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【マイナ保険証】高齢者にとってのメリットと課題

マイナンバーカードの健康保険証利用、いわゆる「マイナ保険証」が広がりつつあります。高齢者にとっては受診時の利便性や薬剤情報の共有などのメリットが期待される一方、操作の難しさや不安といった課題も存在します。
受診時の利便性と情報一元化のメリット
「マイナ保険証」とは、マイナンバーカードを健康保険証として利用できる仕組みのことです。医療機関や薬局での資格確認や薬剤情報の共有などが可能になるため、従来の紙の保険証に比べて受診時の利便性が高まり、医療情報を一元的に扱えるようになります。
カード1枚で完結
紙の保険証を持ち歩かなくても、マイナ保険証だけで資格確認ができます。更新忘れや保険証の切り替え時の混乱も防げます。
薬剤情報の確認
過去に処方された薬の情報を医療機関や薬局で共有できるため、薬の重複処方や飲み合わせのリスクを減らすことができます。特に複数の病院にかかる高齢者にとって、安全性が高まります。
限度額区分の確認
高額療養費制度における自己負担の上限額がその場で確認できます。そのため、窓口での支払い額があらかじめ明確になり、後日払い戻しを受ける手間が軽減されます。経済的な負担の見通しが立てやすくなる点も高齢者や家族にとって大きなメリットです。
高齢者が感じる課題と不安
一方で、高齢者にとってマイナ保険証の利用には課題も少なくありません。まず、カードの読み取りに暗証番号や顔認証が必要となる場合があり、操作に不慣れな方や認知症のある方にとってはハードルとなります。特に病院受付の場面では、機械の前で戸惑ってしまうこともあり、心理的・物理的な負担を感じる人もいるでしょう。
また、カードを紛失した際の不安も大きな課題です。マイナ保険証には多くの個人情報が含まれていいます。悪用されないためにも、紛失時にはすぐに停止手続きを行う必要があります。高齢者が一人で管理するのが難しい場合は、管理において家族や支援者のサポートが必要なケースもあります。
安心して利用するために必要な支援
マイナ保険証を高齢者が安心して使うためには、家族や医療機関等によるサポートが不可欠です。
例えば、カードの更新手続きや暗証番号管理を家族が手伝う、病院での使い方を事前に練習するなど、身近な支援が有効です。医療機関や薬局でも、職員が使い方を丁寧に説明したり、操作に戸惑う患者に寄り添う対応が求められます。
また、必要に応じて「資格確認書」を発行するのも1つの方法です。従来のような紙の保険証のように使用できるので、カードの操作に不安がある方や紛失を心配する方にとって安心材料となります。特に理解力の低下がみられる方や、視覚・聴覚に制約のある方には有効な選択肢であり、申請すれば誰でも利用可能です。ただし、資格確認書には薬剤情報の共有する機能は無いため、あくまで移行期の補完的な手段と位置づけられています。そのため、家族や地域が支援しつつ、少しずつマイナ保険証の利用に慣れていくことが将来的には望ましいといえるでしょう。
まとめ
マイナ保険証は、高齢者の受診を便利にし、薬剤情報や限度額区分を確認できることで安全性や経済的安心を高めます。しかし、操作の難しさや紛失リスクといった課題も残ります。制度の利点を最大限に活かすには、家族や医療機関の支援体制が欠かせません。
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