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2020/03/23
コラム

施設選びでどちらを重要視する?「安全性」と「自由な暮らし」

老人ホームや介護施設への入居を検討している人やその家族の中には、施設に入居すると自由がなくなるのではないかと不安に感じていたり、一度入ると施設の外にもう二度と出ることができないと考えてしまう方がいるかもしれません。

しかし施設の中には、元気な高齢者でも入居ができる施設はありますし、愛知県名古屋市にもそうした施設が増えています。

多様化する施設の中で、自分にピッタリの施設をみつけるためには、どんな風に施設を選べばよいのでしょうか。

 

  目次  

 入居者だけの外出はNGの施設が多い。ただし、家族の付き添いがあればOK
 本人だけで外出ができる老人ホームはあるの?
「楽しみや生きがい」と「リスク」の両方を理解し、本人にあった施設選びを

 

1.入居者だけの外出はNGの施設が多い。ただし、家族が付添えばOK

付き添いのある外出

 

愛知県名古屋市内の施設も例外ではありませんが、老人ホームや介護施設の多くは、外出や短期間の外泊が認められていることが多いものです。

しかし、自宅ではないので入居者1人での自由な外出・外泊はできない施設が多いのです。

外出や外泊の際には原則、施設の確認を必要とすることが多く、家族や家族が承諾した人の付き添いがないと許可をもらえないというケースは多いようです。

特に、要介護に認定されている高齢者が生活する【特別養護老人ホーム】【介護老人保健施設】の場合には、事故のリスクを考慮するため、家族の付き添いがなければ外泊はNGとなっているのが一般的です。

 

家族の付き添いがあっても、外出・外泊が難しいケースもあります。

医療的管理が必要

高齢者のインフルエンザの危険性

例えば、胃ろう経鼻栄養痰吸引のような医療処置が日常的に必要となる場合が該当します。家族に医療技術を持つ医師や看護師がいれば話は別かもしれませんが、そうでない場合には、高齢者の体調を悪化させる危険性があるため、外泊や長時間の外出は難しいかもしれません。

ただし、法事などでどうしても希望する場合には、事前に本人及び家族にリスクを説明、納得した上で許可が出るということもあります。

 

認知症を患っている場合

認知症患者の行動を制限してしまうケース

認知症の症状が強く出ている方も外出・外泊の許可は出にくい場合があります。
これは、認知症を患うと環境の変化に対応しづらくなることが理由で、混乱して興奮状態に陥ってしまう、おさまっていた帰宅願望が再び強まるなど、本人と家族に大きな負担がかかってしまうリスクがあるためです。

 

こうした例に当てはまらない高齢者なら、外出や短期の外泊なら許可をもらえることが多いものです。しかしその場合でも、外泊の期間が長期になるのはNGとなることが多いので注意しなければいけません。

 

施設側の事情もある

イメージ

【介護付き有料老人ホーム】【特別養護老人ホーム】、また【介護老人保健施設】などは、1日ごとに国からの介護給付を受領しています。もしも入居者が外泊をして施設にいないと給付を受けることができず、外泊中の施設の利益が減ってしまうことがあるのです。

そのため、施設の多くでは、外泊が可能な場合でも月ごとの外泊日数に上限を設定している所が多いのです。

また、「入院」についても同様のことが言えるため、入退院を繰り替えてしている人や、入院期間が長くなる場合には退所をお願いされるケースが多くあります。
※【介護老人保健施設】は制度上、日数に関係無く入院と同時に対処扱いとなります

 

 

短期間の外泊なら施設からOKが出る場合には、こうした介護施設に入居した後も家族旅行や法事などで施設から出ることは十分に可能です。

しかしその場合でも、高齢者(特に認知症の方)は生活パターンが変わることによって心身に大きな負担がかかってしまうということは理解しておきたいものです。

施設での生活は、どの施設でも概ねスケジュールが決まっていて、ある程度決まった生活リズムで生活しています。特に介護が必要な人だと、食事入浴に加えて、トイレのタイミングおむつ交換のタイミングなども、毎日同じ時間帯に行われています。

そのため、外出や外泊をする際には、家族がそうしたタイミングを事前に把握した上で、出来るだけ普段通りの生活パターンに近づけるような努力と工夫も必要かもしれません。

 

2.本人だけで外出ができる老人ホームはあるの?

