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2026/01/26
コラム

認知症と間違えられやすい病気と状態― 正しく見極めるために

認知症と間違えられやすい病気と状態― 正しく見極めるために

高齢になると、もの忘れや混乱が見られて「もしかして認知症?」と心配になることがあります。でも、よく似た症状を起こす別の病気や、見えづらさ・聞こえづらさが原因のこともあります。早い段階で気づくことが、その後の生活を大きく変えることも。本記事では、認知症と間違えやすい状態について、詳しくご紹介します。

気持ちの落ち込みや体調の変化で起こる“認知症のような症状”

うつ病の場合
高齢者のうつ病では、「気分が沈む」だけでなく、

  • やる気が出ない
  • 集中できない
  • 記憶があいまいになる

といった症状が出ることがあり、認知症とよく似ています
本人は「覚えられない」「自分がおかしい」と感じて不安を抱えやすいのも特徴です。ただ、

  • 記憶障害など自身の症状に対して自覚がある
  • 比較的短期間で様々な症状が出る(認知症は数カ月から数年単位で徐々に進行する)
  • 自分のせいで周りに迷惑をかけているという自責の念がある
    という点等で、認知症とは異なります
    「最近元気がない」「笑顔が減った」と感じたら、心の不調が隠れている可能性もあります

せん妄の場合
入院や感染症、強い疲れ、脱水、薬の影響などで、急に意識が混乱することがあります。せん妄は急激に発症し、一過性であることが特徴です。

  • 症状が急激に出現し、発症時期が特定可能
  • 意識障害がある
  • 日内変動がある 
    こんな様子が見られると、認知症が急に進んだように感じますが、原因を取り除くことで改善することが多い状態です。
    「急におかしくなった」と感じたら、まず体の調子を疑ってみてください。

歩き方の変化ともの忘れが同時に出る“正常圧水頭症”

正常圧水頭症という病気は、脳の中にある液体がうまく流れずにたまってしまい、脳が圧迫されることで起こります。
高齢の方に多く「治療可能な認知症」と呼ばれ、次のような変化が見られます。

  • 歩き方がゆっくり・小刻みになる
  • もの忘れが目立つ
  • トイレが間に合わないことが増える

この症状が認知症ととても似ているため、間違えられやすいのです。

ただ、正常圧水頭症は 適切な検査と治療で症状が良くなることがある病気です。
そのため、認知症だと思い込んでしまうと、せっかくの改善のチャンスを逃してしまうことにつながります。

「歩き方が変わった」「なんだか踏ん張りがきかない」という変化が、実は大きなヒントになることがあります。

“見えにくい・聞こえにくい”が認知症のように見えることも

高齢になると、視力や聴力が少しずつ低下していきます。
この変化が、思わぬところで認知症と間違われる原因になります。

聞こえにくさの影響

  • 呼びかけに反応しない
  • 話を誤解してしまう
  • 会話がかみ合いにくくなる

これらは「理解できていない」「記憶があいまい」と見えてしまいますが、ただ単に声が届いていないだけということも。
補聴器や環境調整でコミュニケーションがスムーズになることも多いです。

見えにくさの影響

  • 人や物がわかりにくい
  • 周囲の様子が見えづらいため見当識障害と似たような状態になる
  • 表情が読み取りにくくなる

こうした変化が誤解を生み、「認知度が落ちたのでは?」と思われてしまうことがあります。
メガネの調整だけで、普段の動きが安定する方もいらっしゃいます。

視力・聴力の低下はゆっくり進むため、本人も家族も気づきにくいです。
「会話がうまくいかない」「ぼんやりして見える」という状況は、どちらの原因でも起こるため、丁寧に見極めることが大切です。

まとめ

認知症に似た症状は、うつ病やせん妄、正常圧水頭症のほか、視力や聴力の低下から起こることもあります。これらは治療や改善の可能性があるため、認知症と決めつける前に、体調や環境の変化にも目を向けることが大切です。気になるサインがあれば、早めに専門の医療機関へ相談してみましょう。