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高齢者は「インフルワクチン」早期接種を!コロナとの同時流行
新型コロナウイルスの感染が問題となる中、今年は冬にむけてインフルエンザの流行にも備えなければなりません。
これからの流行期に備えて、インフルエンザにおける高齢者ならではの怖さをきちんと理解して、具体的な対策を取る必要があります。
こうしたリスクを真剣に考慮すべき理由や、どんな対策があるのかを確認して、この難しい期間を乗り越えられるようにしたいものです。
1.高齢者がインフルエンザに罹患する「怖さ」
2020年は新型コロナウイルスが発生したことから、感染症と言えばコロナのことばかりフォーカスが当てられがちです。
しかし、感染症はコロナウィルスだけではありませんし、コロナ以外の感染症で命を失う人も少なくありません。
様々な感染症が存在しますが、特に冬の時期においては「インフルエンザ」が大きな脅威となります。
インフルエンザは感染力が強いため、特に子どもや高齢者などの免疫が弱い人たちに問題を引き起こします。
インフルエンザの症状
高熱や咳が主な症状ですが、高齢者にとって最も恐ろしいものが「肺炎」です。
インフルエンザそのもので肺炎をもたらすこともありますが、病気にかかることによって免疫が著しく低下して、細菌に感染しやすくなることで肺炎を発症するケースが多く見られます。
普段の状況であれば防御できるはずの細菌に対抗できなくなってしまい、重い肺炎へと進行してしまうのです。
インフルエンザによる死亡数
日本において、肺炎等の症状に至りインフルエンザが原因で亡くなる高齢者は、毎年数百人~千人を超えると言われています。
統計上はガンによる死亡とされている人も、インフルエンザへの罹患がきっかけとなって亡くなっているケースもあります。
というのも、ガン患者がインフルエンザにかかり亡くなった場合、「ガンによる死亡」と報告されてしまうからです。
そのため、インフルエンザによる実際の死亡者数というのは統計よりも多いと推察されます。
インフルエンザの感染経路
このように、インフルエンザは、高齢者にとって大きなリスクとなるものです。
その感染経路としては、主に人から人にという状況が多く見られます。
くしゃみや咳などによって感染者の飛沫が飛んで感染する「飛沫感染」が考えられます。
同時に、直接身体に触れることはもちろん、感染者が触ったドアノブなど、物を共有したことでウイルスに感染する「接触感染」もあります。
こうした感染は、多くの人が行き来する場所や、家の中のような濃厚な接触が生じやすい場所で起こります。
そのため、老人ホームなどの介護施設は、内部にインフルエンザウイルスが入ると、多くの人に連鎖的に感染する危険性があるのです。
2.2020年冬は「コロナ」と「インフル」が同時流行
ここまで見てきたように、インフルエンザというのは、毎年多くの感染が見られる病気の1つです。
しかし、2020年の冬はこれに加えて、新型コロナウイルスの脅威も存在します。
新型コロナウイルスも、インフルエンザとほぼ同じように、接触感染や飛沫感染によって広がっていきます。
そのため、老人ホームなどの介護施設では、「クラスター」と言われる同一地点での集団感染が生じやすい場合があるので注意が必要なのです。
実際に、愛知県名古屋市でも介護施設の中でクラスターが発生した事例もあり、その恐ろしさを見せつけられました。
新型コロナも冬の方が活発?
新型コロナウィルスは、感染者の増加と収まりを周期的に繰り返しています。
特に、冬にかけては流行するのではないかという声が多く聞かれています。
流行の要因として考えられているのは、
・気温が下がり人間の免疫力が低下する
・寒さにより換気の回数が減る
・湿度が下がり空気が乾燥する
複数の感染症の同時流行による困難
こうしたリスクは医療関係者にも難しい課題となります。
というのも、例年、風邪にかかる人が増えるため、発熱症状による受診者数が冬季に増えるからです。
「風邪」「インフルエンザ」「新型コロナウイルス」というのは、症状が非常に似通っていることが大きな問題です。
熱や咳、下痢といった症状だけで区別を付けることが困難なため、インフルエンザと新型コロナウイルスの両方の検査をしないといけなくなります。
こうした手間とリスクは、医療関係者への大きな負担となります。
また、病院に似たような症状を持つ人が多く集まるので、病院内の感染リスクも上昇します。
感染症対策は共通
こうした状況が見られるため、高齢者やその家族は、いつも以上に感染症への対策が必須となります。
特に、介護施設を利用している方であれば、本人だけでなく、同じ施設を利用している人を感染させてしまうリスクもはらんでいます。
そのためにも、マスクの着用や手洗いや消毒の徹底、ソーシャルディスタンスを取るといった対策を続けていくことが肝心です。
上記でも見たように、「インフルエンザ」も「新型コロナウイルス」も、同じようなルートで感染することが分かっていますので、しっかりと対策を講じることで両方の感染症対策になるのです。
3.国も警鐘!「高齢者は早期予防接種」を
このような冬季における新型コロナウイルスとインフルエンザの両方の流行は、現実的な脅威となっています。
そのため、国としても気を緩めることなく、どちらにも注意して感染を防ぐための努力を行うよう警鐘を鳴らしています。
個人として対策をするよう促すと同時に、国としての対策も打ち出しています。
対策①:ワクチン数を余裕を多めに準備
その一つが、早期のインフルエンザ予防接種です。
インフルエンザはすでに有効なワクチンが存在しており、全国の病院やクリニックで予防接種ができます。
病院に行くことで新型コロナウイルスを拾ってしまうのではないかという不安があるのは事実ですが、インフルエンザ感染を防止するために予防接種をすることは非常に重要です。
国としてはできるだけたくさんの人に受けてもらいたいと考えていて、2020年は実に約6,350万人分ものワクチンが準備されています。
対策②:高齢者は優 先して接種可能
そこで、高齢者には他の人よりも早期に予防接種が受けられる制度を設けています。
具体的には、10月1日から接種開始されます。
これは全国的に行われるもので、愛知県名古屋市でも同様で、65歳以上の高齢者が優先的にワクチンを打てます。
その後は、医療従事者や基礎疾患がある人などに対して予防接種がなされていきます。
対策③:愛知県では高齢者の予防接種が無料
9月11日、愛知県では高齢者を対象にインフルエンザの予防接種が無償化されることが発表されました。
【対象者】
・県内に住む65歳以上の高齢者
・60歳以上、65歳未満の心臓や肝臓などに疾患をもつ患者
【 おわりに… 】
コロナとインフルエンザというダブルリスクがある2020年は、できるだけこのリスクを減らすために、予防接種がとても大事です。特に感染による重症化のリスクが高い高齢者は、積極的に接種をすべきだと言えます。10月1日から優先的に高齢者は受けられることになっているので、できるだけ早いうちにかかりつけ医と相談するなどして、予防接種の予定をたてましょう。
また、介護施設を利用している場合、その施設で感染症対策が施されているかを確認することは大事です。また、これから施設を探す方は、施設選びを慎重に行うと同時に、自分たちが施設内に感染症を持ち込まないよう気を付けましょう。こうして、今までにない厳しい状況となる2020年を無事に越せるようにしたいものです。
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