基本的に、事前に外出届を提出することは多くの施設で必要となりますが、家族が付き添うなら外出することは基本的にOKという施設は多いですし、施設によっては一人で外出してもOKという所もあります。

ただし、その許可が高齢者が1人で「電車やバスに乗って出かける」といった外出を意味するのか、スーパーやコンビニなど「近所に買い物や散歩に行く」、といった近距離の外出ならOKなのかは施設によって違う可能性があります。

また、外出したついでにランチを楽しむということもあるかもしれません。その場合には、事前に提出する届の中で昼食は不要と通知しておけば、その分は食事代がキャンセルされかからないという施設もあります。

外出時の外食

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の場合

サ高住とは、日常的に介護が必要というわけではないけれど、見守りや万が一の時の駆け付けサービスなどが付いた高齢者向け施設です。

このタイプの施設では、施設ごとにルールが違いはあるものの、基本的に1人の外出は自由、又は、事前に申請すれば1人でもOK、という所が多いでしょう。

より、安全重視の施設になると、外出先や帰りの時間なども事前に申請しなければ許可が出ないという所もあるので注意しなければいけません。

 

サ高住の場合、外泊に関しても介護施設よりはルールが緩く、家族の同意があれば家族が付き添わない外泊でも可能なケースがあります。

こうしたルールは施設ごとに異なるので、もしもこれからサ高住への入居を検討している人は、そうした面についても比較しながら施設選びをすると良いでしょう。

 

結局どんな施設がいいの?

まずは老人ホームの「相場」を知る

高齢者の自由度を考えると、「あまりルールが厳しくない施設が良いのかな」と考える人は多いかもしれません。

確かに、高齢者が自由に外出や外泊ができる施設なら、窮屈さを感じることは少ないかもしれませんし、気軽にフラリと出かけやすいという点は魅力的です。

しかし、外泊や外出のルールが厳しい施設には、そうするだけの理由があります。

こうしたルールは、高齢者の安全家族の安心を確保するために設けられているものなので、安否確認や見守りサービスを重視している施設では、どうしても一人一人の入居者がどこにいるのかをきちんと把握しておく必要があるわけです。

特に、認知症状が強く出ている高齢者の場合には、安心と安全重視で施設選びをする事が大切です。

 

施設で生活する高齢者の中には、外出したいけれど一人だけではなかなか難しいということがあります。

その場合には、外出や受診に付き添ってくれるサービスを提供している施設などがあるので、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

 

3.「楽しみや生きがい」と「リスク」の両方を理解し、本人にあった施設選びを

希望とリスクのバランスが取れた施設選び

老人ホームや介護施設では、施設ごとにルールが異なり、高齢者の自由度が大きく変わります。

楽しみや生きがいを重視して施設を選びたい人もいれば、安全や安心を重視した施設を選びたい人もいて、本人や家族にとっては何を重視したいのかという点が異なります。

また、本人が希望していても身体的に実現が難しいということがあるかもしれません。そのため、施設選びでは、本人の希望や家族の希望を話し合った上で、楽しみや生きがい、そしてリスクのバランスが取れた施設を選ぶことをおすすめします。

 

おわりに…

高齢者の住まいは、要介護の度合いによって入居可能な施設が絞られます。楽しみや生きがいを重視した施設なら、高齢者は外出や外泊を楽しみやすく成りるでしょう。

しかし一方で、安全や安心を重視した施設の方が、本人も家族も安心できると感じる人もいるものです。

愛知県名古屋市で施設を選ぶなら、様々なニーズや希望を満たしてくれるピッタリの施設探しをしてはいかがでしょうか。