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2025/07/23
コラム

【夏バテ予防】高齢者の夏場の食欲不振と栄養管理

【夏バテ予防】高齢者の夏場の食欲不振と栄養管理

夏の暑さは高齢者の食欲を低下させ、栄養不足体力の低下を引き起こしやすくなります。とくに高齢者は体温調整機能が弱く、夏バテによる悪循環に陥るリスクが高まるため注意が必要です。本コラムでは、夏の食欲不振の原因と対策、具体的な食事の工夫について紹介します。

高齢者が夏バテしやすい理由とは?

高齢者は若い世代と比べて、暑さを感じにくくなっていることに加え、暑さへの耐性が低く、熱をうまく逃がす汗腺機能や体温調節機能が弱まっています。暑さがもたらす影響が体に作用しやすいために、いわゆる「夏バテ」の症状を引き起こすリスクが高いのです。

夏バテの主な症状には以下のようなものがあります:

■食欲不振
■全身のだるさ
■眠気・倦怠感
■胃もたれ・吐き気

夏バテが起こる原因として、冷房の効きすぎや、逆に冷房を使わず暑すぎる環境で過ごすこと、水分不足栄養の偏り不規則な生活などが影響しています。さらに、加齢により喉の渇きに気づきにくい咀嚼・嚥下機能の低下なども、高齢者特有の夏バテの原因、悪化させる引き金となっています。

特に心疾患糖尿病などの持病がある高齢者は、夏バテが重症化しやすく注意が必要です。

夏場の食欲不振を防ぐための工夫

高齢者の夏場の栄養管理では、「食べやすい「消化が良い」「栄養価が高い」の3点が重要です。具体的には次のような工夫が効果的です。

冷たくてのどごしのよい食品を取り入れる

そうめん、冷やし茶わん蒸し、ゼリー状の副菜などは、食欲がない時でも食べやすいことと、口当たりがよいのが特徴です。水分補給と同時に塩分・糖分を適度に補えるよう意識しましょう。

香味野菜や酸味で食欲を刺激

しそ、しょうが、レモン、梅干しなどは食欲を促進する効果があり、味に変化を加えることで食べやすくなります。酢の物や冷しゃぶなどもおすすめです。

調理方法は「蒸す・煮る」がオススメ

脂っこい揚げ物よりも、蒸し料理煮物の方が胃に優しく、消化に良いのがポイント。食材は小さめに切って咀嚼しやすくする、味を濃くするよりも出汁を効かせて風味豊かに仕上げる、などの工夫もおすすめです。

高齢者に必要な栄養素とその摂取方法

夏場でも高齢者が摂取すべき栄養素は変わりませんが、「食が細くなる」という前提のもと、少量でも栄養価の高い食材や調理法を選ぶことが重要です。

主に意識したい栄養素は以下のとおりです:

たんぱく質 (筋力・免疫維持):豆腐、鶏肉、卵、魚、乳製品

ビタミンB群・C群 (疲労回復):豚肉、パプリカ、ブロッコリー、果物

ミネラル類 (ナトリウム・カリウム等):きゅうり、トマト、スイカ、みそ汁

水分 :水・麦茶・経口補水液・味噌汁なども活用

また、1日3食ではなく「少量を5~6回に分けて食べる」など、分食スタイルにすることで食事量を確保しやすくなります。補助的栄養補助食品やゼリー飲料を取り入れるのも効果的です。

まとめ

高齢者の夏場の食欲不振は、脱水や栄養失調、体力低下に直結するため、日々の食事管理がとても重要です。食べやすさや栄養バランスを意識し、季節に合った調理と工夫で夏を乗り切る準備をしましょう。家族や支援者による見守りも大切です。