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介護認定で用いられる「日常生活自立度」とは?
介護サービスを受けたい場合、65歳以上であっても「要介護認定」というものを受ける必要があります。
たとえ、実際に介護が必要な状態であったり、医師からそう診断されたとしても、要介護認定を受けていないと、介護サービスの恩恵に預かることができないわけです。
そこで、この認定がどのような流れで行われ、認定するためにどんな指標が用いられているのかを理解しておくのはとても大事です。
本人もしくはご家族が具体的に何をすべきなのかも併せてチェックし、適切なサポートを受けられるようにしましょう。
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▼ 【介護の豆知識】介護認定はどうやって決まる?調査で用いる「日常生活自立度」とは。について解説しています
1.介護認定の仕組み
介護保険サービスの範囲
日本においては介護保険制度という公的な制度があり、在宅にいつ方向けの訪問サービスや、日帰りの通所サービス、お泊まりや長期入所のサービスなど、さまざまなサービスを利用できます。
これは、認知症や寝たきり状態になったために常に介護を必要とする場合だけでなく、生活のある一部においてだけ手助けが必要な場合も対象となります。
つまり、入浴や食事の補助だけが必要だったり、家事を支援してもらったりといった、日常生活におけるケアも含まれるのです。
サービスを使うために必要なこと
介護保険サービスは公的な制度であることから、自分やご家族が必要だと主張したからといって、誰でも自動的に受けられるわけではないのです。
専門機関が、介護が必要な状態にあるのかどうかをチェックして認定をすることで、初めて介護サービスを受けられるのです。
これが介護認定というものです。
「誰が」どういう「基準」で認定を行う?
愛知県名古屋市などのそれぞれの自治体には、判定をするための介護認定審査会というものが置かれており、この審査会が介護の必要度を判定します。
自治体ごとに介護認定審査会があるとはいえ、それぞれの自治体で独自の基準を持っているわけではありません。
政府が定めた基準があり、全国で同じ基準の下で審査が実施されます。
こうすることで、適正にそれぞれの要介護者のニーズに合わせてケアを行い、サービスに関する給付がなされるわけです。
要介護認定の「流れ」
全国共通のチェックリストに基づいた調査結果をもとにコンピューターが一次判定を行います。
その後、特記事項や医師の作成した意見書等も鑑みて、介護認定審査会による二次判定がなされて、最終決定が下されます。
ちなみに、審査会は医療や保険、福祉についての専門家、学識経験者が集まって作られています。
認定は「介護が必要な時間の長さ」によって決まる
要介護認定は、どのくらい介護の時間を必要とするか、ということを基準として要介護度を決めていきます。
つまり、障害の度合いが重くて、それだけケアをするのに手間と時間がかかる場合は、より高い要介護度を出すという形になるわけです。
たとえば、要介護度1の場合は、介助や医療関連行為などのケアに、32分以上50分未満の基準時間がかかるケースで認定されます。
それが要介護度5になると、基準時間が110分以上ということになります。
下記の区分をもとに、基準時間を出すことで、要介護度が決定されるというわけです。
【生活介助】
この基準時間、つまりケアの必要がある行為については、「直接生活介護」や「間接生活介助」と言ったように、更に分類がなされています。
これは、排せつ介助や食事介助といった身体に直接触れるような介護と、掃除や洗濯のような、家事支援にあたるものという分類です。
【問題行動関連行為】
ひとり歩き(徘徊)や不潔行為に対する対処時間を指します。
【機能訓練関連行為】
日常生活を送るための訓練や、歩行訓練などに充てる時間を計算します。
【医療関連行為】
褥瘡(じょくそう)のケアや輸液管理といった、医療行為にかかる時間を指します。
2.障害高齢者の日常生活自立度
障害高齢者の日常生活自立度は「寝たきり度」と呼ばれることもあり、障害を持っている高齢者の方が、どのくらい自分だけで毎日の生活を送れるかを見るための指標です。
一番軽い「生活自立」、次に軽い「準ねたきり」、そして程度が重い「寝たきり」があります。
「生活自立」とは
障害があるものの、ほぼ自立して日常生活を送れるレベルとなっています。
たとえば、近くまでなら一人でも外出できるとか、交通機関を使って外出できるといった状態のことを指します。
「準ねたきり」とは
屋内における日常生活は全体的に可能であるものの、外出が一人ではできない状態と判断されます。
介助があれば外出も可能で、日中はベッドから出た状態で日常生活を送れます。
あるいは、外出することが少なく、日中でも横になっていることがある状態まで含まれます。
「寝たきり」とは
「寝たきり」については、さらにランクBとランクCの2つの区分が存在します。
【ランクB】
家の中では介助がいつも必要で、日中の生活も座って過ごすことができるものの、ベッドで過ごすのがほとんどという状態です。
これには、食事や排せつはベッドから出て行えるという条件が付きます。
【ランクC】
ずっとベッド上で生活していて、食事や排せつ、着替えなども介助が必要となるケースです。
さらに、自力で寝返りを打つことができるかできないかによって、細かく判定することもできます。
こうした基準で、高齢者の状態をチェックしていき、どこまで日常生活を自力で行えるかを見ていきます。
この日常生活自立度の判定によって、要介護度認定を正しく判定することができます。
つまり、先に日常生活自立度を見て、それを参考にしながら要介護度を判定していくという流れになっています。
3.認知症高齢者の日常生活自立度
先述した判定と似たものに、認知症高齢者を対象としたものがあります。
認知症の場合、身体障害を併せて持っていることもありますし、そうでないこともあります。
そのため、この指標ではあくまで認知症だけに絞って判定を行い、認知症によって日常生活の自立が難しくなっているかどうかを客観的に判断します。
ランクが9つに分類されており、それぞれに認知症の状態と共に、実際の日常生活の自立状況を見て判断がなされます。
たとえば、一番軽い「ランクⅠ 」では、認知症状は見られるものの、ほぼ自立して家庭や社会における自立した生活を送れる状態です。
「ランクⅢ 」になると、介護を必要とする状態で、日常生活に支障が出ている状態です。
サポートがないと一人では生活に必要な行動ができない、コミュニケーションに問題がある、という人が含まれます。
最も重い「ランクM 」では、著しい精神症状とか、問題行動があるという区分になります。
たとえば、自傷や他の人を傷つける恐れが強い精神症状が出ていたり、せん妄や妄想が強く見られたりするという症状も含まれています。
【おわりに…】
適切な介護サービスを受けるためには、主治医による診断に加えて、介護保険制度に基づく要介護認定を受ける必要があります。身体もしくは精神障害の種類や状態、そして自立生活をどこまで送れるか、つまり日常自立支援の必要性がどのくらいあるかということによって判断されます。それは、自治体ごとに設けられている要介護認定審査会というところで判定がなされます。
手続きには複雑なところもありますし、作成して提出する書類もいくつもあります。手続きをスムーズにするためにも、自治体の窓口などで相談しながら、必要な手続きを確認して行っていきましょう。
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