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2025/12/19
コラム

【老化と健康】高齢になると増える病気とは?―健康を保つために知っておきたい体の変化

【老化と健康】高齢になると増える病気とは?―健康を保つために知っておきたい体の変化

年齢を重ねるにつれて、体の変化や健康への不安を感じる方が増えていきます。
ちょっとした体調の変化が思わぬ病気につながることも少なくありません。本記事では、高齢期に起こりやすい病気の傾向や、早めに気づくためのポイントを解説します。

高齢者に多い病気とその傾向

高齢者が発症しやすい病気として、特に次のものが挙げられます。

  • 認知症:介護が必要となる原因の中で最も多く、2019年のデータでは「要介護・要支援」と認定されるきっかけのうち16.6%を占めています。
  • 脳血管疾患(脳卒中など):第2位の原因であり、血管が詰まったり破れたりすることで、手足の麻痺や言語障害など日常動作に大きな影響を及ぼします。
  • 骨粗鬆症・転倒骨折:高齢者では筋力低下・骨密度低下により転倒しやすく、骨折が寝たきりや要介護状態につながるケースが少なくありません。
    これらの病気はいずれも、高齢期に身体機能・臓器機能が変化すること、さらに複数の疾患を併せ持ちやすいことが背景にあります。

高齢者の病気に共通する「特徴」

高齢者の病気は、若年期のそれとは少し違った特徴を持っています。主な特徴としては以下の点が挙げられます。

  1. 複数の病気を併発しやすい
    免疫機能や臓器機能の低下、生活習慣病の長期継続などにより、たとえば高血圧・糖尿病・脂質異常症が同時にあるケースが多く、それぞれが互いに悪影響を及ぼします。
  2. 病状が重篤化しやすい/回復が遅い
    若年期では軽症で済んでいた風邪や胃腸炎も、高齢者では肺炎や脱水、さらには長期臥床を招くことも。回復力が落ちているため、早めの対応が重要です。
  3. 典型的な症状が出にくい、気づきにくい
    例えば高熱が出ない、胸痛を訴えない心筋梗塞、咳が出ない肺炎など、症状の出方が若年期と異なることがあります。日常の変化(食欲低下・口数減・動きたがらない等)を見逃さないことが大切です。
    これらの特徴を理解しておくことは、早期発見・早期対応につながり、介護・福祉の現場でもケア計画を立てるうえで重要です。

高齢者が病気になりやすい原因と予防の視点

なぜ高齢になると病気が増え、要介護のリスクが高まるのか。主な原因と、それをふまえた予防の視点を整理します。

主な原因

  • 身体機能・免疫力の低下:加齢により筋力低下(サルコペニア)、バランス能力・骨密度の低下、免疫機能の衰えが起こります。これにより転倒・感染症リスクが上がります。
  • 臓器の老化・機能低下:心臓・肺・腎臓など主要臓器の働きが年齢とともに弱まり、血液循環不良、息切れ、むくみなどを招きやすくなります。
  • 生活習慣の累積的影響:若い頃からの喫煙、高カロリー・高脂肪食、運動不足などが蓄積され、生活習慣病(糖尿病・高血圧・脂質異常症など)へと発展し、高齢期の病気発症リスクを高めます。
  • 慢性疾患の影響:既に持っている病気(例:糖尿病、高血圧症)があると、それ自体が他の病気の発症や重症化の原因となります。

予防の視点

  • 適度な運動習慣:ウォーキング・ストレッチ・バランス運動などで筋力・柔軟性・バランスを維持することが、転倒予防やフレイル対策に有効です。
  • バランスの良い食事:特に高齢期では「たんぱく質」「ビタミン・ミネラル」を意識することで、筋肉・骨・免疫を支える栄養を確保できます。
  • 社会参加・日常活動の維持:趣味や地域活動、交流などを通じて「動く・話す・参加する」機会を持つことが、身体機能・認知機能の維持に役立ちます。
  • 定期的な健康診断・検診典型的な症状が出にくい高齢者の病気において、検診による早期発見が鍵となります。
    介護・福祉の立場からは、これらの視点を持ってケアプランや日常支援を考えることが、要介護状態を未然に防ぐうえで重要です。

まとめ

高齢期は「身体機能の低下」「臓器の老化」「生活習慣の累積」「慢性疾患の併存」といった複数のリスク要因があいまって、病気の発症・重症化・介護状態化につながりやすくなります。典型症状が出にくいという特徴を踏まえ、軽い兆候でも見逃さず、運動・栄養・社会参加・検診という予防の取り組みをケア・支援の場で日常的に支えていくことが、健康寿命の延伸と介護負担の軽減につながります。
※本記事は医療的な診断・治療を目的としたものではなく、介護・福祉従事者の理解を深めるための内容です。