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2020/08/24
コラム

「小規模多機能型居宅介護」とは

在宅介護のサービスには、「ショートステイ」や「デイサービス」など、いろいろな種類があり、複数のサービスを利用している高齢者は多いでしょう。

こうした介護サービスの中に、「小規模多機能型居宅介護」というものがあることはご存知でしょうか?

愛知県名古屋市においても、たくさん事業所が小規模多機能型居宅介護を行っています。

しかし、身近な人がサービスを利用している人を除いて、多くの場合、その名前や内容を知らないことがほとんどです。

今回はこのサービスについて詳しくみていきましょう。

Youtubeでも簡単開設と改正内容などが見られます

▼【小規模多機能型居宅介護】小多機の定員基準が変わりました

1. サービスの3本柱「訪問」「通い」「泊り」

 

サービスの3本柱「訪問」「通い」「泊り」

 

小規模多機能型居宅介護」のサービスは、3本柱で構成されています。

 訪問 (ホームヘルプサービス)
 通所 (デイサービス)
 泊り (ショートステイ)

一般的な介護サービスの利用方法おいては、これらはすべて独立した異なるサービスとして、利用する際にはそれぞれの事業所と個別に契約を結んで利用します。

しかし、小規模多機能型居宅介護の場合、これらのサービスを一体的に利用できるようになります。

ではこの、「一体的に」とはどういう意味なのでしょうか。

小規模多機能型居宅介護では、3つのサービスが一体化しているので、デイサービスを利用している人がホームヘルプを利用してみたいと考える際、新しい事業所探しや契約が不要で、スムーズにサービスを利用できるという点がこの制度の最大の魅力です。

 

ただし、誰でも利用できるというわけではありません。

 利用条件 

・要介護認定を受けた高齢者のみ
・サービス提供事業所と同じ市町村に住む人
・サービス提供事業所の専属ケアマネージャーが担当につく

このように、利用するにはいくつかの条件があります。

小規模多機能型居宅介護は、「地域密着型サービス」に位置付けられているため、住みなれた地域にある事業所を利用することになります。

また、目的の異なる3つのサービスを一体的に、かつ柔軟に利用するために、事業所を深く理解している専属のケアマネージャーが担当につくことが条件となります。

 

 利用金額  

・月額料金は定額制
・介護度によって上限額が決まる
同じ介護度でも地域ごとに定められた介護単位によって異なる
・介護保険の負担割合によって異なる

費用は介護度によって異なるので、介護度の高い方の方が当然上限の金額は高くなりますが、毎月の自己負担額は「定額制」となっています。

 

 その他の実費負担  

・食事代
・ショートステイの宿泊費用
・おむつ代などの日用品費

こうした費用については、利用者の実費負担となり、介護保険サービス脾とは別に利用した分だけ支払うこととなります。

しかしながら、実費負担がかかることを加味したとしても、サービス手続きの手間が軽減され、柔軟に利用でき、価格も定額ですから、「小規模多機能型」には魅力があります。

 

2. 小規模多機能型居宅介護の「メリット」

 

小規模多機能型居宅介護の「メリット」

小規模多機能型居宅介護には、たくさんのメリットがあります。

 メリット① 1回の契約で幅広いサービスが利用可能

先述の通り、「訪問サービス」、「通所サービス」、「宿泊サービス」が同じ事業所から受けられ、かつ、本来であれば別々に必要な契約が1回で良いというのは、手続きの負担が軽減されます。

 

 メリット②  柔軟にサービスを組み合わせられる

同じ事業所の中でサービスを組み合わせていくので、利用者の状況やニーズに合わせたフレキシブルな対応が可能です。

 

 メリット③  利用者が介護サービスを受け入れやすい

見慣れた施設でサービスが受けれられ、顔見知りのスタッフが介護を行い、お馴染みの利用者が一緒に生活するという環境ですので、環境の変化に敏感な高齢者にとっては、精神的な負担が軽減できます。

 

 メリット④  利用者の状況や変化を職員が把握しやすい

形態の異なるサービスでも、同じ施設で馴染みの職員が対応していますので、介護スタッフ同士での情報共有がスムーズです。

また、普段の様子を理解しているので、わずかな体調の変化にも気づきやすいのです。

 

小規模多機能型居宅介護は「どんな高齢者におすすめ」なのでしょうか。

 その①  環境の変化で不安になりやすい方

高齢者、特に「認知症を発症している方」などは、場所や人などの環境の変化によって心身のバランスを崩しやすい傾向があります。

訪問、通所、泊りの3つのうち、一般的にハードルが高いのがショートステイで、訪問と通所では問題なく利用できていた方でも、泊りになると抵抗感や不安が強くなることは珍しくありません。

ですから、ショートステイが通所で通っている事業所と同じ場所にあること、対応してくれるスタッフが顔なじみであることは、高齢者にとって大きな安心材料です。

 

 その②  病院で入院治療していた方

病院で「入院治療を受けていた方」は、退院後のサポートが必要になるケースが多いです。

小規模多機能型居宅介護なら、訪問サービスを始め、ショートステイや通所サービスもワンストップで契約が可能です。

そのため、体力や回復具合に合わせて、活動の幅を広げられます。

 

3. 小規模多機能型居宅介護の「デメリット」

 

小規模多機能型居宅介護の「デメリット」

小規模多機能型居宅介護を利用する際には、デメリットも理解しておかなければいけません。

 デメリット①  ケアマネージャーが選べない

小規模多機能型居宅介護を利用する際には、小規模多機能型居宅介護の専従の職員が担当ケアマネージャーに変わります。

つまり、これまで担当してもらっていた馴染みのケアマネ―ジャーに担当してもらうことができないということです。

しかしながら、ケアマネージャーと3つのサービスが同じ事業所から提供されることで、より綿密な連携が取れるという点では心強いという考え方もできます。

 

 デメリット①  利用するサービス事業者が自由に選べない

小規模多機能型居宅介護では、訪問・通い・泊りのサービスはすべて同じ事業所を利用します。

利用者によってはそれが大きなメリットになりますが、人によっては「特定の事業所を利用したい」という要望があるかもしれません。

しかし、そうしたお気に入りのサービス事業所があったとしても、すべてのサービスを決められた事業所で受けることになりますので、そういう点ではデメリットになることがあります。

 

小規模多機能型居宅介護を利用する際には、これらの「メリット」と「デメリット」を十分理解し、本人やご家族の状況、要望をしっかりと整理し、小規模多機能型居宅介護の特徴がニーズとあっているかを確認しながら利用を検討すると良いでしょう。

 

おわりに…

小規模多機能型居宅介護は、訪問・通い・泊りのサービスを同じ施設で受けられるというサービスです。

費用面や精神的にかかる負担などの面において、たくさんのメリットがあります。ただし、利用の際にはデメリットも理解しておきたいものです。