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2020/09/28
コラム

「がん」を患っている方の施設探し

日本人の3人に1人が、がんが原因で亡くなっていると言われるほど、がんと診断される人が多くなっています。

「がん患者」は治療や医療的な管理が求められることが多く、ケアの必要性が高い方も多くいます。

もし、がんを患っている人が老人ホームに入居したいとなった場合には、どんな選択肢があるのでしょうか。

 

1.多くの日本人が「がん」で亡くなっている

 

がん検診

 

世界トップの長寿国である日本は、医療水準の高さや、健康診断の普及により、他国に比べて病気の治療の質が高いといわれています。

そのため、重い病気にかかってしまったとしても、適切な診療を行うことで命を守れるケースが多いという恵まれた状況にあります。

こうした状況の中で、日本人の死因のトップとなっているのが「がん」です。

 

がん」は発症自体を防ぐことが難しいですし、その治療や病状のコントロールが難しいケースも多々あります。

そのため、日本においてはがんで亡くなる人の割合が多くなっているのです。

このデータは、決して日本人ががんにかかりやすいということを示しているわけではありません。

日本の医療水準が高いため、「がん以外の病気」で亡くなる人が少ないため、難しい病気である、がんの割合が相対的に増えてしまっているということです。

 

高齢により介護が必要となる人の中にも、当然ながら「がん患者」の方は多くいます。

老人ホームなどの介護施設では、生活面の様々なケアを受けることが可能です。

しかし、それはあくまでもそれは介護という範囲に限ったものです。

がん患者のケアには、介護に加えて「医療」という面からのケアも必要です。

こうしたことから、「がん患者の要介護者」には、通常の介護施設におけるサービス以外の医療的ケアが受けられる体制を整えることが大切です。

 

2.がん症状の出方は「個人差」が大きい

 

がん症状の個人差

 

 がん症状自体の個人差 

がんを患う高齢者や要介護者は、医療面でのサポートも大切になってきます。

しかし、必要なケアの量や、サポートの方法は、がんの部位や症状の出方によって大きく異なるのです

また、個人差が大きいため、同じ個所に同じ程度のがんが進行していたとしても、痛みや機能障害の程度はかなり違うことも珍しくありません。

こうしたことから、ケアの内容を充分に検討して、1人1人にあった適切な医療管理を施していくことが重要になってきます。

 

 要介護状態による違い 

また、身体機能の自立度によっても必要なケアの内容が変わってきます。

足腰がしっかりしていて、自力で移動ができる方と、寝たきりの人とでは、提供すべき介護の方法や必要な設備が異なるからです。

また、認知症状があるかどうかという点も、考慮すべきポイントとなります。

がん治療がもたらす精神的な負担についての評価をしないといけないからです。

 

 がん治療の方針 

がん治療をどの程度まで行うかということも、介護状況と合わせて考える必要が出てきます。

たとえば、外科的な治療が必要となる場合は、手術によって寝たきりになってしまう可能性や、認知症が進行してしまうリスクが高まらないかなどを考えることになるからです。

また、単純に現在の心臓や肺の状態から、手術に耐えられる体力があるかなども検討することになります。

このように、がん治療では、医療面での検討ポイント介護における考慮点の両方を交えて総合的に判断することが求められるのです。

 

こうした判断は、医師一人で決められるものではありません。

そのため、本人や介護を行う人と、その人を支える関係機関とで、同じ方向に向かってケアができるように、コミュニケーションをとっていく必要があります。

がん治療をすることで、機能が低下して要介護が上がる恐れもありますので、将来も見据えて納得できる決定をするべきだからです。

 

3.個人差に応じた施設選びが必要

 

個人差に応じた施設選び

 

こうして見てきたように、がんの状態というのはかなり大きな個人差があります。

症状そのものだけでなく、機能障害の程度も治療方針に影響を与えますので、一人一人異なる対応の仕方を考えないといけないことになります。

そこで、がんを患う要介護者をどういう施設でケアするのかという点についても、それぞれの状況に応じて検討するべきです。

 

「自覚症状」や「医療管理」が必要ない人 

「抗がん剤治療」や、痛みを緩和するための「麻薬」など、特別な医療管理が必要ない人であれば、通常の施設選びと大きく変わらないといえます。

投薬や定期的な検査などの必要性はあるでしょうが、介護士さんが行う通常のケアで生活ができる方であれば、極端に選択肢が狭まることはなさそうです。

 

「医療管理」を必要とする人 

一方で、「がん末期」の方や、より「高度な医療処置」を必要とする場合は、医療面でのケアができる介護施設に入った方が良いでしょう。

介護サービスを提供と同時に、医療処置も行える介護施設として「ナーシングホーム」というものがあります。

 

「ナーシングホーム」とは 

ナーシングホームというのは、介護と看護の両方を同じ場所で行える施設のことです。

 

介護士だけでなく看護師が常駐していて、利用者のニーズに合わせてどちらかが、もしくは両者が協力してケアを行っていくことができます。

近年では、愛知県名古屋市でも住宅型有料老人ホームサービス付き高齢者向け住宅のなかに、「ナーシングホーム」や「医療特化型施設」として開設する施設が増加傾向にあります。

がん末期の方にとって、病院やホスピス以外第三の選択肢となってきているのです。

 

ナーシングホームは高齢者に限らず、「障がい者」の方でも入れる場合もあります。

それだけ、様々な身体状態の方に適したケアを行っているということですね。

 

また、がん以外でも「特定疾病」や「指定難病」などを抱える人もご入居が可能です。

看護師が24時間体制でサポートを行い、医療機関とも連携しているので、一般的な介護施設では対応が難しい「気管切開」や「中心静脈栄養」の方などでも安心してご入居ができます。

 

「ナーシングホーム」とは 

こうしたナーシングホームでは、介護と医療の両面から手厚くケアが受けられる一方で、「入居条件」が設けられていることがほとんどです。

・「指定難病」や「特定疾病」をもつ方
・「特定の医療処置」のある方
・特定の医療処置や病気の無い方の場合は、要介護度4~5などの重度要介護者の方

 

また、特に条件が無い場合でも、以下のような方は「ナーシングホームが合わない」可能性があるので注意が必要です。

身体的に自立されて、認知症状などもみられない方
・おしゃべりがお好きな方
・認知症状により医療器具などに触れてしまう恐れのある方

 

ナーシングホームでは、介護や医療の面でたくさんのケアを要する方が多く、ほんどの方が寝たきりという施設も珍しくありません。

その分、他の入居者との関わりを持つことが難しい命に関わる大切な医療設備が置いてある、などの特有の事情があることも理解しておきましょう。

 

 ナーシングホームの環境  

ナーシングホームは、老人ホームのように、住まいという考えのもとで作られていますので、居住は個室となります。

そのため、プライバシーが重視されているのもメリットと言えます。

こうした環境にありますので、末期がんのためターミナルケアをしたいという要望にも応じられるのです。

家族としても、落ち着いた環境でがんの治療と介護ケアを受けられる施設に入れてあげられますので、強い安心感があります。

 

【おわりに】

高齢化が進んでいる日本では、介護を必要とする高齢者の中にがんを患う人の割合が高くなっています。そのため、介護サービスと同時にがん治療という医療処置を施せる施設が必要となっています。

その一つの解決策となるのが「ナーシングホーム」です。

より本人にあった特性の施設を選ぶことで、快適さや安心を得ることが、施設探しでは大切です。情報を集めて、より必要なケアを適切に受けられる施設をチェックしてみましょう。