が介護に限界を感じたら… 

上記のように、ご本人の状態が悪化した場合も含めて、ご家族が介護をするのが難しく感じて介護施設の利用を決めたというケースは多いです。

今まで何とか在宅での介護をしてきたものの、体力的にも精神的にも限界が来て、もう続けられないと感じるわけです。

もしくは、介護のために会社を休んでいたが、介護休業の制度や有給休暇を使い切ってしまったというケースもあるでしょう。

 

こうした場合では、自分たちで何とかやっていければ良いのに、と介護施設を利用することにためらいを覚える人も多くいます。

高齢の親を見捨ててしまうことにならないか」とか、「自分の努力が足りないのではないか」と感じ、人に任せることに後ろめたさを感じてしまうのです。

しかし、自分たちで介護を続けることに大変さを覚えているのであれば、ぜひ積極的な介護サービスの利用を検討してください。

そのまま負担の大きい状態で続けていると、いつかお互いに疲れ切ってしまい、共倒れになってしまうことも少なくありません。

 時にはプロの対応で改善することも 

また、リハビリを含めてプロがケアをすることで、ご本人にとって良い影響があることも多々あります。

設備の整ったところで機能訓練をすることで、要介護度の進行を遅らせる効果や、自立に向けた取り組みがうまく行くこともあります。

また、日々の生活介助も快適に受けられるものです。

 

この点で、他の家庭を参考にするのは良いですが、同じようにすべきだと考える必要はありません

家族構成や要介護度、経済事情などの違いがありますので、よその家庭では大丈夫では自分たちでは難しいということも当然あるわけです。

こうした比較をするのではなく、ご本人とご家族にとって一番良い方法は何かという点で考えるべきなのです。

そして、自分たちだけで悩むのではなく、行政やケアマネジャーなどにも相談して、客観的な意見を聞くことも大事です。

おわりに…

多くの人が、高齢になった親をできるだけ自分たちの手でお世話するべきだという思いを持っています。もちろんその考え自体は立派なことですが、ご本人とご家族の限界を超えてまで在宅介護を続けることで、生活が破綻してしまう危険性もあります。要介護度が上がったり入院をしたりといったタイミングで、必要があれば「介護施設」も1つの選択肢として話し合ってみましょう。いきなり老人ホームに入居するということでなくても、「デイサービス」や「ショートステイ」を利用するなどして、今までの生活とどんな違いが出てくるのかを試してみるのも良いでしょう。そうすることで、落ち着いてこれからの介護と家族生活について考えることができます。