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2020/10/04
コラム

「コロナ」と向き合う高齢者施設の今後

新型コロナウイルスの完全な終息がいつになるか予測が付かない今、介護施設においても感染症対策というのは欠かせないポイントとなっています。

というのも、新型コロナウイルスに感染すると、より重症化しやすい高齢者が集まっているのが「老人ホーム」や「介護事業所」だからです。

こうした施設において、施設にウイルスを持ち込まないこと、感染が疑われた場合の検査のスピードというのは、クラスターにならないために大変重要な課題です。

そこで、現実問題として介護施設において、新型コロナウイルスの影響がどのくらいあるのか、どんな課題と対策が見られるのかをチェックすることが必要です。

それにより、入居する老人ホームを選ぶ際の考慮するポイントとできるからです。

 

1.8月時点で60件以上のクラスターが高齢者施設にて発生

高齢者施設

新型コロナウイルスの感染は、すべての場所で起こるリスクをはらんでいます。

特に、一つの施設や状況において複数の感染者が出るクラスター」が発生すると、大きな問題を引き起こすことになります。

残念ながらクラスターは介護施設においても発生しています。

8月上旬までに60件以上の大小様々なクラスターが確認されています。

これには愛知県名古屋市の施設も含まれています。

 

介護施設」においては、スタッフの努力や、入居者や親族の理解や協力により、感染症防止対策を行っています。

しかし、それでもウィルスの感染はどの施設でも起こりうる可能性があります。

やはり、福祉施設では利用者やそのご家族、スタッフなど、出入りする人の数が多いため、どうしてもリスクが高くなってしまうのです。

利用者の家族が感染して、それが施設に持ち込まれてしまう可能性もありますし、スタッフの親族や接触者を通じて施設にウィルスが侵入することもあります。

また、要介護者の多くは何らかの病気を抱えているため、病院での診察が必要となります。

クリニックや病院など、医療機関で感染者と接触するリスクも十分ありえます。

 

病院と同様に、老人ホームで発生したクラスターは、一度広がると対策が非常に難しいものとなります。

利用者の多くは疾患を抱えていたり体力や機能が低下していますので、それだけ症状が重篤化するリスクが高くなるからです。

 

2.施設入所前の検査も視野に「幅広い検査」を

PCR検査

こうしたリスクを少しでも減らすためには、多角的な対策を講じる必要があります。

もちろん、すでにほとんどの介護施設で可能な対策はできる限り実施されています。

たとえば、施設への訪問や立ち入りを大幅に制限するというものです。

・新規入所者の受け入れ制限
・入所者の外出制限
・入所者の家族の出入り制限
・提携業者の出入りの最小限化

このように、実質的に施設を利用する要介護者と、そこで働くスタッフ以外は原則立ち入りができないようにしているのです。

 

さらには、施設内での消毒の徹底なども行っていますし、利用者同士の接触を最小限にする配慮もなされています。

多くの施設では、できるだけ人が集まらないよう、日常的な運動やレクリエーションなども、ソーシャルディスタンスを保ち、同じ器具の使い回しが生じないような内容に切り替えたり、施設全体で行っていた行事は中止や縮小、オンライン化するなど、工夫されています。

 

それに加えて、物理的な施設内の対策もなされています。

職員が常駐するスペースの前のカーテンやアクリル板の設置や、フロアごとにカーテンなどでエリア分けをするなどして、感染防止策を徹底しているのです。

 

こうした対策は非常に重要ですが、やはり完全に新型コロナウイルスの侵入を防げる訳ではありません。

そこで、行政が関係するさらに徹底した対策が求められています。

その一つが、介護施設の利用者やスタッフに対する検査です。

当然、感染者が発生した施設については、すぐに職員や利用者への検査が実施されています。

 

さらに今後は、定期的に職員への検査を行うことによって、クラスターが発生するリスクを下げることが可能となります。

また、新規入所者についても、施設入所前の検査を必須とし、施設内にウイルスを持ち込むことを徹底的に避ける取り組みをすることも求められています。

もちろん、デイサービスなど、施設の出入りが激しい利用者については検査の徹底は難しいのが実情です。

しかし、少なくとも長期入所者については、事前検査することでリスクを大きく避けられます。

 

3.コロナに対する今後の取り組みとは?

手の消毒

新型コロナウイルスに対するワクチン開発が進んでいて、すでに実用化されつつある国もあります。

日本においても、2021年には多くの人にワクチン接種をしたいのが政府の意向です。

しかし、少なくともある程度の期間はワクチンがなく、とにかく感染防止策を徹底するしかないという状況が続きます。

 

そのためにも、今後の取り組みとしてなすべきことがたくさんあります。

行政機関としては、今後さらに介護施設で働く職員に向けた研修や情報提供を行うとしています。

どんなところに感染リスクが潜んでいるのか、そしてどのようにそのリスクを下げられるかを最新情報を基に指導していくことになります。

 

同時に、検査体制の充実というのも、政府そして自治体が積極的に取り組んでいく策の一つとなっています。

政府としては、介護施設の入所者や職員全員に対する一斉検査を行う計画を立てています。

同時に、老人ホームに入所していなくても、高齢者が希望すれば症状のあるなしに関わらず検査を受けられるようにしていきます。

自治体がこうした検査体制を整えていくに当たって、政府も支援を行い徹底した検査を行える環境を作っていくこととなっているのです。

 

こうした対策の背景には、重症化しやすい層への重点的なケアという考えがあります。

すでに新型コロナウイルスによる経済的な影響は甚大で、これ以上経済活動を停滞させることはできないという思惑が存在しています。

そこで、通常の社会経済活動は、できる限り通常の状態に戻しつつも、重症リスクの高い高齢者や疾患を持つ人に対しては、検査や医療体制の充実などを図ろうとしているのです。

こうすることで、重症者と死亡者の上昇を抑えて、新型コロナウイルスが大きな脅威とならないようにしたいと考えているわけです。

 

介護施設におけるPCRなどの一斉検査が実施されれば、クラスターを防ぐ手立てとなるだけでなく、利用者やそのご家族への安心にもつながります。

多くの高齢者にとって、感染症そのものも大変なことですが、病気への恐怖や心配は大きな負担となっています。

しかし、検査によって安心感を得ることができれば、多少なりとも精神的な負担を減らすことにつながります。

 

【おわりに…】

新型コロナウイルスが社会全体に広がっている中、重症化する危険性が高い高齢者へのより徹底した対策というのは欠かせないものとなっています。

そこで、これから介護施設のスタッフや入所者全員に対する検査を実施する取り組みは、一つの打開策となりえます。

家族としても安心して要介護者を施設にお任せできる安心材料となります。

同時に、感染症防止の意識が高く、実際に徹底した対策を採っている介護施設を探すようにしたいものです。

完全にこの状況が終わるまでにはまだ時間がかかりそうなので、政府や自治体、そしてそれぞれの事業所が行う対策に注意を払い、安全な介護ができるようにしましょう。