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ケアまどニュース
2024年4月開始「貸与・購入選択制」で変わる福祉用具の使い方

2024年4月(令和6年度)より、一定の福祉用具に対して「貸与」または「購入」の選択制が導入されました。これは利用者の費用負担軽減や介護保険制度の持続可能性を目指したもので、スロープ・歩行器・歩行補助杖の3種を対象にしています。
今後、より一層ケアマネや福祉用具専門相談員の果たす役割が重要となります。
対象福祉用具と制度の概要
2024年4月1日から、「固定用スロープ」「歩行器(歩行車を除く)」「歩行補助杖(単点杖・多点杖)」の3種が、福祉用具貸与・販売の選択制の対象となりました。これにより、これまで原則貸与とされてきたこれらの用具も、利用者の判断で「購入」することができるようになりました。
従来、貸与は短期利用や機器交換に強みがありましたが、長期的な使用が見込まれるケースでは、購入の方が費用負担を抑えられる可能性があります。
この変更により、利用者の多様なニーズに対応する柔軟な制度設計が進められたかたちです。
選択制導入の背景と意義
この制度改正の背景には、介護保険財政の逼迫や利用者負担の見直しがありました。たとえば歩行補助杖のように、1年以上使用することが一般的な用具は、レンタルを継続するよりも購入したほうがトータルコストが抑えられるというデータもあります。
実際に平均的な使用期間の統計では、以下のようになっています。
- 固定用スロープ:約11.3ヶ月
- 歩行器:約14.6ヶ月
- 歩行補助杖:約15.7ヶ月
これらの数字をもとに、「どちらが経済的か」を判断する仕組みが求められるようになったのです。
ケアマネ・相談員に求められる支援と対応
新たな選択肢が生まれたことで、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員には、利用者への丁寧な説明が強く求められます。たとえば次のような情報提供が必要とされています。
- 貸与・購入それぞれの費用感
- 利用期間の見込みと平均的使用月数
- 購入した場合のメンテナンスや交換の注意点
- 使わなくなった場合の対応(特に購入品)
また、導入後の流れとして、以下のような実務も必要です。
なお、医師の意見は「望ましいが必須ではない」とされており、ケアマネや相談員の専門性が一層問われる運用が始まっています。
- 貸与時:6ヶ月以内のモニタリングを実施
- 販売時:相談対応や使用状況の確認を行い、必要に応じてケアマネへ報告
まとめ
2024年4月の制度改正により、スロープ・歩行器・歩行補助杖は「貸与」か「購入」の選択が可能になりました。
利用期間や費用差などの具体的な情報を提供することで、利用者にとって最適な選択ができるよう、ケアマネ・福祉用具専門相談員の専門性と支援がこれまで以上に求められます。
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