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2025/12/28
コラム

身寄りなし高齢者を支える“保障”とは――安心して暮らすための仕組みと課題

身寄りなし高齢者を支える“保障”とは――安心して暮らすための仕組みと課題

高齢期にあって、家族や身寄りがなく「保障」の視点で安心を考えることは、これからますます重要になります。親族に頼れない状況でも、自分の暮らしや死後の手続きをどう担保するかを知ることで、心の負担を軽くできます。

身寄りなし高齢者が直面する「保障」上の課題

「身寄りなし」とは、配偶者・子ども・親族が近くにおらず、支援を頼みづらい状況を指します。 こうした高齢者が抱える課題としては、主に次のようなものがあります。

  • 医療機関への入院や介護保険施設への入所の際に、身元保証人や緊急連絡先が求められること。
  • 日常生活の金銭管理・重要書類の保管・判断能力低下時の対応など、一人で対応が難しい事案。
  • 死後の手続き(葬儀、遺品整理、住居の退去処理など)を行う人がいない、または確保されていないこと。
    このように、「保障=安心して暮らすための仕組み」が欠けていると、高齢期における安心がそがれてしまいます。

制度・サービスで進んでいる取組みとその限界

最近、制度面では「身寄りなし高齢者」への支援が公的にも検討されてきています。たとえば、 厚生労働省 は“身寄りのない人の支援”として、入院・入所・死後事務まで含む新制度創設方針を示しています。また、自治体では 高齢者等終身サポート事業 として、身元保証・日常支援・死後事務などを一括して支えるサービスがモデルとして提示されています。
ただし、現状には次のような課題もあります。

  • 民間サービスでは「契約金額が高額」「契約内容が分かりにくい」「解約・返金条項が不透明」など消費者トラブルの報告もあります。
  • 公的制度としては対象の範囲、担い手の確保、財源の明確化などまだ十分整っていない点があります。
    つまり、保障を確保するための仕組みは拡がりつつありますが、「誰でも安心」という段階までは到達していないのが現状です。

介護・福祉現場から見た「保障」のためにできること

介護・福祉の現場では、身寄りのない高齢者を支えるための具体的な対応が求められています。例えば、以下のような取組みが挙げられます。

  • 入所・入院時に「保証人がいないこと=サービス拒否」ではないことを理解する。実際、法令上、身元保証人がいないことだけを理由に入所や入院を拒んではいけないとされています。
  • 契約書・重要事項説明書の中に「身元保証人必須」と明記されていないか、チェック・改善を行う。
  • 日常的な金銭管理・緊急連絡先・死後事務の支援など、利用者を取り巻く「つながり」「仕組み」を地域包括支援センター・社会福祉協議会・ケアマネジャーが連携して整備する。
  • 利用者自身に「どんな保障があると安心か」「契約サービスを選ぶ際のポイントは何か」を説明し、契約の理解を促す。たとえば、契約時に①本人が理解できているか/②解約時や返金のルールが明確か、などのチェックポイントがあります。
    こうした取組みによって、「身寄りがない」という状況だからといって、保障が手薄にならないような環境づくりが進められます。

まとめ

身寄りのない高齢者が安心して暮らすには、「保障=身元保証・手続き代行・死後支援などを含む安心の枠組み」が欠かせません。現状、制度やサービスは整備が進んでいるものの、すべての高齢者が十分に使える状態には至っていません。介護・福祉の現場としては、契約内容の確認や地域連携の強化など「利用前から安心を設計する視点」が重要です。こうした仕組みを通じて、誰もが暮らし終えるときまで「頼れる保障」のもとに過ごせる社会をめざしたいものです。