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ケアまどニュース
コロナ・インフル同時流行への備え
2020年の冬は「特別な冬」になると、メディアでよく報道されています。
その理由として、いまだに収束の見えない新型コロナウィルスが関係しています。
冬場はインフルエンザも例年流行しているので、最悪の場合はインフルエンザと新型コロナが同時流行することも十分想定できます。
老人ホームをはじめとした高齢者が集まる場所では、どのような対策を講じればいいのでしょうか?
特に重症化しやすい高齢者は、本格的な冬が到来する前に、同時流行への備えをしっかりしておきましょう。
1.症状を感じたらまずは電話相談を
厚生労働省では2020年9月、今後流行すると見込まれる「インフルエンザ」による発熱患者の受診ルートの見直しを発表しました。
新型コロナとインフルエンザは似たような症状を呈するため、いきなり医療機関を受診すると、そこが新型コロナウィルスのクラスターになる恐れがあります。
このため、発熱などの症状が出た場合、老人ホームの介護施設はかかりつけ医をはじめとした、身近な医療機関に電話をしましょう。
医療機関は受診可能であれば来院するように指示します。
しかし、中には対応ができない場合もあるでしょう。
その時には対応可能な別の医療機関を紹介してもらいましょう。
厚生労働省では愛知県や名古屋市をはじめとして、日本全国の自治体に通知を送付しました。
10月中をめどに電話相談の受付のできる態勢を整えるように要請しています。
高齢者の中には、もともとかかりつけ医を持っていないというケースもあります。
かかりつけ医がいない場合には、各自治体が設置した「受信・相談センター」に問い合わせましょう。
(帰国者・接触者相談センターと呼ばれていた新型コロナ向けの受付窓口)
このような相談窓口を整備するほかにも、自治体や地域の医療機関でも電話受付に対応できるような仕組みを作るように要請しています。
電話を受けた場合、どこの医療機関を受診すべきかスムーズに案内できるような情報共有の徹底などが求められるでしょう。
【愛知県の対応】
名古屋市:各区の保健センター
名古屋市以外:受診・相談センターに指定された保健所
2.検査までの流れと体制
もしインフル、もしくはコロナが疑われるような患者が老人ホームなどの介護施設で発生した場合はどうするのか。
まずは: 電話相談
施設の提携医療機関に電話連絡をし、受診の可否の確認や、受診可能な医療機関の紹介を受けます。
かかりつけ医が判断できない場合や、土日や夜間や、休診日で電話がつながらない場合も十分想定できます。
その場合には保健所が設置している「受診・保健センター」へ連絡しましょう。
次に: ウィルス検査
インフルエンザや新型コロナに感染していないか、検査を行います。
ちなみに新型コロナの検査については、全額公費で賄われます。
そこで10月中には検査体制を整備するように、愛知県や名古屋市をはじめとした全国に通知されています。
インフルエンザはワクチンで予防
インフルエンザ対策として有効な方法の一つとして、ワクチン接種があります。
2020年度のインフルエンザワクチンの接種は10月1日からになります。
例年11月上旬頃からインフルエンザが流行し始めると言われています。
ワクチンを接種してもすぐに効果が現れるわけではありません。
ワクチンの効果が出るまで2週間以上はかかります。
そう考えると、介護施設や老人ホームの関係者は入所者や利用者に対して、早めのインフルエンザワクチン接種をするように対策を講じましょう。
施設内で予防接種が可能な施設
介護施設の中でも特別養護老人ホームや老人保健施設のようなところは、嘱託医や常勤医師が配置されているでしょう。
医師が介護施設にいる施設では、施設内の予防接種実施が可能です。
施設内で予防接種ができない施設
配置がない介護事業所の場合、指定医療機関に通院して、ワクチン接種をしなければなりません。
もし通院する手段がない、または近くに通院可能な医療機関がないようであれば、自治体に相談してみましょう。
実情に合わせた問題解決策を提案してくれるかもしれません。
インフルエンワクチンの持続期間
予防接種の効果が持続するのは3~5カ月というのが相場です。
インフルエンザの流行は例年3月ごろまで続きます。
このため10月に摂取しても、人によっては流行機関中に効果が薄まってしまう恐れもあります。
その場合には1月ごろにもう再度インフルのワクチンを接種しなければならない場合も考えられます。
インフルエンザワクチンの接種費用
接種料金ですが、多少の価格幅があるものの3000~4000円が相場といったところです。
また、各自治体の取り決めにより、助成制度が利用できるかもしれません。
助成制度については、市町村で対応が異なりますので、お住まいの自治体へ問い合わせてみるといいでしょう。
【愛知県の対応】
下記に該当する方は、接種が「無料」です
(1)65歳以上の者
(2)60歳以上65歳未満の者で心臓、腎臓、若しくは呼吸器の機能又はヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害を有する者
3.医療機関における感染
新型コロナやインフルエンザが流行した場合、多くの患者が受診しに訪れる可能性は高いです。
その場合注意しなければならないのが、医療機関における感染リスクです。
実際新型コロナの場合、医療機関でのクラスターの事例がいくつも存在します。
医療機関で感染が起こらないように、いろいろな対策を講じる必要が出てきます。
対策①: 来院時にはマスク着用
まずはマスク着用の徹底です。
インフルエンザや新型コロナの感染経路を見てみると、飛沫感染です。
マスクを着用することで、飛沫を飛ばしにくくできます。
医療関係者はもちろんのこと、患者もマスク着用の徹底を求めましょう。
対策②: 消毒と清掃の徹底
そのほかには徹底した消毒と清掃も求められます。
インフルエンザや新型コロナウイルスが手に付着していると、手を通じて体内に入り込み感染してしまいます。
医療機関で高齢者に接する場合、介助のため体に触れる機会が多いものです。
ウィルスに感染しない、そして、感染させないために、徹底的な清掃と消毒が求められます。
使い捨ての手袋を装着して患者に接する、また手洗いや消毒をこまめに行うことも大事です。
対策③: 医療機関の連携
愛知県や名古屋市には感染症指定医療機関や地域ごとに基幹病院があるでしょう。
もし新型コロナの疑い患者の診察や検査のできる医療機関が十分増加した場合、新型コロナの患者の治療に専念するなどの役割分担が必要となります。
高齢者や基礎疾患を持った、感染すると重症化しやすい患者と、そうでない患者のすみわけも必要かもしれません。
このような医療機関は新型コロナ患者のために機能不全に陥ると、ほかの患者にも深刻な影響が出るからです。
このように医療機関同士の連携をとりながら対策していくことも求められるでしょう。
おわりに…
新型コロナとインフルエンザの両方が同時流行すると、高齢者は危険にさらされます。
いずれも感染すると若い人と比較して重症化しやすいです。
その結果、命にかかわるような深刻な状態になる可能性も高いでしょう。
実際、新型コロナの死亡率は年齢が高くなるほど上昇する傾向があります。
新型コロナの場合、急に症状が悪化する場合もあります。
まずは電話連絡して、診療できる医療機関の紹介を受け、速やかに診察を受けましょう。
このような流れを把握して、利用者に何か問題が起きた場合、すぐに動けるように準備しておきましょう。
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