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2026/02/04
コラム

老人ホームで耳にする「傾聴」—高齢者ケアで注目される理由

老人ホームで耳にする「傾聴」—高齢者ケアで注目される理由

高齢者の「話し相手」が不足しがちな今、傾聴は“心の支え”になり得る関わり方です。評価や助言を急がず、相手の気持ちに寄り添って聴くことが、安心感や自己肯定感につながります。

高齢者にとっての「傾聴」とは

傾聴とは、ただ耳で「聞く」のではなく、の言葉の背景にある気持ちまで理解しようとする“積極的な聴き方”です。厚生労働省の解説では、カール・ロジャーズが示した「共感的理解」「無条件の肯定的関心」「自己一致」の3要素が、聴く側の基本として整理されています。相手の立場に立って共感し、善悪や好き嫌いで評価せず分からない点は確かめながら誠実に向き合う——この姿勢が「安心して話せる場」をつくります。

高齢者との関わりでは、この“安心して話せる場”の価値が特に大きくなります。加齢に伴い、退職・配偶者との死別・友人関係の変化などで会話量が減りやすく、「じっくり話を聴いてもらう機会」が少なくなることがあるためです。傾聴は、話の内容を正すことよりも、「話したい」「分かってほしい」という思いを受け止めることに重心があります。

また、傾聴の場では“沈黙”も大切な時間です。言葉を探している間に急いで埋めない、話が途切れても表情やうなずきで「待っている」ことを示す。そうした関わりが、相手のペースを守り、語る力を引き出します。結果として、気持ちの整理や「自分の存在を認められた」という感覚につながりやすいとされています。

傾聴ボランティアとは

傾聴ボランティアとは相手の話を丁寧に“聴く”ことを通じて心の負担を軽くし、気持ちの整理を支えるボランティア活動です。特別な医療・介護行為をするのではなく、対話を中心に関係性を築く点が特徴です。

活動の場はさまざまで、施設を訪問する形もあれば、個人宅への訪問、地域のサロンや集いの場での同席、電話・オンラインの傾聴などもあります。頻度も単発から月1回、週1回など幅広く、団体の方針や受け入れ先によって異なります。話題は決められていないことが多く、家族のこと、昔の仕事、趣味、体の不安、さびしさや愚痴など、本人が「今話したいこと」が中心になります。

傾聴ボランティアの対象は高齢者が多いとされ、特に一人暮らしで日常的に“じっくり聴いてくれる相手”が少ない方が想定されやすい、という説明もあります。一方で、子育て中の方や障害のある方など、孤独感を抱えやすい人に向けた傾聴活動もあり、「話す機会が少ない方」を広く支える取り組みとして紹介されています。

大切なのは、傾聴が「相手の問題を解決する」ことを目的にしすぎない点です。聴き手が“正解”を示すより、相手が自分の経験や感情を言葉にできるよう支える。その結果として、心が軽くなったり、自分の気持ちに整理がついたりする効果が挙げられています。

施設選びで見ておきたい「傾聴が根づく環境」

「傾聴」を掲げていても、実際にそれが日常の関わりとして根づいているかは環境次第です。ポイントは、入居者が話したいときに話せる“余白”があるかどうか。例えば、職員が会話の時間を確保しやすい体制か、生活歴や好みを共有する取り組みがあるか家族との情報連携が丁寧か、といった点は、傾聴的なケアの土台になります。

見学時には、職員が入居者にどう声をかけているか(急かさない、遮らない、否定しない)、入居者の表情や場の雰囲気会話が生まれる居場所(談話スペースや小規模な集まり)の有無も参考になります。傾聴は「技術」だけでなく「文化」として現れるため、言葉よりも日常のやりとりに表れやすい点が特徴です。

まとめ

傾聴は、評価や助言より「共感して聴く」姿勢を大切にする関わり方です。高齢者の孤立を和らげ、気持ちの整理や安心感につながります。傾聴ボランティアは訪問・施設・電話など形が多様で、講座受講や団体参加で無理なく始められます。