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ケアまどニュース
介護施設のコロナワクチン接種
「新型コロナウイルス」のワクチン接種が日本国内でも開始されました。
世界中を混乱に陥れている新型コロナウイルスに対して、ワクチン接種はこの状況を終わらせるゲームチェンジャーとなることが期待されています。
しかし、ワクチン自体の供給の問題や接種方法についての課題も多く、全国民まで行き渡るまでには相当な時間がかかると考えられています。
そこで、介護施設に入っている高齢者やその施設で働く職員が、いつの段階で受けられるのかが気になるところです。
【Youtube】でも解説しています。
▼高齢者・介護に関わる事業者に関わる部分をクローズアップして紹介します
1. ワクチン接種の優先順位
ワクチンは一度に供給できる数に限りがあり、接種を実施する会場や人員の確保をするために、段階的に行っていく必要があります。
そこで、より必要性が高いと思われる層から優先順位を付けていき、それぞれの層が終わり次第、次の層に行くという形で接種がなされることが決まっています。
優先順位の第一:医療従事者
最も新型コロナウイルスに接触する可能性が高いために、まず免疫を付けることが求められています。
実際問題として、医療従事者が感染してしまったために、病院などの機能が停止したり制限せざるを得なかったりする事例も起きています。
感染症による被害を抑えることにつながりますので、最前線で働いている人たちを守るということに加えて、医療体制を安定させるという観点からも、こうした優先順位を付けるのは当然と言えるでしょう。
優先順位の第二:高齢者
高齢者と一口に言っても、実際には身体状態や持病の有無など個人によって状態は異なりますが、高齢者の中でどのように順番を付けて接種を行うかの方向性は明確ではないのが実情です。
もしくは、特に異なる層に分けることなく、一定の年齢上の人たちにまとめて接種を行っていくこともあります。
優先順位の第三:①基礎疾患のある人(高齢者を除く)
重症化患者の数が増えることで、安定的な医療提供を行うことが難しくなるため、高齢者と同様に、重症化のリスクが高い基礎疾患のある方は優先接種となります。
優先順位の第三:②高齢者施設の職員
「高齢者施設」には、グループホームや有料老人ホーム、特養施設、老健などの介護施設が含まれています。
重症化しやすい高齢者に密に関わると同時に、クラスター化リスクの高い施設であるため、職種や年齢、実際の業務内容問わず接種の対象となる見込みです。
これが原則となりますが、より効率的な接種を行っていくために、いくつかの例外が生じると見られます。
実際に、厚労省ではいくつかの事例を挙げています。
・施設入所中の高齢者と同時に、施設の職員にも接種を行う
そのための条件としては、
・接種体制を整える自治体と介護施設双方が可能と判断していること
・ある程度大きな介護施設で、まとめて接種した方が効率が良いこと
・医師が接種後の健康観察や必要が生じた時の対応が可能である
こうした具体的な接種の方法については、厚労省がある程度のガイドラインを設けているものの、自治体が主体となって決めていきます。
そのため、それぞれの場所で、どこでどのように、そして誰に対して接種をしていくかについては、自治体によって違いが出ることになります。
自分が住んでいる自治体からの情報を注視することが大事なのです。
2. 介護施設の入所者はどこで受ける?
介護施設に入所中の高齢者がどこでワクチン接種を受けるかは、自治体の判断によって変わってきます。
また、それぞれの介護施設の規模や、近くに保健施設や接種を大規模に行う病院があるかどうかなどによっても違いが出ます。
状況が許せば、積極的に介護施設において入所者への接種をすることが検討されます。
やはり一度にたくさんの高齢者、しかも介護が必要な方がワクチン接種会場まで移動するというのは難しいものがありますので、スタッフが施設を訪問して接種をした方が安全なのです。
また、効率という面から見ても、多くの人が入所している施設であれば、短時間で多くの人に接種ができるようになります。
とは言え、愛知県名古屋市の介護施設の中には小規模のところもありますし、接種のためのスペースを確保するのが難しいケースもあります。
また、在宅中心の方のサービスがメインで、長期入所をしている人の割合が低いこともあります。
こうしたことから、それぞれの自治体の判断を待つ必要があります。
同じ自治体でも介護施設の大きさなどによっても判断が分かれるところですので、情報が出されるのを待つと同時に、入所している介護施設に確認してみると良いでしょう。
3. 介護施設職員の接種体制は?
介護施設においては、入所している高齢者だけでなく、介護職員の接種も重要なポイントとなります。
前述のように、条件が整えば優先順位の高い高齢者を施設内で接種する際に、一緒にそこで働くスタッフも受けるということも十分考えられます。
介護職員の接種体制①:施設外で接種
もしくは、自治体によっては、介護施設ではなく接種会場に行く必要が出る場合、そこに付き添う介護職員も同時に受けるということもあり得ます。
その方が効率が良いですし、同じタイミングでワクチンを打つことで、感染予防効果が高くなるからです。
介護職員の接種体制②:併設病院と同時接種
介護施設によっては、病院と併設される形で建っているものもあります。
こうしたケースでは、介護職員も医療施設に立ち入ることがあります。
また、介護療養病床で働いている人もいます。
このように、介護職員と医療従事者の境目があいまいになっている施設も存在するわけです。
こうした事例においては、厚労省でも優先順位の1位になる医療従事者と同じタイミングで、介護職員に対してもワクチン接種をすることを認めています。
そのため、施設によっては、かなり早い段階でスタッフが接種を済ませることになります。
介護職員の接種体制③:訪問介護職員
【条件付き優先接種】自宅療養中のコロナ感染者を介護する意思があること
一方で、介護事業所に勤めているものの、訪問介護やデイサービスを行っているスタッフについては、優先順位から外れています。
居宅サービスに携わる職員は、施設に常駐しないということもあって、一般の方と同じ優先度が付けられているのです。
ただし、訪問介護や訪問看護などの職員については、条件付きで優先されることが追加決定しました。
高齢者に関連する事業所では、多くの都道府県でクラスターが発生していて、大きな問題となっています。
高齢者や基礎疾患を抱える人は新型コロナウイルスによる重症化リスクが高いことが分かっていますので、クラスターの発生を抑え、命を守るためにも、できるだけ早い接種がなされることが期待されています。
そのためにも、効率的な体制作りが重要になってきます。
自治体や事業所で検討を重ね、スムーズに接種がなされるよう、さらに細かな方策が発表されることが待たれます。
【おわりに…】
新型コロナウイルスの収束には、ワクチン接種が欠かせないプロセスとなっています。
特に、高齢者自身や高齢者のご家族は、接種を一日でも早く進めて欲しいという思いがあります。
医療従事者に次いで、高齢者と介護職員の接種が行われていくことになり、大まかな指針はあるものの、自治体や施設によって具体的な方法は異なるはずです。
そのため、積極的な情報収集をして、混乱なく接種ができるようにしたいものです。
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