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ケアまどニュース
食事の見守りに役立つ、誤嚥と窒息の基礎知識
誤嚥(ごえん)や窒息は「食事中のトラブル」としてひとまとめにされがちですが、実は起きていることも危険の種類も違います。違いを知っておくと、家族の食事見守りや外食の場面でも“ヒヤリ”を減らす手がかりになります。
誤嚥と窒息は「入る」か「塞がる」か
誤嚥は、本来なら食道へ行くはずの食べ物や飲み物、唾液が、誤って気管(呼吸の通り道)へ入ってしまうことです。よくあるサインは「むせ」「咳込み」。ただし、反射が弱いとむせずに起こる誤嚥(不顕性誤嚥)もあり、気づきにくい場合があります。誤嚥そのものはその場で落ち着いても、細菌が肺に入りやすくなり誤嚥性肺炎につながることがある点が注意ポイントです。
一方の窒息は、食べ物などでのどや気道がふさがれ、呼吸ができなくなる状態です。酸素が入らない時間が続くと短時間で重い状態になり得ます。高齢者では飲み込む力の低下などで起こりやすいことが知られています。
- 誤嚥=気道に「入ってしまう」問題(あとから肺炎のリスク)
- 窒息=気道が「塞がる」問題(いま命に関わるリスク)
この整理だけでも、食事中の見守り方が変わります。
「危なそう」を早めに察知するサイン
事故を減らすコツは、特別な知識よりも「いつもと違う」を拾うことです。例えば次のようなサインが出ていないか、気をつけて見てみましょう。
食べる前に気づけること
- ぼんやりしている、眠そう(集中できない)
- 口が乾いている/口の中がネバつく
- 声がガラガラしている、痰がからむ感じがある
食べている最中に気をつけたいこと
- むせる、咳き込む(典型サイン。ただし“むせない誤嚥”もある)
- 口の中にためる、飲み込まずに次を入れたがる
- 食べるスピードが急に変わる(急ぎ始める/止まる)
- 呼吸が荒いのに食べ続けようとする、話しながら食べる
食べ終わった後も見ておきたいこと
- 声が湿った感じになる、痰が増える
- 咳が続く、息苦しそう
- しばらくして微熱っぽい、元気がない(翌日以降も含む)
食事中のトラブルを減らす「5つの工夫」
ここからは、専門職でなくても実行しやすいものをお伝えしましょう。ポイントは「姿勢・量・ペース・食べ物の選び方」です。
- 姿勢を整える(いちばん効く)
背中を丸めたままだと飲み込みづらくなります。椅子なら、できるだけ深く座り、足が床につく高さに。ベッド上なら上体を起こし、首だけでなく体ごと安定させます。 - ひと口を小さくする
トラブルの多くは「量が多い」が引き金です。ひと口を小さくし、飲み込んだのを確認してから次へ。急がないだけで安全性が上がります。 - “飲み込む時間”を先に確保する
食べ物を口に入れてすぐ次を勧めない。数秒待つ、会話を挟まない、テレビに気を取られすぎない。食べる側が呼吸を整える時間が大事です。 - 詰まりやすい食べ物は形を変える/避ける
窒息は「のどに貼りつく」「かたまりやすい」「ばらけてまとまりにくい」ものが要注意。餅などは窒息事故が問題になりやすい食品として繰り返し注意喚起があります。
乾いたパンは飲み物と組み合わせる、パサつくものは汁気を足す、無理に急いで食べないなど、“形と食べ方”の調整が効果的です。 - 食後すぐ横にならない
食後すぐに横になると、逆流やのどの残りが原因であとからむせることがあります。少し座って落ち着く時間を取ると安心です。
※誤嚥したものが気道をふさいで窒息につながる場合もあるため、「むせたけど大丈夫そう」で終わらせず、落ち着くまで様子を見るのが安全です。
まとめ
誤嚥は「食物などが気道へ入る」ことで肺炎につながり得る問題、窒息は「気道が塞がり呼吸ができない」生命の危機です。姿勢を整え、ひと口を小さく、飲み込む時間を確保し、詰まりやすい食品は形や食べ方を工夫するだけでも“ヒヤリ”は減らせます。
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