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2021/01/04
コラム

コロナ禍での施設探しのポイント

いまだコロナ禍が続く状況で、老人ホームなどの高齢者の介護施設では「感染症対策」に非常に気を使っています。

新規入居者の受け入れを制限したり、家族の面会制限を設けている施設は、愛知県名古屋市内に限っても少なくありません。

このような状況での施設探しのポイントを考えてみましょう。

 

見学や入居の制限

見学や入居の制限

 

— 新規受け入れの制限 —

高齢者施設のなかには新規入居自体を制限しているところも全国に多数あります。

感染リスクの高い高齢者が集まる施設ですので、そのリスクを少しでも軽減するには新規入居者からの経路を断つのが効果的という考えはもっともでしょう。

また、新規入居希望者にはPCR検査や抗体検査の実施を義務付けているところも見られます。

 

— 見学の制限 —

こういう状況ですので、入居希望者向けの見学を制限する施設も少なくありません。

見学自体を中止しているところもありますし、開放するのは面談室のみなど、施設内部の案内を制限しているところもあります。

 

— 制限により難しくなった施設選び —

しかし、施設探しをされている高齢者やそのご家族にとっては、居室やそこで実際に暮らす入居者や職員の日常の様子が確認できない場合、入居を決断するのが難しいと考える方もいるでしょう。

かと言って、見学が全面的に解禁されるまでコロナの収束を待てる人ばかりではないはずです。

 

面会の制限

面会の制限

— 全面的な面会中止の施設も —

現在入居中の高齢者やそのご家族にとっても、同じく厳しい状況です。

多くの施設が、感染リスクを避けるために外部との面会に制限を設けています。

関係者以外の立ち入りが制限されているのはもちろん、家族でも自由に入居者と面会できる施設は決して多くない状況です。

なかには、面会を完全に禁止しており、着替えなど必要な備品の受け渡しも指定スペースや玄関外で職員とやり取りするようなところもあります。

 

— 面会可能な場合にも制限 —

また、面会できる場所玄関ホールやロビーのみに制限している施設。

アクリル板を設置した室内で、アクリル板や窓越しに面会する施設、オンライン面会のみ認めているところなど、各施設によって状況は異なりますが、どこも対応に苦労していることには変わりありません。

 

— 状況に応じた対応が求められる —

感染経路を遮断するためには、こうした面会の制限を設けることはやむを得ないことです。

厚生労働省でもその方針で各施設に通知していましたが、10月から状況は若干変化をみせています。

国内でも感染状況は地域によって大きく異なるため、全国一律で面会を制限するのではなく、状況に応じて制限が緩和される方向です。

 

とはいえ、いまだ予断を許さない状況ですので、完全に自由に面会できるようになるわけではありません。

厚生労働省でも、面会対応を緩和する場合でも、下記の点に気を付けるよう、注意喚起を行っています。

 

・面会時間はなるべく最小限の時間に留める

・一日に面会できる回数を制限する

・面会に来た人は施設内のトイレを使わない

・面会は換気ができる部屋で行う

 

施設側もこれに応えて、来訪者には必ずマスクの着用と入場時の手指消毒を求めたり、施設内での大きな声での会話を控えてもらうなど、感染対策としての基本事項の徹底を呼びかけています。

そのほか、面会者は、過去2週間内に同居の家族を含め、発熱等の症状が無いことを条件に設定している施設も少なくありません。

 

対策の「捉え方」がポイント

対策

このように、各施設によって状況は異なりますが、入居や面会に何らかの制限を設けているところがほとんどです。

それは建物の構造上の問題や、感染対策にあたる人員や時間の確保が難しい、といった施設ごとの事情もあります。

 

— 状況に応じた対応が求められる —

今すぐにでも施設への入所が必要な高齢者を抱える家族にとって、このような対策が厳しすぎると感じる人もいるでしょう。

また、家族と自由に面会できない状況は、入居中の方の精神面や認知機能面での影響も否定できません。

 

実際、「認知症の人と家族の会」などによる施設入居者の家族に対する調査によると、自由に面会できなくなってから入居者の認知症が進んだとの回答が半数以上に上りました。

オンライン面会だけでは認知機能の低下を防ぐことは難しく、このまま自由に面会ができない状況が続けば、認知症が一気に悪化する可能性もあることが指摘されています。

 

— 大切なのは「どう捉えるか」 —

しかし、重症化リスクのある高齢者の感染対策という目線で見れば、厳重な制限や対策は「入居者の命を守るため」でもあります。

一方で、このような状況でも面会や見学を受け入れている施設は、それだけ切迫する家族のニーズに応えてくれる貴重な存在とも言えるでしょう。

 

ということは、事態の収束がまだしばらく見えそうにない状況において、施設が行う制限をどう捉えるかはご家族の考え方次第ということになるのではないでしょうか。

 

— コロナ禍での施設選び

いずれにせよ、今の状況ではどの施設においても方法は違えど、感染症対策は避けられないポイントです。

今後の施設選びにおいても、このポイントは外せないでしょう。

では、施設選びではどこをチェックすればよいのでしょうか。

それは先述した通り、施設が行う対策をご家族がどう捉えるかで変わります。

 

【すぐに施設に入居しなければいけない状況なのか】

すぐにでも入りたい:現在新規受け入れを行っている施設の中から条件に近い施設を探す

まだ待てる:コロナ対策以外のポイントをより優先させて施設を探す

 

【感染対策の方法は自分の考えに合っているか】

完全面会制限:感染リスクを最小限に抑えている施設が良い

一部面会可能:本人の精神面や認知症の進行が不安

 

— 入居前には必ず確認を! 

こうした制限の理解ができていない状態で施設に入居し、面会制限を理由に転居を希望する方は少なくありません。

再度の施設探しをすることになれば、時間や労力も割かれ、本人や家族の負担も大きくなります。

そうしたことを避けるためにも、施設探しをする場合には、

・施設が現在どんな対策を行っているか

・今後状況の変化に応じて、どんな対応を予定しているか

この2点については、必ず確認しておきましょう。

Youtube】でも解説しています↓

 

【おわりに】

世界中で新型コロナウイルスの猛威が続いている以上、社会全体で感染リスクを少しでも減らすための対策は必要です。特に老人ホームなどの高齢者施設の場合、いったん感染すると重症化するリスクが高い高齢者が多く集まる場所ですから、通常以上の徹底した対策が必要です。そのためにどこの施設でも、見学や新規入居、入居者の家族の面会さえ制限するなどして、少しでも利用者とそのご家族を努力しています。

現実に入居を受け入れていないところには入居できませんが、入居が可能な施設においては、多少不自由を感じるぐらいの感染症防止対策をしている施設でも、視点を変えれば入居者や職員の安全を確保するための対策と言えます。いずれにせよ、政府や自治体の動向も含め、今後の状況の変化に注意を払い続ける必要があります。