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ケアまどニュース
年を重ねて見える幸せ――高齢者の幸福度を高める暮らし方

老後を幸せに過ごす方法は一つではありません。体の健康はもちろん大切ですが、年齢を重ねることで深まる心の変化や人とのつながりも、幸福感を高める大きな力となります。
健康は大切な土台、でも全てではない
高齢者が感じる不安の多くは「病気や介護が必要になること」です。確かに体が元気で自分で動けると安心感があり、暮らしやすさにもつながります。しかし一方で、体が不自由でも「今の自分を受け入れて心穏やかに過ごす」ことで幸福を感じている人も少なくありません。心理学ではこれを「老年的超越」と呼び、年齢を重ねることで物事の捉え方が広がり、体の状態にかかわらず心の充実を得られるとされています。
できないことが増えて不幸感が高まると思いきや、自分自身をとらえ直し、不幸感が弱くなり感謝の気持ちが高まっていく、と分析する研究員もいます。
また物質的なものへの執着が減り、社会的な地位などにもこだわらなくなり、ありのままを受け入れられるようになることも要因だと考えられています。
つまり、健康を守る努力は大切ですが、体が思うように動かなくても幸福感の中で生きられるということです。
人とのつながりが幸福感を育てる
幸福度を高めるもう一つの大きな要素が、人との関わりです。調査では、配偶者や家族、友人との交流がある人ほど「幸せ」と感じる割合が高いと報告されています。逆に孤立してしまうと、不安や孤独感が強まりやすくなります。
地域の集まりに参加したり、趣味の仲間と会話したり、ボランティアや孫のお世話をすることは「自分は誰かの役に立っている」という実感をもたらします。これは体の状態に関係なく得られる喜びです。たとえ寝たきりでも、訪ねてくれる人との会話や、電話一本でも「つながり」を感じられると、心は豊かになり幸福感が高まります。
小さな楽しみと新しい挑戦を持つ
幸福は大きな出来事だけでなく、日々の小さな楽しみからも生まれます。好きな音楽を聴く、本を読む、植物の世話をする、孫の写真を見る――こうした時間が生活に彩りを加えます。
また、高齢になってから新しい趣味を始めたり、学びに挑戦する人もいます。「もうこの年だから無理」と諦めず、興味のあることに一歩踏み出すことで、新しい出会いや発見が生まれます。体の自由が限られていても、工夫次第で「楽しみの形」は広がっていきます。
日常に「自分の好きなこと」を見つけて続けることこそ、幸福度を高める秘訣といえるでしょう。
まとめ
老後を幸せに過ごすには、健康を守るだけでなく、心の持ち方や人とのつながり、小さな楽しみが大切です。体が不自由になっても、価値観の変化によって幸せを感じられる道はあります。今の自分をそのまま受け入れ、人と関わり、心を開き、自分らしい時間を楽しむことが、老後を豊かに過ごす一番の近道です。
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