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介護認定結果の「不一致」を避けるコツ
介護が必要になった場合には、誰もが介護保険の「認定調査」を受けることになります。
この認定調査は介護サービスの必要度を示す「介護度」を判定するための重要なプロセスです。
しかし、認定結果が出てみたら「思ったような認定結果が出なかった」という経験をされる方がいらっしゃいます。
また、そもそも認定調査がどんなものか分からないため、不安に思うご家族の方もいます。
さらに、認定調査を嫌がる高齢者がいるのも事実です。
適正に、かつ安心していろいろな介護サービスを受けるためにも、認定調査について知っておくと良いでしょう。
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介護保険の「認定調査」とは
— 要介護認定とは —
介護保険は高齢になったら誰でも利用できるわけではありません。
保険適用となるには、心身の面で何らかの障害があり、介護が必要であると認められることが必要なのです。
そのために、「要介護度」というものが設けられています。
心身の状態に応じて要介護度は上下しますが、その認定を受けることで、初めて介護保険を利用してサービスを受けられるようになります。
— 全員が「認定調査」を受ける —
介護度を認定するために必要な調査が、「認定調査」と呼ばれるものです。
これは、住んでいる市区町村を通して要介護度認定を申し込むと、訪問調査員(認定調査員)が本人に会って行う調査のことです。
自治体によって対応状況は異なりますが、だいたい申請から1~2週間程度で日程を決めることができます。
申請と同時に日程を話し合って決めることもあれば、後日、調査日についての連絡が来ることもあります。
— 申請時に必要なもの —
介護認定を受けるためには、申請時に必要な書類や証書があります。
- 申請書
- 介護保険の被保険者証
- 健康保険の保険証 ※65歳以下の第2号被保険者の場合
介護保険の被保険者証については、65歳の誕生日の属する月の上旬に郵送されます。
また、40歳から64歳までの第2号被保険者の方には、要支援・要介護認定をした場合に発行されす。
もし紛失してしまったという場合は、すみやかに各市区町村などの役場で再発行の手続きをしましょう。
— 認定調査で何をする? —
認定調査は、自宅や入院中の病院などに調査員が来て、本人(または本人と家族)と直接面談を行います。
聞き取りの「調査票」というものが全国共通で用意されていますので、それを使って、現在の心身の状態を確認していきます。
そのため、基本的に調査で聞かれることは全国統一で、愛知県名古屋市でも同じものとなります。
— 結果が出るまでの流れ —
こうして認定調査結果に基づいて、コンピューターによる一時判定が実施されます。
その後、主治医が作成した「主治医意見書」の内容が加味され、介護認定審査会が最終決定をすることになります。
認定調査をしてから認定の結果が出るまでは、だいたい1か月程度とわれています。
その後、要介護度に応じて、必要な介護サービスを受けたり、老人ホームなどの介護施設に入居することになります。
認定を嫌がる高齢者は少なくない
このように、高齢者が介護保険を適用して介護サービスを受けるためには、認定調査をしてもらう必要があります。
ここでの調査結果が、介護が必要かどうかの判断材料となり、それに基づいて要介護度が決まるからです。
しかし、実際に要介護度認定の申請をして認定調査に来てもらう段になると、ご本人が調査を嫌がるケースがあります。
家族は要介護度認定をしてほしいと思っているのに、ご本人が拒否することは決して稀ではないのです。
— 本人が調査を嫌がる理由 —
いろいろな理由がありますが、
「自分はまだ介護が必要なほど年寄りではない」
「他人の世話にならなくても、まだ体も心も丈夫だ」
など、介護が必要な状態にある現実を受け止めきれない人や、家族以外が生活に介入することか煩わしいと感じている人が多いです。
また、認知症などによって、判断力が落ちていることもあります。
要介護度認定を受けて介護サービスを受けることに、負い目や恥ずかしさを覚える人が多いというのも事実で、こうした思いが認定調査をためらう理由となっていることが考えられます。
さらに、介護が必要なケースとして老人性のうつも挙げられますが、認知症同様に本人がその症状を自覚していないことは多いです。
心身の状態が弱っていることを証明されたくないという思いから、認定調査を嫌がってしまうのです。
ほかにも、介護サービスを受けることで費用がかかることへの不安から、経済的負担を抱えたくないと考えることもあります。
— 嫌がった時、どうする? —
もし高齢者の家族が認定を嫌がるようであれば、まずは本人の気持ちに向き合うことが大切です。
本人はどんな理由で嫌がっているのかを知るように努めて、その問題につながる心配を解消するように助けます。
たとえば、お金の問題があるようであれば、実際の料金を説明したり、家族が費用を補てんできる場合にはその旨も説明するなど、具体的な話をします。
高齢になったことを認めづらいというプライドが関係している場合には、感情的に説得するのではなく、本人の気持ちを受け止めながら家族の思いを丁寧に伝えることが大切です。
どうして介護サービスが必要なのか、心配するような問題が生じないのはなぜかなどを、時間をかけて説明しましょう。
正しく判定してもらうために
認定調査に来てもらったのに、思っていたような判定結果が出ないということもあり得ます。
認定調査員はプロですが、決まった質問書式に基づく質問がメインでですし、本人と会っている時間は短時間で、その中で分かる本人の様子は限定的です。
また、他人が居ることで本人がいつもよりしっかりしていることや、プライドによってできないことをできると言ってしまうことも多々あります。
— 普段の様子を知る人が立ち会いを —
できるだけ調査の時には、普段の様子を知る人が立ち会うとよいでしょう。
質問にスムーズに答えられるように、本人の普段の生活の様子や介護をしている状況についてまとめておくと良いです。
特に苦労していることや、以前とは違って本人の調子が悪くなっている点などを、調査員が理解しやすいように整理しておくと判定の助けとなります。
また、高齢者は心身のどちらにも体調の波が大きいものです。
調査の時には調子が良くても、他の時にはひどくなることもあるでしょう。
そのため、面談をする時には、見えない不調などもしっかりと伝えるように心がけます。
そして、何らかの障害が出ているのであれば、正直に現在の状況を伝えるようにしましょう。
もし本人への配慮から口頭での説明を避けたい場合には、予め普段の様子や困っていることをメモ等に記したものを、調査員に渡しましょう。
【おわりに】
「認定調査」は、介護保険を利用して、介護施設への入居やサービスを受けるために、欠かせないプロセスとなります。
そのため、心配しがちな高齢者ご本人が安心して受けられるように、準備をすることが大切です。
また、要介護度認定についての一連の手続きの流れを調べておき、調査の準備をしておくことで、適正な判定を受けられます。
心配せずに、安心して認定調査を受けましょう。
快適で安心できる生活を送るためにも、こうした介護についての制度を上手に活用しましょう。
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