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2025/07/26
コラム

高齢者が安心して暮らせるバリアフリー住宅とは?

高齢者が安心して暮らせるバリアフリー住宅とは?

年齢を重ねると、ちょっとした段差や階段が思わぬ転倒リスクになります。高齢者が自宅で安全・快適に過ごすためには、「バリアフリー住宅」への見直しが大切です。住環境を整えるためのポイントと活用できる支援制度を紹介します。

バリアフリー住宅とは?高齢者にとっての安心設計

バリアフリー住宅とは、段差や滑りやすい床など、日常生活の中にある“障壁(バリア)”を取り除いた住宅のことです。年齢とともに筋力やバランス感覚が低下し、わずかな段差や動線の複雑さが転倒やケガにつながる恐れがあります。そのため、高齢者が安全に暮らすためには、生活動線に無理のない環境を整えることが不可欠です。

代表的なバリアフリーの工夫には、以下のようなものがあります:

  • 段差の解消:玄関・トイレ・浴室・廊下の段差をフラットに

  • 手すりの設置:階段、トイレ、浴室など立ち座りや移動時の補助に

  • 滑りにくい床材への変更:浴室や玄関に防滑性のある素材を使用

  • 扉の変更:開閉の負担が少ない引き戸への変更

こうした工夫によって、転倒事故を未然に防ぎ、本人の自立した生活を長く保つことができます。特に「トイレ」「浴室」「玄関」はリスクの高い場所であり、最優先で見直したいポイントです。

リフォームのタイミングと注意点

住宅のバリアフリー化を考えるタイミングとしては、介護認定を受けたときや、転倒などの事故をきっかけに検討するケースが多く見られます。しかし、できれば事故が起こる前の「予防的リフォーム」が理想です。

リフォーム時の注意点は以下の通りです:

  1. 本人の生活スタイルに合わせた設計

    • 現在の身体機能や動線に合わせて設計する

    • 手すりの位置を利き手に合わせるなど、実際の生活動作を踏まえる

  2. 将来の変化を見越した設計

    • 将来的に杖や車椅子を使用する可能性も想定

    • 廊下やドア幅は車椅子でも通れる寸法にしておくと安心

  3. 家族や介護者の動線にも配慮

    • 介助が必要な場合、支える側の動きやすさも考慮

また、建築士や福祉住環境コーディネーターなどの専門家の意見を取り入れることで、安全性と快適性を両立したリフォームが可能になります。

バリアフリー改修に使える制度と費用支援

バリアフリー住宅への改修には一定の費用がかかりますが、自治体や介護保険制度などによる補助が受けられることもあります。

介護保険の「住宅改修費支給制度」

  • 要支援・要介護認定を受けている方が対象

  • 最大で上限20万円までの工事費用に対し、最大9割(18万円)補助

  • 対象工事は、手すり設置、段差解消、滑り防止床材への変更など

自治体独自の支援制度

  • 一部自治体では、高齢者世帯向けにバリアフリー化助成金を支給

  • 所得制限や介護認定の有無により支援額や条件が異なる

所得税の「住宅改修特別控除」

  • 一定の条件を満たすバリアフリー改修に対し、所得税の控除を受けられる制度

  • 原則として自己所有の住宅が対象

これらの制度を利用することで、実質的な負担を減らしながら安心できる住まいを実現することが可能です。申請には事前の届け出や見積書の提出が必要なため、ケアマネジャーや市区町村の窓口に早めに相談することが大切です。

まとめ

高齢者が安心して自宅で過ごすためには、「バリアフリー住宅」の整備が欠かせません。転倒や介護負担の軽減にもつながる住まいづくりには、段差の解消や手すりの設置など、日常生活に寄り添った工夫が求められます。制度を上手に活用しながら、本人にとって安全で快適な環境を整えていきましょう。