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2020/05/04
コラム

老人ホームへの「入所後の通院」はどうなるの?

これまで在宅で生活されてきた方が介護施設へ入居する際、これまでかかりつけの病院に治療や検査で通っていた方は、

「施設に入ったら通院はどうなるんだろう?」と疑問に思われることでしょう。

疑問を解消できるように各施設の一般的な対応を紹介します。

【目次】
①多くの介護施設では「往診」で対応している
②専門治療が必要な場合や緊急時はどうなるの?
③「介護老人保健施設」の取り決めは少し特殊

▼【Youtube】でも解説しています

 

1.多くの介護施設では「往診」で対応している

「往診」する医師

多くの老人ホームでは医療機関と提携して定期的な往診を行っています。

愛知県名古屋市の老人ホームでも例外ではありません。
主な往診科目は内科』『歯科』『精神科』などです。

【 訪問診療の特徴 】

・本人の外出が不要で、リラックスして医師の診察を受けられる
・通院の際にの外出の準備、交通や付添いの手配が不要
・契約した往診医が「かかりつけ医」になる
・往診開始時にはホームから医師に医療的な情報提供がされる

 内科の場合 

往診の契約をすることにより発熱など体調の変化があった場合には、施設から医師に連絡して判断を仰ぐことができます。
その際には医師から施設看護師へ指示出しをすることもあり、往診医師の到着の前に処置も可能です。
風邪やウィルスの感染症などで外出が難しい場合も医師が居室まで往診してくれるので安心です。

 精神科の場合 

本人から医師に細かい体調を伝えるのが難しい場合でも、本人の状態の変化や日常の様子、処方薬の効果などの詳細を施設職員が医師に伝えることが可能です。
場所の変化に敏感な方も居るため、本人が慣れた場所での受診が可能なのは本人への負担の軽減にもなります。

 歯科の場合 

歯科医師が必要な機材を施設に持ち込んで診察や処置を行います。
起き上がることが難しい方の口の中を清潔に保つための口腔ケアをはじめ、義歯の作成や調整虫歯治療歯周病治療などに対応しています。
対応できること、できないことがありますのでどのような対応ができるか施設に確認してみましょう。

 

施設ではスタッフが本人の日々の健康状態を把握してくれています。
往診の際に本人だけでなく、スタッフからも健康状態や気になることなど医師に伝え確認してくれる点は、一緒に住むことができない家族も安心ですよね。また、面会で家族が気になったこともスタッフに伝えておけば家族に代わってスタッフが医師に確認することもできます。

処方薬についても、スタッフから医師に伝えて指示を受けることができます。処方薬はスタッフが薬局まで受け取りに行く、または薬剤師が届けてくれるなど、基本的に本人が外出することなく受け取りが可能です。

 

どうしても今まで通院した病院を希望する場合は、
・往診医以外にかかることは可能か
・定期通院やその送迎についてどうなるのか
などを、施設見学の際に事前に相談してみましょう。

これまで利用した病院の通院継続が難しい場合には、
・往診でも対応できるのか
・提携医療機関の情報、対応できる科目、往診日数、料金
などを、施設に確認しましょう。

 

2.専門治療が必要な場合や緊急時はどうなるの?

通院時の送迎

ホームでの往診で対応できない専門治療が必要な場合や緊急時はどのような対応方法があるのでしょうか。

「人工透析」「がん治療」など専門治療の場合は通院が必要になります。

その際の対応方法としては家族送迎』、『施設サービス』、『有料サービス』などさまざまです。

・施設相談員などに通院が必要な事情を話す
・入居後も今までの病院へ通院継続できる場合、送迎方法や付き添いについて相談
・自宅から離れた場所への入居など、継続困難な場合は治療できる病院先を探す
・通院先を変更する場合、変更先病院への情報提供が必要となる場合がある

【人工透析の通院について】
まずは病院側で送迎が可能かを確認し、難しい場合は送迎手段、付添いの有無、透析病院を変更した場合の受診方法などを検討する必要がある。

病院からの送迎が利用できない場合は家族対応、施設サービス、有料サービスなどで対応する。

 

人工透析対応病院の送迎が利用できない家族が対応できない場合は「施設サービス」や「介護タクシー」などの有料サービスを利用することとなります。

 施設サービス 

・送迎の有無や、サービスが有料か無料かは施設で異なる
・受診中の付き添いが含まれるかなどの対応内容は要確認
・利用料金の仕組みも回数か時間かなど、確認が必要

 介護タクシー

・介護保険を利用するタクシーと保険外のタクシーがある
・保険内タクシーを利用する際は担当ケアマネジャーに相談
・手配の方法や料金を確認する

 

また、受診中の付添いが必要な場合は、送迎とは別に付き添いサービスの利用が必要となります。

 施設サービス 

・家族の付き添いが難しい場合、施設サービスとして施設職員が付く添ってくれる場合がある
・付き添いに料金が発生するかどうかは施設ごと異なる

 介護ヘルパー 

・介護保険上、受診中の院内付き添いは病院側が行うことが望ましいとされているが、必要に応じて介護保険サービスとして付き添いは可能
・原則、透析等の処置中や、受診するまでの待ち時間は、介護保険サービスの提供時間には含まれない

 

ヘルパーを利用しての介助が必要な場合は、どこまでの介助が必要か往復の介助が必要か、透析病院のロッカーでの着替えの介助が必要かなどによって、対応方法が異なるので事前の相談が必要となります。

ヘルパーを利用する場合でも介護保険で対応できる部分やできない部分も出てくるので、ケアマネジャーとの相談が必要になります。

介護保険で利用できない部分自費利用となり事業所ごとに料金が設定されていますので、施設やケアマネージャーと相談しながら利用を検討していきましょう。

 

【 体調の急変や怪我 】

転倒や骨折、体調の急変などで救急搬送が必要な場合は、ホームから救急車の要請となりになる。
必要な処置があればホームの看護師やスタッフが対応しながら救急車の到着を待つ。

「整形外科」、「専門治療で通院している」かかりつけの病院があればスタッフより救急隊へ伝えられます。また、ホームが提携している医療機関があれば提携先病院も情報提供されます。

ホームでは入居者の健康状態、処方されている薬などの情報を把握しているので救急隊へスムーズに情報提供がされます。しかし、かかりつけ病院や提携先病院の受け入れが困難な場合にはホームより遠い医療機関になってしまうことがあります。

 

3. 「介護老人保健施設」の取り決めは少し特殊

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 介護老人保健施設とは 

施設でリハビリを行って在宅で生活できることを目的とした要介護1以上の介護保険の被保険者が入所する施設。
施設では介護士や看護師のほか、医師や国家資格を持つ機能訓練士を配置することが定められている。

日常的に必要な入居者への医療提供は、介護老人保健施設の医師や看護師が担当し、薬の処方も施設のサービスとして行われます。

そのため、医療については施設内で完結するかたちで提供され、原則外部の医療機関にかかることはできません

しかし、施設で必要な処置や検査を行うのが困難な場合には、施設の協力病院やその他の医療機関への通院入院など施設の医師の判断で対応することになります。

ただし、入院となった場合には自動的に介護老人保健施設を退所ということになります。

 

おわりに…

介護施設へ入居しても安心、安全に生活していきたいと誰もが希望します。

施設によって特色はさまざまですのでどのような条件を優先するのかよく検討し、必ず見学を行って詳しい説明を聞いたり、自分の思いを施設の方に伝えたうえで自分に合った施設を決めるようにしましょう。