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2026/01/11
コラム

【入院性認知症】入院で認知症が進む?原因と予防策

【入院性認知症】入院で認知症が進む?原因と予防策

高齢者が入院した際に、「急に物忘れがひどくなった」「混乱するようになった」と感じる家族は少なくありません。こうした変化は、いわゆる“入院関連認知症”や入院中に起こりやすい認知機能低下が関係している場合があります。入院がきっかけで起こる変化の理由と、予防のためにできることを整理します。

入院で認知症が進んだように見える理由

入院をきっかけに認知症が進行したように見える背景には、環境の急激な変化があります。自宅とはまったく異なる病室、慣れない音や光、決まったスケジュールでの生活は、高齢者にとって大きなストレスになります。

特に注意したいのが「せん妄」です。せん妄は、意識の混乱注意力低下などが一時的に現れる状態で、入院中の高齢者に起こりやすいとされています。感染症、脱水、痛み、睡眠不足、薬の影響などが重なることで発症しやすく、認知症が急激に悪化したように見えることがあります。

また、入院中は身体を動かす機会の減少や、他者とのコミュニケーションや外部刺激が減ることも、認知機能低下の一因です。こうした変化は、必ずしも認知症そのものの進行とは限らず、入院環境による一時的な影響である場合も少なくありません。

入院関連認知症・せん妄のリスク要因

入院中に認知機能が低下したり、混乱が強く出たりする背景には、いくつかのリスク要因があります。複数の要素が重なると症状が現れやすくなるのです。

本人の状態に関する要因

  • 物忘れや軽度の認知症状が入院前からある

  • 高齢で環境変化への適応力が低下している

入院環境による影響

  • 病室内の環境生活リズムが自宅と大きく異なる

  • 夜間の見回りや検査で睡眠が分断されやすい

  • 会話や刺激が減り、昼夜の区別がつきにくくなった

身体的・医療的な要因

  • 感染症、脱水、痛み、栄養不足など身体の不調が重なっている

  • 複数の薬の影響や、睡眠薬・鎮痛薬が効きすぎている

  • 体を動かす機会が減ることによる心身機能の低下がみられる

これらが重なることでせん妄が起こり、「認知症が急に進んだ」ように見える状態になることがあります。

入院中・退院後にできる予防

入院関連認知症やせん妄は、事前の配慮や早めの対応で予防・軽減できる場合があります。

入院中に意識したいポイント

  • 日中はカーテンを開けるようにし、夜は部屋を暗くして生活リズムを整える

  • 可能な範囲で体を動かし、日中の覚醒時間を確保する

  • 時計やカレンダーを置き、時間や日付が分かる環境を整える

家族ができるサポート

  • 面会時に「今日は何日か」「なぜ入院しているか」など今の状況を穏やかに伝える

  • 眼鏡や補聴器、写真など安心できる物を持参する

  • 混乱や不安が強い場合は、早めに医師・看護師へ相談する

退院後の注意点

  • 退院後もしばらくは物忘れや生活リズムの乱れに注意する

  • 変化が続く場合は外来受診や専門職へ相談する

  • 必要に応じて介護サービスや地域支援につなげる

不必要な薬の処方や過剰なサービス提供が行われないよう、出ている症状に対して適切な対応をするためには、「入院で認知症が進んだ」と決めつけず、一時的な影響の可能性を考えながら見守る姿勢が大切です。

まとめ

入院をきっかけに認知症が進んだように見える背景には、せん妄や環境変化による一時的な影響が関係していることがあります。予防には、生活リズムの維持や安心できる関わりが重要です。変化を感じたら早めに医療者へ相談し、入院中も退院後も丁寧に見守っていきましょう。